成人看護学(66)(認知機能・コミュニケーション障害を持つ患者の看護) [成人看護学]
2)主な看護
(1)髄液検査時の援助
・ 髄液採取法には、脳室穿刺法、後頭穿刺法、腰椎穿刺法がありますが、その中で、腰椎穿刺法が最もよく使われます。
・ 腰椎穿刺法では、穿刺部位は、ヤコビー線上の第4腰椎棘突起を目安とし、第3〜4、または第4〜5腰椎間腔とします。
・ 髄液検査の合併症には、脳ヘルニア、髄膜炎、頭痛、神経損傷などがあります。
・ 援助時は、患者の腹側に立ち、患者を抱え込むように介助します。 左側臥位の患者の身体が床に垂直になるようにすることが重要です。 検査終了後は、2時間程安静臥床を行います。
(2)脳血管撮影時の援助
・ 脳血管撮影には、直接経皮的穿刺法と経皮経大動脈カテーテル法(セルジンガー法)があります。
・ 副作用としては、悪心・嘔吐、熱感、蕁麻疹、かゆみなどが多いのですが、重篤なものとしては、呼吸困難、心停止、意識消失などが出現することがあります。
・ 検査前には、造影剤の副作用歴やアレルギー歴についての問診を行ないます。
(3)脳の血腫・腫瘍・動脈瘤手術時の看護
・ 脳出血では血腫除去術、脳腫瘍では腫瘍摘出術、クモ膜下出血ではクリッピング術などがあります。 看護師は、患者の病態と術前の状態、手術内容を把握し、術後おこりやすい問題を予測し、観察・アセスメントを行ないます。
[設問] 腰椎穿刺部位の目安となるヤコビー線上にあるのは次のどれか?
イ 第12胸椎棘突起
ロ 第2腰椎棘突起
ハ 第4腰椎棘突起
ニ 第5腰椎棘突起 正解 (ハ)
[設問] 腰椎穿刺時の援助で正しいものを一つ選べ。
イ 患者の背中側に立って行う。
ロ 患者の背中をそらせるように介助する。
ハ 患者の身体が床に垂直になるようにする。
ニ 検査終了後は、なるべく早く臥床を解くようにする。
正解 (ハ)
[設問] クモ膜下出血に対するクリッピング術後4~14日の間におこることのある合併症は次のどれか? 一つ選べ。
イ 血栓 ロ 再破裂 ハ 髄膜炎 ニ 水頭症 ホ 血管れん縮
正解 (ホ)
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