過去問を考えてみよう(1636) [過去問解析]
次の文を読み1636~1638の問いに答えよ。
Aさん(62歳、男性)。1人暮らし。1週間前から感冒様症状があり様子をみていたが、呼吸困難と咳嗽が増強したため外来を受診した。胸部エックス線写真と胸部CTによって特発性肺線維症による間質性肺炎と診断され入院した。
既往歴: 42歳で糖尿病と診断された。59歳と61歳で肺炎に罹患した。
生活歴: 3年前から禁煙している(20~59歳は20本/日)。
身体所見: BMI 17.6。体温38.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧140/98mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO₂〉91%。両側下肺野を中心に、吸気終末時に捻髪音あり。呼気時は問題ないが、吸気時に深く息が吸えない。ばち状指を認める。
検査所見: 血液検査データは、白血球13,000/μL、Hb10.5g/dL、総蛋白5.2g/dL、アルブミン2.5/dL、随時血糖85mg/dL、CRP13.2mg/dL。動脈血液ガス分析で、pH7.35、動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO₂〉38Torr、動脈血酸素分圧〈PaO₂〉56Torr。胸部エックス線写真と胸部CTで、下肺野を中心に輪状影、網状影、淡い陰影あり。
1636. 入院時のAさんの身体状況のアセスメントで適切なのはどれか。
1.水様性の気道分泌物が貯留している。
2.呼吸性アシドーシスである。
3.栄養状態は良好である。
4.I型呼吸不全である。
正解(4)
[解説]水溶性の気道分泌物が貯留しているのなら水泡音が聴取されるので、1は×。PaCO₂は38Torrと上昇していないので、呼吸性アシドーシスとは言えず、2も×。低アルブミン血症があり、栄養状態良好とは言えないので、3も×。正解は4。
次の設問に挑戦してください。
[設問]動脈血中の酸素分圧がいくつ以下になると、呼吸不全とされるか。
イ.80 Torr
ロ.70 Torr
ハ.60 Torr
二.50 Torr 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「7日」でした。
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