基礎看護学(5)(看護の展開) [基礎看護学]
2.看護の展開
1)対象者の全体像の把握
(1)情報の収集と分析
(A)系統的、統合的、継続的な情報収集による全人的な把握
・ 身体的情報には、疾病や傷病の経過、その原因、病態生理、治療方針、治療内容、検査結果などが含まれ、それらから現在どのような疾病の段階(急性期、回復期、慢性期、終末期)にあるかを知ることができます。
・ 心理的・精神的情報には、性格・気質、価値観・規範、自己概念、精神状態、疾病に対する受け止め方、普段の問題への対処行動パターンなどが含まれ、対象者の精神的・心理的ニーズを知ることができます。
・ 社会文化的情報には、日常生活行動、生活習慣、生活様式、家族内や社会的役割、対人関係などが含まれ、対象者の社会的ニーズを知ることがきます。
・ 身体的、心理・精神的、社会文化的情報を主観的データと客観的データからとらえ、情報の妥当性を確認する必要があります。
(B)情報源と収集方法
(C)事実に基づいた分析と統合
・ 分析カテゴリーとしては、ヘンダーソンの14の基本的看護の構成要素、オレムの3領域のセルフケア要件、ロイの適応モデルによる4つのアセスメント因子、ゴードンの11の機能的健康パターン、NANDAの9つの人間の反応パターンなどが提示されています。
(2)問題の明確化
(A)問題の構造を明確にしていきます。
・ 情報の分析に基づいた看護の対象となる問題(看護上の問題)は、看護援助によって解決できるものとします。
・ 情報の追加があったり、患者の状態に応じて、問題は変わりうるものです。
・ 問題に関連する要因を明らかにしておくことが大事です。
(B)看護上の問題が、どのレベルのものかを明らかにする必要があります。
・ 顕在的問題: 今、実在する問題のこと
・ 潜在的問題: おこる可能性のある問題
・ より高いレベルの健康を目指す場合の問題: 健康増進など
・ 共同問題: 医師や他の医療従事者と共同で取り組むべき問題
[設問] ヘンダーソンの14の基本的ニードに含まれるものを二つ選べ。
イ 美食 ロ 老廃物の排泄 ハ 睡眠と休息 ニ 貯蓄 ホ 就業の拒否
正解 (ロ、ハ)
[設問] 看護における情報の収集源となるのは次のうちどれか? 二つ選べ。
イ 医療チーム
ロ 患者の手紙
ハ 顧問弁護士
ニ 看護記録
ホ 近隣の住人 正解 (イ、ニ)
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