疾病の成り立ちと回復の促進 第39回(薬剤) [疾病の成り立ちと回復の促進]
E)呼吸器系に対する薬剤
a) 気管支喘息治療薬
ア)気管支喘息の病態
・ 気管支喘息は、アレルギー反応による可逆的な気道閉塞と遅延性炎症(ちえんせいえんしょう)が生じる病態です。
・ 好酸球主体の慢性気管支炎がみられます。
・ 治療に使われるのは気管支拡張薬とステロイド薬です。
イ) メチルキサンチン薬
・ ホスホジエステラーゼの阻害作用により効果を現します。結果として平滑筋の弛緩がおこり、気管支拡張がみられることになります。
・ この系統の薬剤としては、テオフィリン、アミノフィリンなどがあります。
ウ)β2受容体作動薬
・ 気管支平滑筋のβ2受容体を刺激し、平滑筋を弛緩させます。
・ 発作時にも慢性期の管理にも使われます。
・ 薬剤としては、サルブタモール、プロカテロール、サルメテモール、ホルモテロールなどがあります。
エ)吸入抗コリン薬
・ 喘息に、副交感神経系の亢進による気管支平滑筋の収縮と粘液過剰分泌が関係していることがあるために、使われることがあります。
・ 薬剤としては、臭化イプラトロピウム、臭化フルトロピウム、臭化オキシトロピウムなどの吸入薬があります。
オ)コルチコステロイド薬
・ 炎症、浮腫を改善し、アレルギー反応を抑制します。
・ べクロメタゾン、フルチカゾン、ブデソニドは吸入薬としてよく使われます(吸入ステロイド薬)。
カ) 抗アレルギー薬
[設問] 気管支喘息でみられる気道の炎症は、次のどれによるものか? 一つ選べ。
イ 好中球 ロ 好塩基球 ハ 好酸球 ニ リンパ球
正解 (ハ)
[設問] 気管支喘息の治療に使われるのは気管支拡張薬と何か? 一つ選べ。
イ 抗生物質 ロ ステロイド ハ 去痰薬 ニ 鎮痙薬
正解 (ロ)
[設問] 気管支喘息で使われる薬剤を二つ選べ。
イ ジゴキシン ロ フルチカゾン ハ プロカテロール ニ ニフェジピン ホ タムスロシン
正解 (ロ、ハ)
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