母性看護学(5)(人間の性と生殖) [母性看護学]
3)性行動
(1)セクシユアリテイ(性反応)
・ セクシユアリテイとは、動物的な性(セックス)と社会文化的な性(ジェンダー)を合わせて考えたものです。
・ 乳児期・幼児期のセクシユアリテイは、子供への保護者の合図や行動・反応によって大きな影響を受けます。
・ 小児期は、同性の保護者を同一視したり行動を模倣したりしながら性役割行動について学習します。
・ 小学校低学年の子供は、性に関する言葉を口にしたり、質問したりするなど、自分のセクシユアリテイに明らかな関心を示します。
・ 思春期の課題は、増大する性的エネルギーを自分でコントロールすること、自己のリプロダクテイブヘルスを守ること、ジェンダーアイデンテイテイの確立です。
・ 成人期は、生殖能力が最も高くなる時期です。
・ 成人期は、親密性、結束性を高め、性的パートナーを選択し関係を育む、そして親としての役割を果たすことが課題となります。
・ 更年期は、身体的な機能が変化し、自己のセクシュアリテイもその変化に適応させていくことが課題となります。
・ 老年期は、パートナーとの関係により、性行動をもち続けることもあります。
(2)性感染症
・ 性感染症とは、主に性行為に伴う接触によって、直接ヒトからヒトへ、皮膚や粘膜を通して微生物が感染しておこる疾患の総称です。
・ 感染経路は、性器、口唇、肛門、尿道口などでの接触であり、ウイルス、細菌、真菌、原虫、寄生虫などが感染病原体となります。
・ 月経周期が確立していない若い女性は、子宮頸管粘液の働きが不十分であり、性感染症に罹患しやすくなります。
・ 女性は、膣、子宮頸管、子宮内膜腔、卵管、腹腔と感染が拡大しやすく、不妊の原因となることもあります。
[設問] 性感染症について、正しいものを一つ選べ。
イ 必ず症状がみられる。
ロ 感染経路は、性器での接触に限られる。
ハ 月経周期が確立する前の若い女性は罹患しにくい。
ニ 不妊の原因となることがある。
正解 (ニ)