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成人看護学(42)(内部環境調節障害を持つ患者への看護) [成人看護学]

4)体液不均衡の看護

(1)腎生検時の看護

・ 腎生検は、診断の確定や治療方針の決定、妊娠の可否、予後の推定、治療の効果判定などのために行います。

腎生検.png

・ 検査後は、食事・排泄・清潔などへの援助と長時間安静による苦痛の緩和が必要です。

(2)腎臓移植術後の看護

・ 術後の患者の管理のポイントは、免疫抑制療法、全身管理、水分管理、拒絶反応の早期発見・早期治療、感染症の予防です。

・ 腎移植直後は、バイタルサイン、血液検査結果、水分バランスなどの全身状態と免疫抑制薬・輸液量の管理、合併症の有無の観察が重要です。

・ 超急性拒絶反応(血流再開後48時間以内)は、レシピエント血中にドナーMHC抗原に対する既存抗体が存在した場合におこります。

・ 急性拒絶反応は、腎機能低下、移植腎の肥大・圧痛、全身症状(発熱、全身倦怠感、感冒様症状)、血液データ(BUN、クレアチニンの上昇)、尿検査、超音波検査、腎シンチグラフィー、腎生検を用いて判断します。

・ 急激に尿量が低下した場合は、血塊によるバルーンカテーテルの閉塞、脱水、拒絶反応、低血圧が考えられ、乏尿の原因を確認してから利尿剤を投与します。

・ 術後合併症は、リンパ漏、尿漏、血尿がみられる。ほとんどの場合、保存的療法で軽快します。

・ 退院後は、感染予防のため手洗い、うがいなど感染防止の必要性を説明します。 術後3ヶ月までは急性拒絶反応、感染症、免疫抑制薬の副作用(不整脈、動悸など)があるため、患者自身で早期発見できるよう指導していきます。

(3)透析療法の適用基準と選択

・ 透析療法は、慢性腎不全が進行して食事、薬物療法では尿毒症症状の改善が期待できないほど腎機能が低下した患者に適用されます。

・ 透析療法には、血液透析と腹膜透析があります。

・ 血液透析は、体外で人工透析膜を介して代謝老廃物や過剰の水分、電解質を除去して血液を浄化する方法です。 腹膜透析は、腹腔内に透析液を注入し、腹膜を介して血液を浄化する方法です。 それには、間歇的なものと持続的なもの(CAPD)があります。


[設問] 腎生検時の看護で正しいものを一つ選べ。

イ 検査前には検査時の体位が仰臥位であることを説明しておく。

ロ 腎生検の合併症には、腎周囲出血、肉眼的血尿、ショックなどがあることを念頭におく。

ハ 不安を与えるのはよくないので、検査の合併症については説明を避ける。

ニ 術後は特に安静は必要としない。

                           正解 (

[設問] 腎臓移植後の看護について、正しいものを一つ選べ。

イ 移植直後は、バイタルサイン、血液検査結果、水分バランスなどの全身状態と免疫抑制薬・輸液量の管理、合併症の有無の観察が重要となる。

ロ 血流再開後48時間以内におこる超急性拒絶反応は、レシピエントにドナーABO抗原に対する既存抗体が存在した場合におこる。

ハ 急激に尿量が低下する原因となるのは、バルーンカテーテルの閉塞だけである。

ニ 術後合併症としておこるリンパ漏、尿漏、血尿に対しては、保存的治療法では対応できないことが多い。

                                正解 (


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