過去問を考えてみよう(227) [過去問解析]
227 次の文を読み[問題226]、[問題227]、[問題228]の問いに答えよ。 Aさん(85歳、男性)は、妻と2人で暮していたが、自宅が意識を消失して緊急入院した。 検査の結果、右中大脳動脈領域の脳梗塞と診断された。意識は回復したが左片麻痺があり、発症後3日からベッド上での関節可動域訓練(ROM訓練)が開始された。 (2013年午後出題)
[問題227] 発症後3週。 意識は明瞭となり、五分粥と軟菜の経口摂取もできるようになった。 食事中、うまく飲み込めずに時々むせることがあり、食事摂取に40~50分かかっている。 Aさんへの看護で適切なのはどれか。
1. 水分摂取には吸い込みを行う。
2. 五分粥を摂取するときは大きいスプーンを使う。
3. 嚥下するときは顔を右側に向ける。
4. 食後は30分程度Fowler(ファウラー)位にする。
正解 (4)
[解説] まず水分摂取吸い込みは誤嚥しやすいので1は×。大きいスプーンだと一回量が増えるので逆効果で2も×。 食事のときの体位は座位として、顔は麻痺側に向けるほうがよいはずなので、で3も×。食後すぐに臥位にならず、逆流による誤嚥を防ぐためファウラー位30分は適切で、 正解は4ですね。
[補足1] 座位で、横を向いて嚥下したとき、咽頭の形は変わって、飲み込んだものは反対側に誘導されやすくなります。つまり、右を向けば左ののどを通りやすくなります。片麻痺があれば麻痺側の動きが悪くなっているので、食物は健側を通る方が誤嚥は少なくなるはずなのです。 すなわち、麻痺側を向くのが誤嚥防止にはよいことになるわけです。 臥位の場合は食物は重力の法則によって下面を通過しますので、健側を下にした側臥位がよいということになります。
次の設問に挑戦してください。
[設問] 左片麻痺のある患者に臥位で食介助をせざるを得ない場合、どの体位が適切か。
イ. 仰臥位
ロ. 腹臥位
ハ. 右下側臥位
ニ. 左下側臥位
正解 (ハ)
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