過去問を考えてみよう(1994) [過去問解析]
1994. Aさんは、3か月前に、末期腎不全の状態で腎代替療法(血液透析)が必要であると腎臓内科の医師から説明された。シャント造設のための入院を予定していたが、仕事が忙しく延期となっていた。1週前から感冒症状があり、体重増加、全身浮腫、全身倦怠感、呼吸苦が出現したため、緊急入院となった。透析用のカテーテルを挿入し、緊急血液透析を行った。
入院時の身体所見: 体重73kg(1週間で4kg増加)血圧178/105mmHg。
入院時の検査所見: Hg9.5g/dL、血清尿素窒素72㎎/dL、血清クレアチニン9.0㎎/dL、血清カリウム6.8mEq/L、血清ナトリウム138.5mEq/L。
緊急入院時のAさんの胸部エックス線写真を別に示す。Aさんが緊急血液透析となった病態で正しいのはどれか。
1.貧血
2.心不全
3.低カリウム血症
4.低ナトリウム血症
正解(2)
[解説]血液データからは、低カリウム血症(むしろ高カリウム血症)と低ナトリウム血症は否定でき、貧血はあるものの緊急血液透析の治療目的とは思えず、胸写から……正解は2。
次の設問に挑戦してください。
[設問]造血因子であるエリスロポエチンが主に生成される臓器はどれか。
イ.肝臓
ロ.腎臓
ハ.肺
ニ.膵臓 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ハの「神経障害・網膜症・腎症」でした。
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