過去問を考えてみよう （98）

98　緊急で開頭血腫除去術が行われ、硬膜外にドレーンが挿入された。　術後はICUに入室した。　ICU入室６時間後のAさんの状態は、血圧138/76ｍｍHg、脈拍82/分、体温37.4℃。　呼びかけに対して容易に開眼し、簡単な指示に応じることができるようになった。　しかし、その後2時間で意識レベルが術前のレベルまで進行性に低下した。　血圧156/68ｍｍHg、脈拍67/分、体温37.8℃、経皮的動脈血酸素飽和度（SpO2)96％（酸素吸入3ｌ/分）。　この状況から考えられるAさんの病態として適切なのはどれか。　（2013年出題）

　１．　術後感染

　２．　脳血管攣縮

　３．　低酸素血症

　４．　術後頭蓋内出血

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　正解　（4）

[解説]　開頭術後の合併症としては、術後出血、けいれん、脳浮腫などがあります。　この例の場合、脈拍が落ち着いており、１は×、２はクモ膜下出血の術後の1週間前後でおこりやすい合併症なので２も×、３もSpO2をみれば×。　　正解は4となります。　

[補足1]　開頭手術の合併症として、しばしばみられるのが術後てんかん発作です。　術後7日以内におこるのが早期てんかん発作、それ以降が晩期てんかん発作と呼ばれます。

　　では、次の設問に答えてください。

[設問]　頭部打撲後、短時間の意識消失があり、その後覚醒していた患者が、数時間後意識レベルが急速に低下した。　次のどれが考えられるか。

イ　脳しんとう

ロ　外傷性くも膜下出血

ハ　硬膜下血腫

ニ　急性硬膜外出血

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　正解　（ニ）

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