精神看護(30)(精神科治療と看護) [精神看護学]
2)臨床検査
(1)脳波検査
・ 頭皮上から導出される脳の電気活動は、数十μVで微小電位ですが、これを100万倍くらいに増幅して記録した波形が脳波です。
・ 健常成人の安静、覚醒、閉眼時の脳波は、主にα波とβ波から成り立っています。
(2)知能検査
・ 知能検査は、発達障害や知的障害を鑑別するのに用いられる心理検査です。
・ 年齢からみた知能の発達の度合いを把握する指数として知能指数(IQ)が使われます。
・ 日本では、田中ビネー式テスト、鈴木ビネー式テスト、それにウエクスラー成人知能検査(WAIS-R)といった知能検査がよく使われます。
・ 認知症の診断が適切に行われる簡便な認知症評価スケールが開発されていて、長谷川式簡易知能評価スケールや国立精研式痴呆スクリーニングテストなどが知られています。
(3)記銘力検査
・ 記銘力検査は、記銘についての検査で、ベントン記銘力検査などがあります。
(4)人格検査
・ 人格検査は、心理テストを使って、その人の性格特性や病理について調べるもので、質問紙法と投影法があります。
・ 質問紙法では、性格の全体的傾向をとらえる谷田部—ギルフォード性格テスト(Y—Gテスト)や、人格を多面的にとらえるミネソタ多面人格目録(MMPI)がよく使われます。
・ 投影法には、木を描かせるバウムテスト、インクのしみのような図版を見せて反応を求めるロールシャッハ法、空欄の文章を補う文章完成法(SCT)などがあります。
[設問] 脳波で、健常者が覚醒安静にし、閉眼時に後頭部中心にみられるものは次のどれか?
イ アルファ波 ロ ベータ波 ハ シータ波 ニ デルタ波
正解 (イ)
[設問] 人格検査に使わるものを、一つ選べ。
イ 田中ビネー式テスト
ロ ロールシャッハ法
ハ 鈴木ビネー式テスト
ニ WAIS-R 正解 (ロ)
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