過去問を考えてみよう (51) [過去問解析]
51 右乳癌のために胸筋温存乳房切除術と腋窩リンパ節郭清術とを受けた患者。 呼吸循環機能は安定しており、右腋窩部と乳房皮下にドレーンが挿入されている。 術後1日の看護で適切なのはどれか。 (2013年出題)
1. 右側臥位を勧める。
2. 右肘関節の回内・回外運動を勧める。
3. 右上肢の中枢から末梢に向かってマッサージをする。
4. 右上肢の前方挙上は術後10日間行わないよう指導する。
正解 (2)
[解説] 右側臥位では、右腕のむくみがひどくなるので1は×、右上肢中枢から末梢に向かってマッサージをするのはリンパの流れ、静脈の流れに逆行するので3は×、運動障害や痛みを残さず早期に回復させるには手術直後からのリハビリが必要とされますから……4は×。 ですから、正解は2となります。
[補足1] 乳癌の転移で最も多いのが腋窩リンパ節への転移です。 そのため、腋窩リンパ節郭清が行われるのですが、いろいろと合併症が起きてきます。 最近、センチネルリンパ節といって癌の最も近くにあり、リンパ管に入った癌細胞が最初に行きつくリンパ節、それを探し出して、転移の有無を判定すれば、無用の腋窩リンパ節郭清を減らすことができる、そういうことでセンチネルリンパ節生検が注目されています。
では、次の設問に答えてください。
[設問] センチネルリンパ節について正しい説明を一つ選べ。
イ 腋窩リンパ節で最も大きなリンパ節
ロ 乳腺組織からのリンパ液が最初に流れ込むリンパ節
ハ 胸管のすぐ近傍にあるリンパ節
ニ 腋窩リンパ節の中で、最も小さいリンパ節
正解 (ロ)
コメント 0