過去問を考えてみよう(1647) [過去問解析]
次の文を読み1647~1649の問いに答えよ。
A君(13歳、男子)。2週間前から下腿の紫斑、腹痛、膝関節の疼痛が出現し、近くのクリニックを受診した。血尿および蛋白尿も認められたため、病院を紹介され受診した。既往歴および家族歴に特記すべきことはない。
身体所見: 体温36.7℃、血圧110/66mmHg。意識清明。腹痛、浮腫なし。両膝関節の軽度の疼痛があるが、腫脹および発赤なし。両下腿が紫斑が散在している。
検査所見: 血液所見:赤血球470万/μL、白血球5,600/μL、血小板21万/μL。プロトロンビン活性〈PT活性〉105%(基準値80~120%)、活性化部分トロンボプラスチン〈APTT〉32.0秒(基準対照31.2秒〉。クレアチニン0.56mg/dL、アルブミン3.7g/dL、CRP0.1mg/dL。抗体価(CH50)41IU/mL(基準値30~45IU/mL)、抗核抗体陰性。尿所見:蛋白3+、潜血2+、赤血球50~99/l視野。
1647. A君の状態から最も考えられる疾患はどれか。
1.川崎病
2.血友病A
3.急性リンパ性白血病
4.全身性エリテマトーデス〈SLE〉
5.Henoch-Schönlein〈ヘノッホ・シェーンライン〉紫斑病〈IgA血管炎〉
正解(5)
[解説]幼児に好発する急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群であるのが川崎病なので、1も×。APTTは延長していないので、2も×。血液像に特に異常はなく、3も×。抗核抗体陰性で、血液像も異常なしで、4も×。正解は5。
次の設問に挑戦してください。
[設問]小児に発症し、発熱、両側眼球充血、掌蹠紅斑と硬性浮腫、リンパ節腫脹などを起こす疾患はどれか。
イ.全身性エリテマトーデス
ロ.川崎病
ハ.IgA血管炎
二.急性リンパ性白血病 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ホの「イ~ニのすべて」でした。
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