過去問を考えてみよう(1287) [過去問解析]
1287.細胞診の結果、クラスVで膵頭部癌と診断された。上部消化管内視鏡検査で十二指腸に出血を伴う膵癌の浸潤を認め、胃切除を伴う膵頭十二指腸切除術が行われた。術後、中心静脈栄養法〈IVH〉を行ったがインスリンの投与は必要ないと判断された。経過は良好であり、食事が開始された。
このときのAさんに対する説明で適切なのはどれか。
1.便秘が起こりやすい。
2.脂質の制限は不要である。
3.カロリー制限が必要となる。
4.ダンピング症状が起こりやすい。
正解(4)
[解説]起こりやすいのは下痢なので、1は×。脂質の制限は必要となるので、2も×。カロリー制限の必要はなく、3も×。正解は4。
[補足]胃切除後には胃の容積が減り、機能も低下するため、食物が小腸内に急速に流入するために起こる病態をダンピング症候群と言います。ダンピング症候群には食直後30分程度で起こる「早期ダンピング症候群」と食後2,3時間経って起こる「後期ダンピング症候群」があります。
次の設問に挑戦してください。
[設問]下記の症状の内、後期ダンピング症候群によることが多いのはどれか。
イ.悪心・嘔吐
ロ.腹痛
ハ.失神
二.動悸 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「急性膵炎」でした。
コメント 0