母性看護学(20)(ハイリスクな状況にある人々の看護) [母性看護学]
(2)早産
(A)切迫早産の妊婦の治療
・ 経膣超音波による子宮頸管長が管理の指標として有用です。
・ 安静と薬物治療が重要です。 子宮収縮に対しては、β2刺激薬が有効で、主に塩酸リトドリンが用いられます。 無効な場合には硫酸マグネシウムを使うこともあります。
・ 早産が進行している場合で、感染徴候がない場合は、胎児の肺成熟を促進するために、副腎皮質ホルモンを使用することがあります。
[設問] 早産とは妊娠何週の分娩をいうか?
イ 22週以降、32周未満
ロ 24週以降、32周未満
ハ 22週以降、37周未満
ニ 24週以降、37週未満 正解 (ハ)
[設問] 切迫早産に対して使われることがある薬剤を選べ。
イ β2刺激薬
ロ α刺激薬
ハ β遮断薬
ニ α遮断薬 正解 (イ)
母性看護学(19)(ハイリスクな状況にある人々の看護) [母性看護学]
5.ハイリスクな状況にある人々への看護
1)妊婦の看護
(1)流産
・ 切迫流産の治療は、安静と薬物療法が基本です。 子宮収縮に対しては、子宮収縮抑制薬β2刺激薬が有効で、塩酸イソクスプリンや塩酸リトドリンが用いられます。
・ 頸管無力症には、妊娠16週前後で子宮頸管縫縮術(マクドナルド法またはシロッカー法)が施行されます。
・ 切迫流産の看護としては、まず流産の徴候を観察し、安静を保ち、薬物療法の効果・副作用を観察します。 便秘や下痢の予防のため、食事にも気を配ります。 また、妊婦や家族の精神的動揺に対して、精神的支援を行うことも必要です。
[設問] 流産とは、妊娠何週未満で妊娠が途絶えることをいうのか?
イ 18週 ロ 20週 ハ 22週 ニ 24週
正解 (ハ)
[設問] 妊卵内で胎児あるいは胎芽がすでに死亡しているが、今なお子宮内にとどまっている状態を何というか?
イ 切迫流産 ロ 進行流産 ハ 不全流産 ニ 稽留流産
正解 (ニ)
[設問] 自然流産は、全妊娠の約何%におこるか?
イ 1% ロ 5% ハ 10% ニ 15% 正解 (ハ)
[設問] 子宮頚管無力症で行われる手術を選べ。
イ マクドナルド手術
ロ ビルロート法
ハ ロス手術
ニ ハルトマン手術 正解 (イ)
参考図書 [本]
1) 解剖学1,2,3: 金原出版
2) 人体寄生虫学提要: 杏林書院
3) コンパクト微生物学: 小熊惠ニ、東匡伸; 南江堂
4) 新薬理学入門: 布木和夫、谷内一彦、柳澤輝行; 南山堂
5) ナーシング・グラフィカ: メディカ出版
6) イラストでわかるPT・OT・STのための神経内科学: 安徳恭演; メディカ出版
7) 看護師国家試験サクセスゲート: 内田都良; メディカ出版
母性看護学(18)(周産期にある人々の看護) [母性看護学]
(2)新生児の生理
・ 感染防御に最も強力なIgGは、妊娠32週以降胎盤を通過し、児に移行します。 この経胎盤免疫は生後4〜6ヶ月まで有効に働くことになります。
・ 一方母乳中には母親由来のIgAが含まれています。 IgAは消化管から微生物が侵入するのを防ぐ役割があるため、母乳を摂取するとよいとされます。
・ 新生児の体格は、同じ週数で比較した場合、一般に男児は女児よりやや大きめで、経産児は初産児より大きめになります。
・ 早産児の皮膚は、妊娠週数が少ないほど湿潤し、みずみずしく、過期産児の皮膚はやや厚ぼったく乾燥気味となっています。 そして、新生児の皮膚は、生後2〜3日頃には乾燥気味となり、落屑がみられこともあります。
・ 新生児室の室温は24〜26℃、湿度は50〜60%に保つようにします。
・ 新生児が吸啜することで、オキシトシンの分泌が促進され、子宮収縮が促されます。
・ 母乳中のビタミンK含有量の低下による消化管出血、頭蓋内出血を予防するため、ビタミンK2の投与を行います。
(3)病的黄疸の原因と治療
[設問] 胎便の色は次のどれか?
イ 暗緑色 ロ 黄色 ハ 暗赤色 ニ オレンジ色
正解 (イ)
[設問] 新生児にみられる生理的黄疸の原因はどれか?
イ 血管内溶血
ロ 肝臓のグル久ロン酸抱合能の低さ
ハ 赤血球の脆弱性のため
ニ 胆道系の未発達 正解 (ロ)
[設問] 母乳中に含まれ、消化管からの微生物の侵入を防ぐ役割があるのは?
イ IgA ロ IgD ハ IgE ニ IgG ホ IgM
正解 (イ)
[設問] 新生児の吸啜により分泌され、子宮収縮を促すものは?
イ エストロゲン ロ プロゲステロン ハ 性腺刺激ホルモン ニ オキシトシン
正解 (ニ)
母性看護学(17)(周産期にある人々の看護) [母性看護学]
4)新生児の看護
(1)新生児の胎外適応
・ 新生児は、必ず啼泣によって呼吸を開始します。 胎児の肺は、肺水(肺胞水)で満たされていて、産道を通過する際に胸郭が圧迫され、正期産児では約40〜50mLの肺水が口鼻から搾り出されます。
・ 出生で、圧迫されていた肺が胸郭の弾性で膨らみ、肺胞に空気が入ることになります。 肺を押し広げるためには、50〜60cmH2Oという高い圧が必要となります。
・ 成熟した肺には界面活性物質(サーファクタント)が存在し、表面張力を低下させて肺を開いたままの状態に保っている。
・ 呼吸は通常、生後1〜2時間以内に安定します。 新生児の呼吸数は1分間に約40〜50回で、胸腹式呼吸です。
・ 新生児の呼吸は周期性呼吸と呼ばれ、最初の数時間は不規則で、速く呼吸しているかと思うとゆっくりになったり、しばらく止まったりします。
・ 胎児循環から新生児循環への主な変化は、肺動脈が開き、卵円孔が閉じ、動脈管が閉じ、静脈管が閉じ、臍帯動脈が閉じ、胎盤循環がなくなることになります。
・ 胎内では、右室が動脈管を介して体循環に大きく関係しているため、右室優位になっていますが、出生と同時に体循環は左室のみで行われることになります。 新生児の心機能は、移行期であるため、両方の特徴を備えています。
・ 出生直後の新生児の心拍数は、約150〜180/分とやや頻脈ですが、2〜3時間後には安定し、120〜150/分となります。
・ 出生直後の新生児の体温は、37.0〜37.5℃です。
・ 羊水で濡れたままだと気化熱が奪われ、新生児自身の熱産生機能が不十分なため、低体温になりやすくなります。 そのため、羊水は拭き取り、温かいタオルで包み、保育器あるいはラジアンウオーマー下で蘇生を行います。
・ 出生後、新生児の血糖は一時的に低下し、生後2〜3時間頃に最低となります。 その後、胎内で蓄えられた糖により血糖値は上昇することになります。
・ 早産児や低出生体重児、重度の新生児仮死では低血糖がみられることが多くなります。
・ 出生後1分と5分で、アプガルスコアによって5項目について観察し、点数化します。 呼吸障害(鼻翼呼吸、シーソー呼吸、陥没呼吸など)は、その程度をシルバーマンスコアを用いて評価します。
[設問] 正期産児が産道を通過する際に口鼻から絞り出される肺水はどれくらいか?
イ 20~30ml ロ 40~50ml ハ 60~70ml ニ 80~90ml
正解 (ロ)
[設問] 新生児の呼吸は、一分間に約何回くらいか?
イ 10~20回 ロ 20~30回 ハ 30~40回 ニ 40~50回
正解 (ニ)
[設問] 出生直後の新生児の体温は、どれくらいか?
イ 36~36.5℃ ロ 36.5~37℃ ハ 37~37.5℃ ニ 37.5~38℃
正解 (ハ)
母性看護学(16)(周産期にある人々の看護) [母性看護学]
(3)褥婦の日常生活とセルフケア
・ 分娩後は交感神経の興奮や会陰切開、裂傷による疼痛、筋肉痛、授乳などにより睡眠不足になりやすくなっています。 疼痛コントロールを行い、児のペースに合わせて休息をとる必要があります。
・ 食事はバランスよく必要量を摂取するようにします。 授乳婦は、授乳のために、600kcal付加する必要があります。
・ 適度な活動は、悪露の排出を促し骨盤内循環もよくなり、全身の筋力回復も早める作用があります。 産褥体操は産褥1日目より始めて、褥婦の生活や状況に合わせて4〜6週間は継続するようにします。
・ 産褥期は分娩時の影響により、排尿障害(排尿困難・尿失禁)がおこりやすく、便秘になりやすくなっています。
[設問] 授乳婦が授乳のために付加すべきカロリーはどれくらいか?
イ 200kcal ロ 400kcal ハ 600kcal ニ 800kcal
正解 (ハ)
母性看護学(15)(周産期にある人々の看護) [母性看護学]
3)褥婦の看護
(1)産褥の経過
(2)褥婦の心理
・ 母親への心理的適応過程として 「 受容期 ・ 保持期 ・ 開放期 」 という3つの段階を経ることになります。
・ 受容期とは、産褥1〜2日目頃をいいます。 関心は自分自身や基本的欲求に向けられ、受身的で依存的になります。 また分娩経験したことを整理し総括する時期ともなります。
・ 保持期とは、産褥3日〜10日頃のことです。 依存的であった状態から自立的・自律的な状態に移行していきます。育児技術を獲得するには、最適の時期となります。
・ 開放期は、児と身体的に分離したことを受け入れ、それまでの自分の役割を捨て、自らの役割を子供のいる生活に適応させていく時期となります。
・ マタニテイーブルーとは、産褥3〜10日目にかけて出現する抑うつ気分や涙もろさなどの症状を呈する、一過性の状態のことをいいます。
[設問] 産褥について正しく述べたものを、一つ選べ。
イ 産褥とは、妊娠・分娩によっておきた身体の変化が妊娠前に戻る期間をいう。
ロ 産褥期間は、一般に、分娩後10~15週間くらいである。
ハ 子宮自体は、1~3週間くらいで妊娠前の状態に戻る。
ニ 子宮復古は、授乳をすると、弱くなるといわれる。
正解 (イ)
[設問] 産褥期に排泄される悪露は、産褥3,4日過ぎると、下記のどれになるか?
イ 血性悪露 ロ 褐色悪露 ハ 黄色悪露 ニ 白色悪露
正解 (ロ)
[設問] 産褥3~10日ころ出現する抑うつ気分は何と言われるか?
イ 新型うつ ロ 大うつ病 ハ マタニティブルー ニ 産後疲労
正解 (ハ)
母性看護学(14)(周産期にある人々の看護) [母性看護学]
(2)出産様式
・ 自然の娩出力による自然分娩と人工的操作や介助を要する人工分娩(誘発・促進・鉗子・吸引・無痛分娩、帝王切開など)があります。
・ 陣痛時は産婦が自由で快適に分娩できるように、身体を自由に動かし娩出時も好きな体位をとるアクテイブバース・フリースタイル出産も取り入れられています。
・ 夫(家族)立ち会い分娩とは、サポーターとして夫や上の子供が分娩に付き添うことで、サポーターに準備教育をしておくことが望ましいでしょう。
・ 夫立ち会い分娩では、育児の主体者としての自覚を持って分娩に立ち会ってもらえるようにします。
・ 看護師は産婦を尊重し、ありのままの状況を受け止め、側に付き添い、温かく受容的な態度で接することが必要です。 また産婦の対処能力と自己効力感を高め、出産への主体性を増してもらうように関わっていきます。
(3)産痛の緩和
・ 薬物による無痛分娩には、薬物全身投与法と区域麻酔法(硬膜外麻酔など)があります。 現在無痛分娩の主流となっているのは、硬膜外麻酔法です。
(4)産婦と家族の心理
・ 分娩第1期は、分娩進行に伴う生理的不快症状があり、誰かに側にいてほしいと思う時期です。
・ 分娩第2期は外界からのいろいろな状況を受け入れにくい時期です。 その一方で分娩に直接関連した感覚的印象が鋭くなる時期でもあります。 また先の見えてきた安心感や児への期待から、出産に主体的になりやすい時期でもあります。
・ 分娩後はホルモンの劇的な変動により不安定になりやすくなります。 出産が挫折体験である場合、母親役割獲得への自信を喪失し、母性行動へネガティブな影響を与えることになります。 そんな場合、分娩を振り返ってもらい、肯定的に受け止めるように援助する必要があります。
[設問] 現在、無痛分娩の主流となっているのは、次のどれか?
イ 硬膜外麻酔法
ロ 全身麻酔法
ハ 会陰部神経麻酔法
ニ 脊椎麻酔法 正解 (イ)
母性看護学(13)(周産期にある人々の看護) [母性看護学]
2)産婦の看護
(1)分娩の経過と胎児の健康状態
・ 陣痛が10分おきに規則正しくおこるか、1時間に6回の陣痛がおこることをもって分娩開始とします。
・ 10分おきの陣痛が規則的にくるようになって、子宮口が全開大(10cm開大)するまでの間を分娩第1期といいます。初産婦で平均10〜12時間、経産婦で4〜6時間とされます。
・ 子宮口が全開大してから児娩出までを分娩第2期といいます。 これは、初産婦で約2〜3時間、経産婦で約1時間くらいです。
・ 児娩出から胎盤娩出までを分娩第3期といいます。 これは、だいたい10〜20分位とされます。
・ 分娩終了から2時間程を、分娩第4期または分娩後期といいます。
・ 産道は、骨産道と軟産道からなります。
・ 分娩時に児頭は産道の抵抗を受けて、骨重積などの変形(応形機能)がおこります。
・ 胎児の縦軸と子宮の縦軸の関係を胎位、児背と母体の関係を胎向、胎児の姿勢を胎勢といいます。
・ 回旋とは、児頭が最小周囲径で骨盤各部を通過するために行うもので、機転が第1〜第4まであります。
・ 胎盤娩出様式には、胎児面で娩出するシュルツエ式、母体面で娩出するダンカン式、混合式があります。
・ 分娩経過中、不安や恐怖から過換気症候群をおこす産婦がいます。
・ 胎児の状態把握のために、胎児心拍モニタリングを行います。 胎児心拍数基線の正常域は120〜160回/分で基線細変動と一過性頻脈がみられます。 また、一過性徐脈(早発・遅発・変動)の出現に注意する必要があります。
・ 分娩時の児頭への圧迫により先進部に発生し、縫合・泉門に関係なく境界不明瞭な腫瘤を産瘤といいます。 これは、頭血腫との鑑別が必要です。
・ 分娩進行に伴い、セルフケア行動が行き届かず、基本的ニードの不足が生じます。
[設問] 流産とは、妊娠何週未満の妊娠の中絶をいうか?
イ 18週 ロ 20週 ハ 22週 ニ 24週
正解 (ハ)
[設問] 正期産とは、妊娠何週の出産をいうか?
イ 32~36週未満
ロ 37~42週未満
ハ 39~42週未満
ニ 40~44週未満 正解 (ロ)
[設問] 分娩開始とされるのは、次のどれか?
イ 陣痛が10分おきに規則正しくおこるか、1時間に6回の陣痛がみられる。
ロ 陣痛が20分おきに規則正しくおこるか、2時間に6回の陣痛がみられる。
ハ 陣痛が5分おきに規則正しくおこるか、1時間に10回の陣痛がみられる。
ニ 陣痛が15分おきに規則正しくおこるか、1時間に10回の陣痛がみられる。
正解 (イ)
[設問] 子宮口が全開大してから児娩出までを何というか?
イ 分娩第1期 ロ 分娩第2期 ハ 分娩第3期 ニ 分娩第4期
正解 (ロ)
[設問] 胎児の背と母体の関係を何というか?
イ 胎位 ロ 胎勢 ハ 胎向 ニ 胎性
正解 (ハ)
母性看護学(12)(周産期にある人々の看護) [母性看護学]
(2)妊婦の心理
・ 妊娠初期は気分の変動が著しく、アンビバレントな感情がおこりやすい状態となっています。
・ 妊娠中期はプロゲステロンの影響を受けて、自己陶酔的な状態となります。 また、胎動自覚・他者からの注目をより心地よく感じるようになります。
・ 妊娠後期は腹部増大に伴う身体的変化の影響により、気持が内向的になります。 また、出産への不安が集中する時期でもあります。
・ 妊娠期の心理・社会的特徴は、親役割獲得過程への準備期であり、母親役割モデルの有無や妊娠の受容もこれに関係してきます。
・ 胎動による胎児との愛着形成によって、母親としての自己像が形成されていきます。
・ 妊娠期は、受容的ニードが高まっています。
(3)妊娠と不快症状
・ マイナートラブルとは、ホルモン動態変化や子宮増大によって生じる種々の不快症状のことです。 それは、精神的因子に影響されることもあり、症状や感じ方、出現頻度には個人差があります。
・ 妊娠初期には、つわり・めまい・立ちくらみ・頻尿・便秘・乳房増大・帯下の増加がおこりやすくなります。
・ 妊娠中期には、湿疹や掻痒感がおこりやすくなります。
・ 妊娠末期は、頻尿・腰背部痛・浮腫・下肢けいれん・静脈瘤・痔・胸やけがおこりやすくなります。
(4)妊婦の日常生活とセルフケア
・ 全期間を通して便秘になりやすいので、食事や排便習慣など生活の工夫が必要となります。
・ 日常の家事は、正しい姿勢で疲労しない程度にします。 また転倒予防と腹圧をかけない工夫をします。
・ 妊婦に望ましい運動は、全身運動で有酸素運動かつ楽しいものがよいとされます。 それには、散歩、妊婦体操、妊婦水泳、マタニテイビクスなどがあります。 妊婦体操は妊娠12週頃から始めて、16週以降は習慣的に行うようにします。
・ 旅行は妊娠中期の安定した時期にはOKです。 旅行前には受診してもらい、同伴者をつけ、無理のない日程とします。 また、母子手帳と保険証を携帯するようにします。
・ 睡眠時間や休息は十分にとるようにします。 睡眠不足がおきた場合は昼寝で補うようにします。
・ 妊娠中は発汗・帯下の増量がおこるので清潔に努めます。 また、う歯と歯肉炎が発生しやすくなっていますので口腔の清潔をこころがける必要があり、妊娠中期には歯科を受診するとよいとされます。
・ 性交に通常制限はありませんが、感染予防などのためコンドーム使用が勧められます。 ただし流早産の兆候や既往がある場合、性交は控えるようにします。
・ 妊娠期の衣生活は、サイズ調整ができ吸湿性・通気性の良いものとします。
・ 勤労妊婦は、労働基準法・男女雇用機会均等法や健康保険法で就業や経済的支援が定められています。 これらは、妊婦自身の申請を必要とします。
(5)出産・育児の準備
・ 分娩・産褥・育児の必要物品は妊娠22週頃までに準備します。
・ 里帰り分娩の場合は、妊娠中期に、分娩する施設の受診をしておくことが望ましいでしょう。 また、妊娠経過の記録を紹介状として持参するようにします。
・ 分娩準備教育とは、分娩経過の理解、分娩への不安緩和、分娩の意欲を養うなど、妊婦の心身の準備を目的とするものです。
・ 妊娠24週以降は、呼吸法・リラクゼーションの練習を行います。
・ バースプランとは、妊婦および家族の出産およびその後の育児を含めた過ごし方について、希望や要望を盛り込んだ計画書のことです。
・ 妊娠期に乳房の生理的変化や母乳哺育の利点欠点を説明して、積極的に母乳育児に取り組めるようにします。 乳房ケアに関しては、乳房変化に合わせた締め付けないブラジャーを着用してもらい、妊娠20週頃より乳頭の清潔保持に努めます。 妊娠36週以降は、乳管開通マッサージを行います。
(6)親役割の準備
・ 子供を育てることは母親のみが行うものでありません。 子育てとは、父親・母親ともに親になる過程を経ながら、子供の成長に関わっていくことです。 夫婦間の調整や親役割獲得、家族関係の再構成が課題となります。 父親役割・きょうだい役割・祖父母役割・夫婦間の調整・家族関係の再構成について話し合いを促すことも大切です。
・ 地域や施設での両親学級や祖父母学級などへの参加や、先輩父母との交流の機会を通して、親としての自覚を育てるようにします。
[設問] 妊娠中期に、胎動自覚や他者からの注目を心地よく感じるのは、何によるものか?
イ エストロゲン ロ プロゲステロン ハ 絨毛性ゴナドトロピン ニ 胎盤性ラクトーゲン
正解 (ロ)
[設問] 妊娠中におこる不快症状をまとめて何というか?
イ マイナートラブル
ロ マタニティブルー
ハ 妊娠中毒症
ニ 妊娠合併症 正解 (イ)
[設問] 妊婦の日常生活とセルフケアについて、正しいものを一つ選べ。
イ 妊娠中は下痢になりやすいので、食事には気をつける。
ロ 日常の家事は、全期間通じてしないようにする。
ハ 妊婦に望ましい運動は、全身を使う有酸素運動で、楽しいものがよい。
ニ 旅行は、妊娠初期にはかまわないが、中期以降が避ける。
正解 (ハ)