疾病の成り立ちと回復の促進 第33回(薬剤) [疾病の成り立ちと回復の促進]
e) 全身麻酔薬
ア)吸入麻酔薬と静脈内麻酔薬
・ 吸入麻酔薬: 笑気(しょうき)は無臭のガス。その他の吸入麻酔薬は揮発性液体なので気化させて使います。 以前はハロタンが使われていましたが、最近ではエンフルラン、メトキシフルラン、イソフルラン、セボフルランなどがよく使われます。
・ 静脈内麻酔薬: バルビタール誘導体、ケタミン、ベンゾジアゼピン系薬剤、プロプフォル、エトミダートなどがあります
イ)麻酔深度
f) 抗てんかん薬
ア)小発作治療薬
・ エトスクシミド: 小発作第1選択薬
・ バルプロ酸: 小発作にも大発作にも有効
・ クロナゼパム: ベンゾジアゼピン系で最も抗けいれん作用が強い薬物です。
イ)大発作治療薬
・ フェニトイン: 抗けいれん作用は強いが、運動失調や精神症状をおこすことがあります。
・ カルバマゼピン: 複雑部分発作の第1選択薬
・ フェノバルビタール: 古くから使われ、安全性が高いことが利点です。
・ プリミドン: 代謝されてフェノバルビタールとなって作用します。
ウ)新規の治療薬
・ レべチラセタム: 部分発作に対する併用薬
・ ラモトリギン: 部分発作と全般発作の併用薬
・ ガバペンチン: 部分発作に対する併用薬
g) 麻薬性鎮痛薬と拮抗薬
ア)麻薬性鎮痛薬
・ 麻薬性鎮痛薬オピオイドは、意識をなくすことなく痛みを和らげるが、同時に多幸感が生じ、連用により習慣性をおこす1群の化合物です。
・ 代表的オピオイドは、アヘンから抽出されるモルヒネ、ヘロイン、コデインの三つです。
・ 麻薬性鎮痛薬は副作用として呼吸抑制があります。
・ 合成麻薬性鎮痛薬としては、ペンタゾシンがある。
イ)麻薬拮抗薬
・ ナロキソンやナルトレキソンは、麻薬拮抗作用があるので、急性麻薬中毒の呼吸抑制に有効です。
h) 中枢神経興奮薬
ア)カフェイン: キサンチン類の1つで合法的な中枢神経興奮薬です。1杯のコーヒーにやく100mg、カフェインが含まれており、1日6杯以上(600mg以上)で軽い身体的依存がおこります(無気力、頭痛など)。
イ) ニコチン: ニコチンは中枢神経興奮薬であり、依存を生じます。
ウ) コカイン: コカの葉に含まれる。コカの葉を噛んでも量が少なく、中毒にはなりません。 精製されてコカインとなります。
エ) メタンフェタミン: 覚醒剤として使われます。
i) 幻覚剤、その他
ア)LSD: 麦角(ばっかく)アルカロイドから合成される幻覚剤の1つです。
イ)大麻: 大麻成分のカンナビノイドにより、多幸感、幻覚をおこします。
j) アルコール
・ エタノールは中枢神経系を抑制します。
・ 一気飲みによる急性アルコール中毒は非常に危険です。
・ 慢性アルコール中毒により、禁断症状(きんだんしょうじょう)として振戦せん妄(しんせんせんもう)(意識混濁、振戦、幻覚)をおこし死に至ることもあります。
[設問] 通常の外科手術が行われる麻酔深度は、以下のどれか?
イ 意識不完全、痛覚低下
ロ 意識消失、見かけ上興奮
ハ 反射抑制、骨格筋弛緩
ニ 呼吸停止、血圧低下 正解 (ハ)
[設問] 本邦で複雑部分発作の第一選択薬として使われる抗てんかん薬はどれか?
イ カルバマゼピン ロ バルプロ酸 ハ フェニトイン ニ クロナゼパム
正解 (イ)
[設問] 合成麻薬性鎮痛薬は次のどれか?
イ モルヒネ ロ ヘロイン ハ コデイン ニ ペンタゾシン
正解 (ニ)
[設問] 急性麻薬中毒の呼吸抑制に有効なのは次のどれか?
イ ペンタゾシン ロ カルバマゼピン ハ クロナゼパム ニ ナロキソン
正解 (ニ)
[設問] 慢性アルコール中毒の禁断症状は次のどれか?
イ 悪性症候群
ロ パニック障害
ハ 振戦せん妄
ニ 多幸症 正解 (ハ)
沒有醫生的處方
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