基礎看護学(10)(共通基本技術) [基礎看護学]
4)事故防止
(1)安全管理対策
・ 安全を脅かす要因としては、「人(患者・家族・医療従事者)」「環境」「医療器械・器具」「管理」によるものがあります。
・ 窓、ベランダ、階段やトイレなどでの事故がおきないように普段からの設備点検が必要です。
・ 病院内の酸素や爆発物気体の取り扱いには十分な注意が必要です。
・ 医用工学機器(ME機器)使用時には必ずアースをとるようにします。
・ 災害時の避難方法・避難経路・避難場所や連絡方法などを日頃から訓練しておき、医療従事者だけでなく患者・家族にも説明を徹底しておく必要があります。
(2)誤与薬・誤認の防止、転倒・転落の防止、人工呼吸器管理
・ 与薬薬剤を受け取る時は、ラベルを確認するとともに自分以外の医療従事者と声を出し合って確認(ダブルチェック)するようにします。
・ 転倒・転落は、ベッド柵を使用しなかった場合、または設置したベッド柵の乗り越え、床の汚染や濡れ、移動上の障害物、段差などでおこります。
・ 昼より夜間に転倒・転落はおこりやすくなります。夜間は足元を照明で明るくする工夫をし、足元が隠れ段差や床が見えなくなる衣類はできるだけ避けるようにします。
・ 転倒・転落を予防するためには、患者の身体の状態および病識について評価しておく必要があります。
・ 人工呼吸器使用前には、必ずホースやコードの接続確認・作動点検を行うようにします。
・ 人工呼吸器の回路は清潔に組み立て、加湿器には滅菌蒸留水を使います。
・ 人工呼吸器の回路・蒸留水は週に1度交換します。
・ 人工呼吸器使用中は、ホースなどの回路内の水分は定期的に排除するようにします。人工呼吸器装着中の患者の観察は、継続的に行う必要があります。
・ 人工呼吸器のアラームが鳴った場合は、その原因を観察・確認し、適切な対応をするようにします。
[設問] 安全管理対策として正しいものを一つ選べ。
イ 窓やベランダは必要ないが、階段やトイレなどでは事故がおきないように設備点検に念を入れる。
ロ 病院内の酸素や爆発物気体の取り扱いには十分な注意が必要である。
ハ 医用工学機器は安全にできているので、特にアースをとる必要はない。
ニ 災害時の避難経路、方法などは日頃から医療従事者は訓練するが、患者、患者家族までは行わなくてもよい。
正解 (ロ)
[設問] 転倒転落事故について正しい文を一つ選べ。
イ ベッドからの転落はベッド柵の使用を忘れなければ防ぐことができる。
ロ 転倒転落は、昼間におこりやすい。
ハ 転倒転落を防ぐには、床の汚染や濡れ、障害物、段差などをなくすことも必要である。
ニ 転倒転落は、患者の身体状態や病識には無関係である。
正解 (ハ)
[設問] 人工呼吸器のアラームが鳴る原因として多いものを二つ選べ。
イ チューブ類の接続のはずれや屈曲
ロ 停電
ハ 電源コンセントのはずれ
ニ 誤作動
ホ 患者の咳 正解 (イ、ホ)
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