過去問を考えてみよう(211) [過去問解析]
211 次の文を読み[問題211]、[問題212]、[問題213]の問いに答えよ。 Aさん(64歳、男性)は、人工心肺装置を使用した冠動脈バイパス術(CABG)を受け、ICUに入室した。手術時間10時間、手術中の輸液量6,200ml、出血量480ml、尿量980mlであった。 (2013年午後出題)
[問題211] 手術直後の血圧72/34mmHg、心拍数110/分、心係数2.0l/分/m2、肺動脈楔入圧20mmHgであったため、大腿動脈からカテーテルが挿入されて大動脈内バルーンパンピング(IABP)が行われている。 Aさんへの看護で適切なのはどれか。
1. 四肢に抑制帯を使用する。
2. 背部の清拭を禁忌とする。
3. 両足背動脈の拍動を確認する。
4. Trendelenburg(トレンデレンブルグ)体位にする。
正解 (3)
[解説] IABPの合併症として代表的なものが血行障害です。 下肢の虚血が起りやすいので、正解は3ですね。
[補足1] IABPの合併症としては、血行障害の他に、大動脈の解離や穿孔、血栓の形成、細菌感染、ガス塞栓(バルーンの破裂による)、血小板減少などがあげられます。
では、次の設問に答えてください。
[設問] 大動脈バルーンパンピングの原理について正しいものを一つえらべ。
イ 下行大動脈内でバルーンを留置し、心拡張期に膨張させ、心収縮期に収縮させる。
ロ 下行大動脈内でバルーンを留置し、心拡張期に収縮させ、心収縮期に膨張させる。
ハ 下行大動脈内でバルーンを留置・膨張させたまま維持する。
ニ 下行大動脈内でバルーンを留置し、心臓の収縮・拡張には合わせずに収縮膨張を繰り返す。
正解 (イ)
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