母性看護学(11)(周産期にある人々の看護) [母性看護学]
4.周産期にある人々の看護
1)妊婦の看護
(1)妊娠の経過と胎児の発育
・ 受精卵を胎内に保有している状態を妊娠といいます。
・ 妊娠の成立には、排卵 → 卵の卵管内進入 → 射精 → 精子の卵管内進入 → 卵管膨大部での受精 → 受精卵の子宮腔への移動 → 着床 という7つの段階が必要です。
・ 受精後8週までを胎芽、それ以降を胎児といいます。
・ 分娩予定日は、最終月経の初日を0日として、280日目をさします。 ネーゲレ概算法では最終月経初日に7日を加え、月から3を引くか9を加えることで算出できます。
・ 胎盤は妊娠16週頃に完成し、母児間の物質交換・ホルモン(絨毛性ゴナドトロピン・胎盤性ラクトーゲン・エストロゲン・プロゲステロン)産生を行います。
・ 羊水は無色透明・アルカリ性(pH7.0〜8.5)の液体で胎児循環を保つ役割を担っています。また、羊水の性状から、胎児の成熟度や病的状態を知ることができます。
・ 胎児は卵円孔・ボタロー管・アランチウス管で胎児循環を行っています。
・ 母体体重増加の限界は500g以内/週、2kg未満/月、妊娠期間を通しては9〜11kg未満となります。
・ 妊娠線とは、腹壁の弾性線維が切断されて皮膚にひび割れ状の線ができることです。
・ 妊娠性貧血とは、ヘモグロビン値11g/dL未満およびヘマトクリット値33%未満をいいます。
・ 胎動感は、妊娠18〜20週頃自覚されますが、経産婦の方が早期に自覚します。
・ 妊婦健康診査は妊娠23週までは4週間に1回、妊娠24〜35週までは2週間に1回、妊娠36週以降は1週間に1回となります。 診察内容は、胎児の大きさや羊水量の目安として腹囲・子宮底長を、妊娠中毒症のスクリーニングを目的として血圧・浮腫・尿蛋白測定、糖尿病の発見を目的に尿糖を検査します。 妊娠前半期と後半期に1回ずつ公費負担で受診できます。
・ 胎児の健康状態を調べる手段としてNST(ノンストレステスト)があります。 20分間に2回以上、15bpm以上で15秒以上続く一過性頻脈があれば、胎児の状態を良好と判断します。
[設問] 妊娠確徴といわれるものを二つ選べ。
イ 児心音の聴取
ロ つわり
ハ 腹部増大・突出
ニ 月経停止
ホ 胎動の確認 正解 (イ、ホ)
[設問] 免疫学的妊娠反応とは、何を検出するものか?
イ エストロゲン
ロ ヒト絨毛性ゴナドトロピン
ハ 胎盤性ラクトーゲン
ニ プロゲステロン 正解 (ロ)
[設問] 胎盤は妊娠何週ころに完成するか?
イ 5~6週 ロ 7~8週 ハ 9~10週 ニ 11~12週 ホ 15~16週
正解 (ホ)
[設問] 妊娠期間を通じての母体体重増加の上限はどれくらいとされるか?
イ 4~5kg ロ 6~8kg ハ 9~11kg ニ 12~14kg
正解 (ハ)
[設問] 胎動を自覚するのは、妊娠何週頃か?
イ 15~17週 ロ 18~20週 ハ 21~23週 ニ 24~26週
正解 (ロ)
母性看護学(19) (ハイリスクな状況にある人々の看護)へ ⇒ http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/2013-10-30
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