過去問を考えてみよう(652) [過去問解析]
652.総胆管結石(choledocholithiasis)による閉塞性黄疸(obstructive jaundice)と胆管炎(cholangitis)とを発症した患者に、内視鏡的経鼻胆道ドレナージ術を行った。 ドレナージ術は問題なく終了し、術後24時間の経過は良好である。 正しいのはどれか。 (2012年午後出題)
1. 抗菌薬の投与は必要ない。
2. 血清ビリルビン値が低下する。
3. 尿の色が黄色から褐色に変化する。
4. ドレナージチューブをクランプする。
正解 (2)
[解説] 胆管炎を併発しているのなら抗菌薬は必要なので1は×。 ドレナージにより病態は改善しているはずなので尿は褐色から黄色になるはずで、3も×。 ドレナージチューブはクランプしないので4も×。 正解は2。
[補足] 内視鏡的経鼻胆道ドレナージは胆道に径2mm程度のチューブを留置して鼻腔経由で通したチューブから胆汁を排出させるものです。 胆汁の流出の把握が可能で、胆汁採取により細菌や細胞の検査を行うことも、造影検査を行うこともできる利点があります。
[参考] 疾病の成り立ちと回復の促進 第12回(病態のいろいろ) ⇒ http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/2013-04-13-1
[関連問題] ⇒ http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/2014-09-20
次の設問に挑戦してください。
[設問] 間接ビリルビン優位の黄疸がみられるのはどれか。
イ. 溶血性貧血
ロ. 閉塞性黄疸
ハ. デュビン・ジョンソン症候群
ニ. アルコール性肝炎
正解 (イ)
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