過去問を考えてみよう(709) [過去問解析]
<長文問題> 次の文を読み709~711の問いに答えよ。 Aさん(35歳、経産婦)は、妊娠中に妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus)と診断され、食事療法を行っていた。 Aさんは、妊娠39週3日に3500gの児を自然分娩した。分娩の所要時間は2時間45分、出血量は450ml、第1度会陰裂傷のため縫合術を受けた。児のApgar〈アプガ―〉スコアは1分後8点、5分後9点であった。
709.生後1時間。 Aさんの児は、体温36.7度、心拍数150/分、呼吸数56/分である。 呼吸は不規則であるが陥没呼吸や呻吟はみられない。 四肢に軽度のチアノーゼがみられる。 児への対応で最も優先すべきなのはどれか。 (2012年午後出題)
1. 沐浴
2. 血糖値の測定
3. 口腔内の吸引
4. 保育器への収容
正解 (2)
[解説] 沐浴は出生直後に優先すべきことではなく1は×。 吸引の必要はなく3も×。 軽度のチアノーゼのみで保育器への収容も必要なく4も×。 で、 正解は2。
[補足] 妊娠糖尿病では母体の高血糖により、胎児も高血糖となり巨大児になる可能性が出てきます。 さらに出生後、新生児は低血糖が起ることがあり(新生児低血糖)、胎児死亡のリスクとなります。 このため妊娠糖尿病の妊婦の場合、出産後新生児で血糖チェックが必要なのですね。 これは、胎児時のブドウ糖の過剰供給により胎児の膵臓でのインスリン産生、分泌が亢進した状態となっており、分娩後にこの過量のインスリンのために低血糖が起きるわけです。
次の設問に挑戦してください。
[設問] 妊娠糖尿病の妊婦が出産した新生児で発症しやすく、注意すべきなのはどれか。
イ. 黄疸
ロ. 低血糖
ハ. 高血圧
ニ. 無呼吸
正解 (ロ)
コメント 0