過去問を考えてみよう (50) [過去問解析]
50 肝硬変で皮下出血、腹水貯留および手指の振戦がある患者に対する食事で適切なのはどれか。 (2013年出題)
1. 高蛋白食
2. 高脂肪食
3. 低残渣食
4. 塩分制限食
正解 (4)
[解説] 肝硬変の食事療法は、病態によって違ってきます。 この設問ではいくつかの症状から非代償期にあることが推測できます。 腹水がある場合、塩分制限が必要になります。 手のふるえなど肝性脳症の初期である可能性もあり、アンモニアの元となる蛋白質の取り過ぎはよくないし、脂肪が多くても肝臓に負担がかかり、低残渣食は便秘の原因となるので肝硬変ではダメ。 ですから、正解は4となります。
[補足1] 代償期の肝硬変では、蛋白質が少し多めの方がよいとされますが、一度に蛋白質を多量に摂るのはよくないようです。 また、肝硬変では亜鉛やマグネシウムなどの微量元素が不足しがちですから、これらの元素の多い食物を食事に取り入れる必要があります。
では、次の設問に答えてください。
[設問] 肝硬変の患者で、手の震えがみられ、やや注意も散漫な様子である。 この患者の病態はどれか。
イ 肝性脳症
ロ 低酸素脳症
ハ てんかん
ニ 認知症
正解 (イ)
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