疾病の成り立ちと回復の促進 第11回(病態のいろいろ) [疾病の成り立ちと回復の促進]
D)核酸代謝障害
a)痛風
・ 核酸の成分であるプリン体の代謝障害によっておこるもので、最終代謝産物である尿酸が血中に増え、尿酸塩が関節周囲組織に沈着し有痛性の結節(痛風結節)ができるのです。
b)核酸代謝酵素欠損症
・ 核酸代謝にはたくさんの酵素が関与しており、それぞれの欠損症が知られています。
E)脂質代謝障害
a)高脂質血症
・ 血液中においてコレステロール、中性脂肪(トリグリセリド)、リン脂質、遊離脂肪酸などの脂質が単独あるいは複数で高値となった状態を高脂質血症といいます。
b)肥満症
・ 肥満症とは標準体重を20%以上超えていて、全身の脂肪組織に中性脂肪が異常に蓄積した状態をいいます。 肥満も、内蔵に蓄積する中性脂肪がインスリン感受性低下の原因となるなど、代謝症候群の中核の異常として近年取り上げられています。
・ 単純性肥満症: 摂取エネルギー過剰によるものです。
・ 症候性肥満症: 内分泌障害、先天性異常、中枢神経系障害などによる2次的なものをいいます。
c)脂肪肝
・ 脂肪酸が過剰に肝臓に取り込まれ、中性脂肪も増加し、肝細胞内に脂肪が蓄積した状態をいいます。
・ アルコール、肥満、糖尿病、飢餓などでおこります。
d)脂質沈着症
・ 脂質の分解に関与するライソソームの酵素欠損により、肝臓や脾臓などの網内系細胞に類脂質が蓄積する疾患群のことです。
・ ゴーシェ病、ニーマンピック病などがあります。
[設問] 痛風は核酸の成分の代謝障害によるものであるが、その成分とはどれか?
イ プリン体 ロ 尿酸 ハ 遊離脂肪酸 ニ アンモニア
正解 (イ)
[設問] 血液中にコレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸などが単独、あるいは複数高値となったものを何というか? 一つ選べ。
イ メタボリック症候群 ロ 高脂質血症 ハ 内臓肥満症 ニ 動脈硬化症
正解 (ロ)
[設問] 肥満症とは標準体重を何%超えたものをいうか?
イ 10% ロ 15% ハ 20% ニ 25% 正解 (ハ)
[設問] 代謝(メタボリック)症候群の診断基準項目の組み合わせで正しいものを選べ。
イ 内臓肥満・高中性脂肪血症・低HDL血症・高血圧・空腹時高血糖
ロ 内臓肥満・高中性脂肪血症・高LDL血症・高血圧・空腹時高血糖
ハ 内臓肥満・高尿酸血症・高LDL血症・高血圧・空腹時高血糖
ニ 内臓肥満・高尿酸血症・低HDL血症・高血圧・空腹時高血糖
正解 (イ)
[設問] 脂肪肝の原因とされるものを二つ選べ。
イ アルコール ロ 喫煙 ハ 飢餓 ニ エクササイズ ホ 高血圧
正解 (イ、ハ)
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