過去問を考えてみよう(408) [過去問解析]
408. Aさん(56歳、男性)は、進行結腸癌(advanced colonic cancer)の術後に両側の多発肺転移が進行し、終末期で在宅療養中であったが呼吸困難が増悪したため入院した。 経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は95%であるが、安静時でも呼吸困難を訴え、浅い頻呼吸となっている。発熱はなく、咳嗽はあるが肺炎(pneumonia)の併発はない。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。 (2014年午後出題)
1. 仰臥位を保つ。
2. 酸素投与は行わない。
3. モルヒネ塩酸塩の投与を検討する。
4. 安静を保つため訪室は最低限とする。
正解 (3)
[解説] 呼吸困難があるため、起座位などの体位が楽、1は×。 ややSpO2低下し呼吸困難があり、酸素投与も必要か、2も×。 様態観察のため訪室は必要で4も×。 正解は3。
[補足] モルヒネは、疼痛のみならず呼吸困難に対しても有効なオピオイドです。 その機序は、呼吸中枢の感受性の低下、酸素消費量の減少などと言われていますが、まだ解明されたわけではありません。 そして、少量のモルヒネで咳嗽や呼吸困難に有効とされています。
[参考] 成人看護学(15)(終末期の看護) ⇒ http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/2013-06-28
次の設問に挑戦してください。
[設問] モルヒネは、末期がんの疼痛コントロールに使われますが、それ以外に少量でも効果が認められるのは次のどれか。
イ. 不眠症
ロ. せん妄
ハ. てんかん
ニ. 呼吸困難
正解 (ニ)
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