母性看護学(10)(女性のライフサイクル各期における看護) [母性看護学]
3)更年期にある人々の看護
(1)ホルモンの変化と閉経
・ 更年期とは、閉経に伴う卵巣機能変動によっておこる心身の変動に適応する時期のことです。 わが国の平均閉経年齢は約50歳で、その前後約10年間が更年期と考えられています。
・ この時期は望まない妊娠をしやすいので避妊指導を行います。
・ 更年期は身体的・社会的条件により特有の症状が現れやすい時期です。
・ 自律神経失調症状の基本治療は、ホルモン補充療法です。
・ 生殖能喪失と老化への不安、夫婦や親子関係の変化によって、うつ状態をおこしやすくなります。 薬物療法以外に、カウンセリングが行われることがあります。
・ エストロゲン減少による膣細菌叢変化で膣炎、また膣粘膜萎縮で性交痛・外陰掻痒感がおこりやすくなります。
・ エストロゲン減少による脂質代謝の低下と中性脂肪の増加から動脈硬化が進行します。 そのため、脳卒中や虚血性心疾患への罹患が増加します。
・ この時期は、腹圧性尿失禁がおこりやすくなります。 予防や治療としては、膀胱トレーニングと骨盤底筋群エクササイズが有効です。
・ 更年期における性器出血は、子宮筋腫・子宮頸癌などの場合もありますから、閉経前の月経不順と鑑するためし、受診を勧めるようにします。
(2)骨粗鬆症の予防
[設問] 女性の更年期とは、一般にいつ頃をいうのか?
イ 40歳代
ロ 50歳をはさんで10年くらい
ハ 50歳代
ニ 40歳から60歳まで
正解 (ロ)
[設問] 更年期に膣炎や膣粘膜萎縮、脂質代謝の異常がおこるのは、何によるのか?
イ プロゲステロンの減少
ロ 卵胞刺激ホルモンの減少
ハ 黄体化ホルモンの減少
ニ エストロゲンの減少
正解 (ニ)
コメント 0