成人看護学(64)(認知機能・コミュニケーション障害を持つ患者の看護) [成人看護学]
(4)神経学的検査
・ 神経学的検査は、精神機能(高次脳機能を含む)、脳神経、運動機能、反射、感覚機能、協調運動、姿勢・起立・歩行などを検査して、病変の広がり・分布を診断するものです。
・ 失語症の検査は、話す、聴く、読む、書くという4つの方法で行います。 標準失語症テスト(SLTA)は定量的な方法です。
・ 学習している行動や動作が行なえない状態を失行といい、手袋をはめる、マッチで火をつける、シャツを着るなどの動作をしてもらって観察します。
・ 意識レベル、記憶(瞬時・短期・長期)、計算力(100—7→93—7)、見当識(場所、時、人)などを調べます。
・ 脳神経: 嗅神経(においがわかるか?)、 視神経(視力、視野、瞳孔、対光反射などがどうか?)、 動眼・滑車・外転神経(眼球運動はどうか?眼振の有無は?)、 三叉神経(顔面の感覚、咀嚼筋に異常はないか?)、 顔面神経(顔面筋、舌前2/3の味覚に異常はないか?)、 内耳神経(聴覚、平衡覚に異常はないか?)、 舌咽・迷走神経(舌後ろ1/3の味覚、嚥下、構音に異常はないか?)、 副神経(僧帽筋・胸鎖乳突筋に脱力はないか?)、 舌下神経(舌の動きに異常はないか?)の12対の脳神経について評価します。
・ 運動障害は、徒手筋力テスト(MMT)による筋力の評価、筋緊張の異常の有無、不随意運動の有無、運動失調の有無などで評価します。
・ 筋緊張の亢進は、錐体路や錐体外路の障害でおこり、筋緊張の低下は末梢神経や小脳の障害でおこります。
・ 反射には、表在反射(腹壁反射、角膜反射、咽頭反射)と 深部反射(下顎反射、上腕二頭筋反射、上腕三頭筋反射、橈骨反射、膝蓋腱反射、アキレス腱反射)があり、正常ではみられない病的反射(バビンスキー反射、チャドック反射など)があります。
・ バビンスキー反射
[設問] 脳神経と機能の組み合わせで正しいものを一つ選べ。
イ 視神経 --- 眼球運動
ロ 滑車神経 --- 視野
ハ 顔面神経 --- 顔面の感覚
ニ 三叉神経 --- 咀嚼
ホ 舌咽神経 --- 舌の動き 正解 (ニ)
[設問] 病的反射を二つ選べ。
イ アキレス反射 ロ バビンスキー反射 ハ 上腕二頭筋反射 ニ モロー反射 ホ チャドック反射
正解 (ロ、ホ)
コメント 0