人体の構造と機能 第77回(運動器系) [人体の構造と機能]
D)肋骨
・肋骨は骨組織の肋軟骨と軟骨組織の肋軟骨からなる。
・第1~7肋骨は胸椎と関節でつながり、真肋と呼ばれます。第8~10肋骨は第7肋骨の肋軟骨と結合しています。第11と12肋骨の前方部は遊離しています。
・肋骨は、1個の胸骨、12個の胸椎と篭状の骨格を持つ胸郭を形成しています。
[設問] 直接胸椎と関節でつながる真肋と呼ばれるのは次のどれか?
イ 第1~3肋骨
ロ 第1~5肋骨
ハ 第1~7肋骨
ニ 第1~10肋骨 正解 (ハ)
E)骨盤
・骨盤は、左右の寛骨、第5腰椎、仙骨、尾骨によってできています。
・骨盤は分界線で大(だい)骨盤と小骨盤に分けられ、小骨盤は骨盤腔(こつばんくう)とも呼ばれます。
・寛骨は、腸骨、坐骨、恥骨からなり、思春期までは軟骨で結合していますが、その後は癒合して寛骨となります。
・腸骨は、寛骨の上部を占める扁平骨で、上縁は腸骨稜と呼ばれ、上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)から上後腸骨棘(じょうこうちょうこつきょく)に及びます。
・坐骨の後下方部は突出肥厚して坐骨結節(ざこつけっせつ)となります。
・恥骨内側部は肥厚して正中で恥骨結節(ちこつけっせつ)をつくっています。左右の恥骨結節は連結して恥骨円板とともに恥骨結合(ちこつけつごう)をつくります。
・癒合部は、外側で深いかん凹をつくり、寛骨臼(かんこつきゅう)または寛骨臼窩(かんこつきゅうか)と呼ばれます。寛骨臼には大腿骨骨頭が入り、股関節を形成しています。
[設問] 寛骨の構成要素であるのは、次のうちどれか? 二つ選べ。
イ 尾骨 ロ 仙骨 ハ 恥骨 ニ 坐骨 ホ 第5腰椎
正解 (ハ、ニ)
人体の構造と機能 第76回(運動器系) [人体の構造と機能]
C)脊柱(せきちゅう)
・脊柱は、32~34個の椎骨と椎間円盤からなっています。椎骨は、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎、5個の仙椎、3~5個の尾椎でなりたっています。仙椎と尾椎は成人では、癒合して仙骨と尾骨になります。
[設問] 頸椎、胸椎、腰椎、仙椎の数を順に並べたものを選べ。
イ 7・11・6・5
ロ 8・12・5・5
ハ 7・12・5・7
ニ 7・12・5・5 正解 (ニ)
・成人の脊柱は、頸部と腰部では前方に彎曲し、胸部と仙骨部では後方に彎曲しています。
・脊柱管は、頸椎、胸椎、腰椎、仙骨の椎孔で形成されます。上下の椎骨の間には椎間孔があります。
・椎骨と椎骨の間には椎間円板があって、髄核とそれを取り巻く線維輪からなっています。
[設問] 髄核とそれを取り巻く線維輪からなるのはどれか?
イ 椎間円板 ロ 椎体 ハ 椎弓根 ニ 横突起
・第1頸椎は環椎(かんつい)と呼ばれ、後頭骨の後頭顆と環椎後頭関節(かんついこうとうかんせつ)をつくっています。また、第2頸椎は軸椎と呼ばれ、環椎と正中環軸関節をつくっています。
・胸椎は肋骨と関節でつながっています。
・第5腰椎、仙骨、尾骨は寛骨とともに骨盤を形成しています。
人体の構造と機能 第75回(運動器系) [人体の構造と機能]
B)頭蓋骨
・頭蓋骨は、脳を収容する脳頭蓋と、顔面を形成する顔面頭蓋に分けられ、15種23個の骨からなっています。
・頭蓋骨は、前頭骨(ぜんとうこつ)、左右1対の頭頂骨(とうちょうこつ)、後頭骨(こうとうこつ)、左右1対の側頭骨、蝶形骨(ちょうけいこつ)、篩骨(しこつ)の6種8個からなっています。
・左右の頭頂骨は矢状縫合(しじょうほうごう)で、左右の頭頂骨と前頭骨は冠状縫合(かんじょうほうごう)でつながっています。また、後頭骨と左右の頭頂骨はラムダ(人字)縫合でつながっています。
・頭蓋骨の底面には、延髄から脊髄への移行部が通る大後頭孔があります。
・顔面頭蓋は、左右1対の鼻骨(びこつ)、鋤骨(じょこつ)、左右1対の涙骨(るいこつ)、左右1対の下鼻甲介(かびこうかい)、上顎骨(じょうがくこつ)、左右1対の口蓋骨、下顎骨(かがくこつ)、舌骨(ぜっこつ)の9種15個からなっています。
[設問] 頭蓋骨にぶんるいされるものはどれか? 二つ選べ。
イ 鋤骨 ロ 頬骨 ハ 蝶形骨 ニ 下顎骨 ホ 篩骨 正解(ハ、ホ)
・新生児の頭蓋骨には、結合組織の部分があって、大泉門(だいせんもん)、小泉門(しょうせんもん)と呼ばれます。
[設問] 大泉門で交わる縫合の組み合わせは次のうちどれか? 一つ選べ。
イ ラムダ縫合・矢状縫合
ロ ラムダ縫合・冠状縫合
ハ 冠状縫合・矢状縫合
ニ 冠状縫合・ラムダ縫合 正解 (ハ)
人体の構造と機能 第74回(運動器系の構造と機能) [人体の構造と機能]
12.運動器系
1)概念
・神経系の運動系の指令によって、運動をするための端末器官です。
・骨と骨格筋などからなっています。
2)運動器器官の構造と機能
(1)骨
《構造》
A)概略
・ヒトの身体には、200余りの骨があります。骨の重量は体重の約18%を占めています。
・長管骨の両端は骨端(こったん)、中央部は骨幹(こっかん)といわれます。成長期の骨端には骨端軟骨があります。
・骨と骨の間には、関節が形成されます。
・骨組織は、細胞成分と基質からなっています。
・骨の細胞成分には、骨細胞、骨芽細胞(こつがさいぼう)、破骨細胞(はこつさいぼう)があります。
・骨細胞は、骨構造の骨格の役割を果たしていて、骨芽細胞は骨の形成に関わる細胞で、破骨細胞は骨を吸収する役割を持っています。
・骨の基質は、コラーゲン、リン酸カルシウムなどからなっています。
・人体のCa2+のほとんどは骨に含まれ、骨からの遊離と沈着のバランスによって血中のCa2+濃度は調節されています。
・骨は、表層は硬い緻密質(ちみつしつ)と内部の海綿質に分かれ、海綿質は骨梁(こつりょう)を形成して骨髄を容れています。
[設問] ヒトの身体にある骨はいくつくらいか? 一つ選べ。
イ 約50 ロ 約100 ハ 約200 ニ 約300 正解 (ハ)
[設問] 骨の重量は、体重の何%くらいにあたるのか、下記より選べ。
イ 約10% ロ 約18% ハ 約23% ニ 約28% 正解 (ロ)
[設問] 骨基質の主成分はどれか? 二つ選べ。
イ コラーゲン ロ リン酸カルシウム ハ リン酸ナトリウム ニ 塩化ナトリウム ホ 塩化カリウム
正解 (イ、ロ)
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人体の構造と機能 第73回(内分泌系の構造と機能) [人体の構造と機能]
(6)性腺
《構造》
・生殖器系をご参照ください。
《機能と生理》
A)性腺ホルモン
・性腺ホルモンには、男性ホルモン(アンドロゲン)と女性ホルモンがあります。
B)男性ホルモン
・男性ホルモンの代表がテストステロンです。
・テストステロンは精巣の間質細胞(ライディヒ細胞)から分泌され、男性の第2次性徴を促し、蛋白同化作用を持ち、骨格や筋を発達させます。
C)女性ホルモン
・女性ホルモンには、エストロゲンやプロゲステロンがあって、卵巣から分泌されます。
・エストロゲンには17β‐エストラジオール、エストロン、エストリオールがあります。
・エストロゲンは、子宮粘膜の増殖、子宮筋の増大と血管の増生、膣粘膜の増殖をおこします。また、思春期では、女性の第2次性徴を促進します。
[設問] エストロゲンについて、正しい記述を一つ選べ。
イ 子宮粘膜を増殖させる
ロ 子宮筋の血管の減少をおこす
ハ 子宮粘膜から分泌される
ニ 子宮筋を萎縮させる
正解 (イ)
(7)消化管
A)消化管ホルモンのいろいろ
・消化管ホルモンには、ガストリン、コレシストキニン(パンクレオザイミン)、セクレチン、グルカゴン、ガストリン抑制ホルモンなどがあります。
B)ガストリン
・ガストリンは、胃の幽門部と十二指腸粘膜のG細胞で分泌され、胃の塩酸とペプシノーゲンの分泌を亢進します。
C)コレシストキニン
・コレシストキニンは、十二指腸粘膜で分泌され、胆嚢の収縮と酵素に富む膵液を分泌させる働きをします。
D)セクレチン
・セクレチンは、十二指腸粘膜で分泌され、水分の多いアルカリ性の膵液を分泌させて胃酸を中和します。
[設問] 十二指腸粘膜で分泌され、膵液の分泌を促し、胃酸を中和させるのはどの消化管ホルモンか? 一つ選べ。
イ ガストリン ロ コレシストキニン ハ セクレチン ニ グルカゴン
正解 (ハ)
(8)腎臓
A)腎臓から分泌されるホルモン
・腎臓では、レニン、エリスロポイエチンなどが分泌されます。
B)腎臓から分泌されるホルモンの作用
・レニンは血圧を上昇させ、エリスロポイエチンは赤血球の成熟を促進します。
(9)心臓
A)心臓から分泌されるホルモン
・心房の心筋から心房性ナトリウム利尿ペプチド、心室の心筋からは脳性ナトリウム利尿ペプチドが分泌されています。
B)心臓から分泌されるホルモンの作用
・心房性ナトリウム利尿ペプチド、脳性ナトリウム利尿ペプチドは、腎臓の尿細管に作用して、尿細管でNa+と水の排泄を促し、血圧を低下させます。
[設問] 血圧を上昇させる働きをするのはどれか? 一つ選べ。
イ エリスロポイエチン ロ レニン ハ 心房性ナトリウム利尿ペプチド ニ 心室性ナトリウム利尿ペプチド
正解 (ロ)
(10)松果体(pineal body)
A)松果体から分泌されるホルモン
・松果体細胞は、セロトニンからメラトニンをつくります。
B)松果体から分泌されるホルモンの作用
・メラトニンは性腺刺激ホルモンの分泌を抑制し、性腺の早期成熟を抑制します。
人体の構造と機能 第72回(内分泌系の構造と機能) [人体の構造と機能]
(5)膵島
《構造》
・膵臓の内分泌腺としてランゲルハンス島があります。ランゲルハンス島の大きさは、直径が100~200μmで、100~200万個の数があります。
・ランゲルハンス島を構成する細胞は、A細胞(α細胞)、B細胞(β細胞)、D細胞(δ細胞)、F細胞に区別されます。
《機能と生理》
・A細胞からはグルカゴンが、B細胞からはインスリンが、D細胞からはソマトスタチンが、F細胞からは膵ポリペプチドのホルモンが分泌されています。
[設問] 膵臓のホルモンと分泌する細胞の組み合わせで正しいものを一つ選べ。
イ グルカゴン --- A細胞(α細胞)
ロ インスリン --- D細胞
ハ ソマトスタチン --- F細胞
ニ 膵ポリペプチド --- B細胞(β細胞) 正解 (イ)
人体の構造と機能 第71回(内分泌系の構造と機能) [人体の構造と機能]
(4)副腎
《構造》
・副腎は、腎臓の上にあって、5~6gの重さがあります。
・副腎には、皮質と髄質があります。
・副腎皮質は、球状帯、束状帯、網状帯に区別されます。
《機能と生理》
A)副腎皮質から分泌されるホルモン
・副腎皮質ホルモンは、糖代謝に関与する糖質コルチコイド(グルココルチコイド)と電解質代謝に関与する鉱質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)に分けられます。副腎皮質から分泌されるホルモンは、コレステロールから合成されます。
B)糖質コルチコイド
・糖質コルチコイドには、コルチゾールとコルチコステロンがあります。
・糖質コルチコイドは、ストレス時にその産生・分泌が亢進し、身体の抵抗性を高めます。また、コレステロールの合成も高めています。
C)鉱質コルチコイド
・鉱質コルチコイド、アルドステロンの合成・分泌はアンギオテンシンIIによって促進されます。
・アルドステロンは、尿細管でのNa+と水の再吸収を高め、K+の排泄を促進し、血漿量を増やして血圧を上昇させます。
D)副腎髄質から分泌されるホルモン
・副腎髄質からは、アドレナリンとノルアドレナリンが分泌されます。肉体的なストレスが加わると、アドレナリンが分泌されるのです。
[設問] 副腎皮質から分泌される鉱質コルチコイドは次のうちどれか? 一つ選べ。
イ コルチゾール ロ コルチコステロン ハ アルドステロン ニ アドレナリン
正解 (ハ)
[設問] アンギオテンシンIIによって、その分泌が促進され、血圧を上昇させるのは、次のうちどれか? 一つ選べ。
イ コルチゾール ロ コルチコステロン ハ アルドステロン ニ アドレナリン
正解 (ハ)
人体の構造と機能 第70回(内分泌系の構造と機能) [人体の構造と機能]
(2)甲状腺
《構造》
・甲状腺は前頸部で気管の前に位置します。
・甲状腺には、濾胞(ろほう)があるのが特徴で、そこには濾胞上皮細胞、濾胞傍細胞があります。
・濾胞腔はコロイドで満たされていて、コロイドの主成分はサイログロブリンです。
《機能と生理》
A)甲状腺から分泌されるホルモン
・甲状腺は、サイロキシン、トリヨードサイロニンとカルシトニンをつくっています。
・濾胞腔のコロイドの主成分であるサイログロブリンにヨードイオンが結合すると……サイロキシンとトリヨードサイロニンができます。
・カルシトニンは濾胞傍細胞でつくられています。
B)サイロキシンとトリヨードサイロニンの作用
・サイロキシンとトリヨードサイロニンは、全身の器官に作用して、細胞の代謝を維持しています。また、他のホルモンの作用を増強する役割も果たしています。
C)カルシトニンの作用
・カルシトニンは、破骨細胞の活動と骨吸収を抑え、腎臓からのCa2+排泄を促し、血中のCa2+を低下させます。骨形成を促進する作用を持っています。
[設問] 甲状腺濾胞のコロイドの主成分は何か? 一つ選べ。
イ カルシトニン ロ サイロキシン ハ トリヨードサイロニン ニ サイログロブリン
正解 (ニ)
(3)副甲状腺(上皮小体)
《構造》
・副甲状腺は甲状腺の裏側に4個あって、それぞれの大きさは米粒大です。
《機能と生理》
・副甲状腺ホルモンは、カルシトニンの作用と拮抗するもので、血中のCa2+濃度を増加させ、リン酸濃度を減少させます。このホルモンによって、骨吸収は促進され、腎臓の尿細管でのCa2+の再吸収が高まります。
[設問] 副甲状腺ホルモンの作用の組み合わせで、正しいものを一つ選べ。
イ 血中 カルシウムイオン の増加・血中リン酸の減少・骨吸収の促進
ロ 血中カルシウムイオンの減少・血中リン酸の増加・骨吸収の促進
ハ 血中カルシウムイオンの増加・血中リン酸の減少・骨形成の促進
ニ 血中カルシウムイオンの減少・血中リン酸の増加・骨形成の促進
正解 (イ)
人体の構造と機能 第69回(内分泌系の構造と機能) [人体の構造と機能]
2)内分泌器官の構造と機能
(1)視床下部・下垂体
《構造》
A)視床下部
・視床下部は最も古い脳で本能の脳とも言われます。
・視床下部の室傍核(しつぼうかく)と視索上核(しさくじょうかく)から下垂体に至る神経線維によって視床下部‐下垂体系が成り立っています。
B)下垂体
・下垂体は、小指大の大きさで、その重さは約6g程度です。
・下垂体は、前葉(ぜんよう)、中間葉(ちゅうかんよう)、後葉(こうよう)からなります。
・前葉と中間葉は、腺性下垂体(せんせいかすいたい)と呼ばれ、後葉は神経下垂体と呼ばれ、発生学的には起源が違っています。腺性下垂体は口腔外胚葉、神経下垂体は神経外胚葉に由来します。つまり、両者は癒合して一つの下垂体ができているのです。ですから、後葉は神経組織である視床下部と発生源が同じなので、後葉と視床下部は神経線維の連絡路を持っているのです。
・腺性下垂体はには、色素嫌性細胞(主細胞、γ細胞とも呼ばれます)、酸好性細胞(α細胞とも呼ばれます)、塩基好性細胞(β細胞)などがあります。
・神経下垂体には視床下部からの神経軸索の末端が到達しています。
《機能と生理》
・視床下部から下垂体前葉に作用するホルモン(因子)は、上下垂体動脈→下垂体門脈(下垂体門脈系)によって下垂体前葉に運ばれて作用します。
補)下垂体後葉へは下下垂体動脈が環流しています。
・視床下部でつくられ下垂体後葉で分泌されるホルモン(因子)は、神経軸索を通して運ばれ、下垂体後葉の神経終末で分泌されます。
・視床下部でつくられ、下垂体後葉から分泌されるホルモンには、抗利尿ホルモン(バゾプレッシン)、オキシトシンがあります。
[設問] 視床下部でつくられ、下垂体後葉で分泌されるホルモンは次のうちどれか? 二つ選べ。
イ 甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン
ロ 成長ホルモン抑制ホルモン
ハ オキシトシン
ニ バゾプレッシン
ホ 間質細胞刺激ホルモン 正解 (ハ、ニ)
・視床下部から前葉に送られるホルモンには、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、プロラクチン放出ホルモン(PRH)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH‐RH)、ACTH放出ホルモン(CRH)、成長ホルモン抑制ホルモン(GIF)、プロラクチン抑制ホルモン(PIF)があります。
・下垂体前葉のβ細胞からは、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、性腺刺激ホルモン(卵胞刺激ホルモンFSH、黄体形成ホルモンLHまたは精子形成ホルモン、間質細胞刺激ホルモン)が分泌されています。α細胞からは、成長ホルモン(GH)と乳腺刺激ホルモン(PRH)を産生・分泌しています。γ細胞の一部は、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)を産生・分泌します。
[設問] 腺性下垂体の酸好性細胞(α細胞)から産生・分泌されるホルモンは次のうちどれか? 二つ選べ。
イ 甲状腺刺激ホルモン(TSH)
ロ 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)
ハ 卵胞刺激ホルモン(FSH)
ニ 成長ホルモン(GH)
ホ 乳腺刺激ホルモン(PRH)
正解 (ニ、ホ)
人体の構造と機能 第68回(内分泌系の構造と機能) [人体の構造と機能]
11.内分泌系の構造と機能
1)概念
・内分泌系の器官はホルモンを分泌し、そのホルモンが全身の臓器、組織、細胞で受容体に結合して物質代謝の調節を行っています。
[設問] 内分泌系の一次中枢はどこか?
イ 視床 ロ 視床下部 ハ 下垂体 ニ 扁桃体
正解 (ロ)
・ホルモンは、化学構造から3種類に分類されます。
・3種類のホルモンのいろいろ
[設問] アミノ酸由来のホルモンを二つ選べ。
イ オキシトシン ロ カルシトニン ハ エストロゲン ニ アドレナリン ホ サイロキシン
正解 (ニ、ホ)
・ホルモンの分泌は、フィードバックメカニズムで維持されています。