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人体の構造と機能 第42回(呼吸器系の構造と機能) [人体の構造と機能]

《機能と生理》

A)呼吸運動

・呼吸運動は、肋間筋(ろっかんきん)と横隔膜(おうかくまく)の収縮と弛緩でおき、吸息運動(きゅうそくうんどう)と呼息運動(こそくうんどう)からなっています。

・肋間筋を使って行う呼吸を胸式呼吸(きょうしきこきゅう)、横隔膜を使って行う呼吸を腹式呼吸(ふくしきこきゅう)と言います。

・安静時に1回の呼吸で呼出または吸入される空気量を1回換気量といい、約450mLになります。

・深呼吸では、1回換気量より約2500mL多く空気を吸入できます。これを予備吸気量と言い、予備吸気量+1回換気量=最大吸気量で示されます。

・呼気でも安静時呼気後にさらに約1000mLの空気を吐き出すことができます。これを予備呼気量と呼び、それでも吐き出すことのできない空気の量を残気量(ざんきりょう)と言います。残気量は約1100mLです。

・予備呼気量+残気量は機能的残気量と言い、肺活量+残気量を全排気量と言います。

・1秒間に出す最大呼気量(%)も肺機能の指標となります。これは、時間肺活量または1秒間の努力呼気肺活量(1秒量)と呼ばれます。肺活量との比(%)は1秒率と言います。

・死腔量とは、ガス交換に関与しない空気量で、気道の容積を解剖学的死腔、交換されないガスの量を生理学的死腔と言います。健康人では、この二つは一致します。

B)呼吸運動の調節

・呼吸運動の中枢は延髄にあり、そこが周期的な呼吸運動を行わせています。

呼吸反射.png

・呼吸は、化学的受容器を介した酸素と二酸化炭素の濃度などに対応して変化します。化学受容器には中枢性と末梢性のものがあります。

・中枢性の化学受容器は、延髄の呼吸中枢近傍にあり、脳脊髄液と脳組織液のpHに反応し、pHが下がると換気速度は増加し、上がると換気速度は減少します。

・末梢性の化学受容器は、頸動脈にある頸動脈小体と大動脈にある大動脈体にあり、血中の酸素濃度の低下、二酸化炭素濃度の増加、pHの低下に反応して呼吸を促進しています。


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