過去問を考えてみよう(292) [過去問解析]
292 Aさん(57歳、男性)は、肺癌(lung cancer)で放射線治療後、放射線肺炎(radiation pneumonia)を発症し、1か月半前から副腎皮質ステロイドにより治療中である。 2日前から38℃の発熱と頭痛が出現し、検査の結果、前頭葉に膿瘍が認められた。現在のAさんの血液検査データは、白血球12,000/μl、空腹時血糖101mg/dl、HbA1c5.9%、CRP4.6mg/dlである。 膿瘍の発症に関与した副腎皮質ステロイドの副作用はどれか。 (2014年午前出題)
1. 糖尿病(diabetes mellitus)
2. 易感染
3. 高血圧症(hypertension)
4. 創傷治癒遷延
正解 (2)
[解説] 現在の症状は、脳膿瘍による発熱と頭痛であり、検査所見(末梢血での白血球増多、CRP高値)もそれを示唆しています。 糖尿病は血糖もHbA1c値も正常範囲で、1は×。 高血圧症だけでは説明できない所見なので、3も×。 脳に創傷はないので4も×。 よって正解は2となります。
[補足1] ステロイドの副作用としては、易感染、満月様顔貌、骨粗鬆症、糖尿病、消化性潰瘍、無菌性骨壊死、高血圧症などがよく知られたものです。
[類題] ⇒ http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/2014-06-04
次の設問に挑戦してください。
[設問] 副腎皮質ステロイドの副作用でないのはどれか。
イ. 糖尿病
ロ. 易感染
ハ. 骨粗鬆症
ニ. 満月様顔貌
ホ. 低血圧
正解 (ホ)
助かりました。ありがとうございます涙
by あおい (2014-12-20 16:04)