小児看護学(34)(さまざまな状況にある子供と家族への看護) [小児看護学]
7)心身障害のある子供と家族
(1)心身障害の種類と定義
・ 障害者基本法第2条によると障害児(者)とは、「身体障害、知的障害又は精神障害があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう」と定義されています。
・ 障害の概念は、WHOの国際障害分類においては、「身体機能・構造と機能障害」 「活動および活動の制限」 「参加および参加の制約」 の3つのレベルで捉えられています。
(2)心身障害の受容
・ 子供と家族の障害の受け止め方には、障害のレベル、日々の生活環境、地域における人間関係、社会環境、教育環境などが相互に影響します。
・ 親は、子供の障害の原因を親自身の育児の不注意と関連づけて考え、罪悪感や自責の念を抱きやすくなります。
・ 障害のある子供のきょうだいも、家族の生活の変化や親の心理状態・関わりの変化、仲間の行動の変化などに影響を受けて受容する過程が変化します。
(3)経管栄養法
・ 吸綴や嚥下障害、意識障害などのため、経口での栄養摂取が難しい時に、カテーテルを通してミルクや流動物を消化管に入れる栄養法です。
・ 実施には、経鼻カテーテルを使用する時と消化管カテーテル(胃瘻・腸瘻)を使って入れる方法があります。
・ ミルクや流動物を注入する前には、胃内容物を吸引してカテーテルが確実に挿入されているか、消化残渣のの有無・量・性状を確認する。不消化残渣物の量が多い時、血液や胆汁が混入している時は医師に報告します。
・ ミルクや流動物を注入している時の体位は、嘔吐による誤嚥防止や幽門への流れをよくするために、ファウラー位、できるなら右側臥位をとります。
・ 流動物の注入速度は、通常20〜30分/1回量を目安にしますが、児の状態・注入量・注入回数により適宜調節します。
・ 皮膚にカテーテルを固定するため、かぶれを生じやすくなります。 子供に合ったかぶれにくいテープを使って固定を工夫するとともに、皮膚の保清に努めます。
[設問] 新生児の経管栄養で、経鼻胃管の長さの目安となるのは、次のどれか?
イ 耳朶から鼻の先端を経て剣状突起までの長さ
ロ 眉間から剣状突起までの長さ
ハ 鼻の先端から剣状突起までの長さ
ニ 大泉門から剣状突起までの長さ
正解 (ロ)
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