母性看護学(3)(母性看護の概念) [母性看護学]
3)母性看護と法整備
(1)地域における子育て支援
・ 社会全体で支えていく体制づくりが行われ始め、地域におけるサポートグループの形成や、子育て期にある男女の就労スタイルが各自治体や企業で検討されています。
・ 同年齢の子供を持つ母親の集まりや、地域における育児支援グループがあります。 このようなグループに参加することで、実際に子育てをしている母親たちと、情報交換や育児への思いを共有することができ、育児不安の軽減につながります。 そのほか、インターネットによる掲示板や電子メールも利用されています。
・ 保健師・助産師などの専門職が、新生児家庭訪問事業や乳幼児健診の機会に子育て支援を行っています。 新生児家庭訪問事業は、主に、市町村で行われ、乳幼児健診は市町村や病院で行われています。
(2)就労と母性
・ 労働基準法第65条第1項では、産前休業について、6週間 (多胎妊娠の場合は14週間) 以内に出産する予定の女子が休業を請求した場合、就業させてはならないと規定しています。
・ 労働基準法第65条第2項では、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならないと規定しています。 ただし、本人の申請があり、かつ医師が支障ないと認めた場合、産後6週間を経過してからの復帰は可能となります。
・ 産前産後の女子が労働基準法の規定によって休業している期間と、その後30日間は原則として解雇してはいけないことになっています。
・ 労働基準法では、産前産後休業中の賃金については規定していません。
・ 労働基準法第65条第3項では、労働による負担を軽減するために、妊娠中の女子が請求した場合、他の軽易な業務に転換させなければならないと規定されています。
・ 労働基準法第66条では、妊産婦が請求した場合、時間外労働、休日労働、深夜業をさせてはならないと規定されています。
・ 労働基準法67条では、生後1歳未満の乳児を育てる女性は、休息時間の他、1日2回少なくともそれぞれ30分ずつ育児時間を請求することができると規定しています。
・ 雇用機会均等法第26条では、妊娠中および出産後1年未満の女子に対し、母子保健法に基づく保健指導や健康診査が就労の関係で受診できないことを避けるために、必要な時間が確保できるよう、事業主は配慮に努めなければならないと規定しています。
・ 育児休業・介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律では、育児と就労を両立できるような環境の整備を企業・自治体に義務づけています。
・ 育児休業は男女の別なく、3歳未満の子を養育するためにできることになっています。
・ 産休終了後0歳児を含めた低年齢保育や開所時間の延長、夜間保育、一時保育など様々な保育が提供されるようになってきています。
・ 乳幼児健康支援一時預かり事業は、保育所に通所していない在宅の乳幼児が病気をした時も利用できる制度です。
(3)母子保健法
[設問] 労働基準法第65条第1項で認められている産前休業は、出産予定何週間前からか?
イ 4週間 ロ 5週間 ハ 6週間 ニ 7週間 ホ 8週間
正解 (ハ)
[設問] 労働基準法による妊産婦とは、つぎのどれか?
イ 妊娠中の女性
ロ 妊娠中の女性、および産後1年を経過しない女性
ハ 妊娠中の女性、および産後6カ月を経過しない女性
ニ 妊娠中の女性、および産後3カ月を経過しない女性
正解 (ロ)
[設問] 籠城基準法第65条第2項では、産後何週間経過しない女性を、就業させてはならないと規定されているのか?
イ 産後4週間
ロ 産後6週間
ハ 産後8週間
ニ 産後10週間 正解 (ハ)
[設問] 母子健康手帳の交付は何に基づくものか?
イ 母子保健法 ロ 戸籍法 ハ 児童福祉法 ニ 健康増進法
正解 (イ)
明日、10月14日は、休みます。 10月15日から再開します。
白鳥恭介
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