過去問を考えてみよう(1288) [過去問解析]
次の文を読み1288~1290の問いに答えよ。
Aさん(25歳、男性)は、オートバイの単独事故による交通外傷で救急病院に入院した。外傷部位は左上下肢で、左脛骨骨折に対しては長下肢ギプス固定をした。左前腕部は不全切断で、再接着術が行われた。
1288.入院後3日、左足趾のしびれと足背の疼痛を訴えた。
看護師の観察で適切なのはどれか。2つ選べ。
1.膝窩動脈を蝕知する。
2.足背の皮膚色を観察する。
3.足趾の屈伸運動が可能か確認する。
4.Volkmann〈フォルクマン〉拘縮の有無を確認する。
5.ギプスを数㎝カットして浮腫の有無を確認する。
正解(2,3)
[解説]膝窩動脈の蝕知は長下肢ギプスのために不可能で、1は×。フォルクマン拘縮は上肢に起こるもので、4も×。ギプスの数㎝カットでは浮腫の有無の確認は難しく、5も×。正解は、2と3。
[補足]上肢や下肢の筋区画(骨、筋膜、骨間膜に囲まれた領域)の内圧上昇によって、循環障害を起こし、筋肉や神経の機能障害を生じるのをコンパートメント症候群(筋区画症候群)といいます。
次の設問に挑戦してください。
[設問]フォルクマン拘縮は、どれに合併する場合が多いか。
イ.小児の上腕骨顆上骨折
ロ.中高年の橈骨遠位端骨折
ハ.小児の前腕骨骨折
二.成人の上腕骨骨幹部骨折 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ハの「失神」でした。
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