人体の構造と機能 第44回(血液・造血器の構造と機能) [人体の構造と機能]
8.血液・造血器の構造と機能
1)概念
・細胞が生命活動を維持するための ①栄養素、酸素、ホルモン、老廃物、二酸化炭素などの移送 ②臓器の代謝で生じる熱の運搬と放散 ③体液の量とpHの恒常性の維持 ④生体防御 ⑤血液凝固・線溶系の働き などを行うのが血液・造血器の役割です。
2)血液成分の構造と機能
(1)赤血球
《構造》
A)赤血球の形と大きさ
・赤血球は、直径7~8μm、厚さ2μmで、中央がへこんだ円盤状の形をしています。
B)赤血球数・ヘマトクリット値・ヘモグロビン量
・赤血球の数は、450万~550万/mm3くらいです。
・ヘマトクリット値は、血液中に占める赤血球の容積で、基準値は男性では40~48%、女性では34~42%です。
・赤血球は成熟したものは核がなく、細胞形質膜だけでなる細胞で、内にヘモグロビンを包含しています。ヘモグロビンは鉄を含んだヘム色素とグロビンという蛋白が結合したもので、血液が赤く見えるのは、このヘム色素のためです。赤血球中に含まれるヘモグロビンの量は、男性で13.7~17.4g/dL、女性では11.3~14.9g/dLです。
《機能と生理》
A)赤血球の役割
・赤血球は、肺で取り込まれた酸素を全身の組織に運び、そこで二酸化炭素を受け取り、肺に運んで排出させるガスの運び屋としての機能を持っています。
B)酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビン
・赤血球中のヘモグロビンは、酸素と結合する前は還元ヘモグロビン、結合後は酸化ヘモグロビンと呼ばれます。
・酸化ヘモグロビンの酸素の末梢組織での放出は、2通りある。末梢組織から赤血球中に入った二酸化炭素と酸化ヘモグロビンの酸素が入れ替わって酸素が末梢組織中に放出されるのがひとつ。もうひとつは、赤血球内に入った二酸化炭素が水に溶け水素イオンを遊離して、これが酸化ヘモグロビンを還元ヘモグロビンに変えて酸素を放出させるものです。いずれにしても、二酸化炭素の存在が酸素の放出には必要というわけです。
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