過去問を考えてみよう(1662) [過去問解析]
次の文を読み1662、1663の問いに答えよ。
Aさん(34歳、経産婦)は、夫(35歳)と長男のB君(3歳)との3人暮らし。これまでの妊娠経過に異常はなかった。20時に体重3,150gの男児を正常分娩した。分娩所要時間は6時間30分、分娩時出血量は480mLであった。第1度会陰裂傷のため、縫合術を受けた。その他の分娩の経過に問題はなかった。
1662. Aさんは翌日の2時に尿意があり、自然排尿があった。8時に「昨夜は後陣痛の痛みが強くて眠れませんでした。おっぱいを飲ませたら、後陣痛がさらに強くなって、汗が出てきました」と言う。子宮底の高さは臍高、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、脈拍68/分、血圧125/70mmHgであった。
このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。
1.授乳を促す。
2.入浴を勧める。
3.骨盤底筋体操を指導する。
4.鎮痛薬の使用を医師に相談することを伝える。
正解(4)
[解説]授乳では後陣痛は増強するので、1は×。産後翌日の入浴は感染のリスクがあり、2は×。骨盤底筋体操は今すぐ指導する必要はなく、3も×。正解は4。
次の設問に挑戦してください。
[設問]授乳により脳下垂体から分泌が高まり、子宮収縮を起こすホルモンはどれか。
イ.卵胞刺激ホルモン
ロ.乳汁分泌ホルモン放出因子
ハ.オキシトシン
二.黄体形成ホルモン 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「せん妄」でした。
過去問を考えてみよう(1661) [過去問解析]
1661. 入院3日の20時、Aさんは覚醒し、点滴を触ったり、経鼻胃管を抜こうとしたりしており、落ち着かない様子である。
担当看護師が最初に行う対応で適切なのはどれか。
1.身体拘束を行う。
2.早めに消灯をする。
3.バイタルサインを測定する。
4.向精神薬の使用を検討する。
正解(3)
[解説]身体拘束は不要で、1は×。消灯で解決するとは思われず、却って悪くする可能性もあり、2も×。抗精神病薬の検討は医師のすることで、4も×。正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]ICUやCCUなどで管理されている患者に起こりやすく、見当識障害がみられ、混乱した状態となるのを何と言うか。
イ.てんかん
ロ.せん妄
ハ.パニック障害
二.認知症 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、イの「半坐位」でした。
過去問を考えてみよう(1660) [過去問解析]
1660. Aさんは、左中大脳動脈領域の脳梗塞と診断され、組織プラスミノーゲンアクチベータ〈t-PA〉による血栓溶解療法が行われた。入院後から2日後、右片麻痺は残存しているものの、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ-3と改善がみられた。多職種カンファレンスで経口栄養を検討したが、言語療法士による評価では、Aさんは誤嚥のリスクが高いと判断され、経鼻胃管による経管栄養を行うこととなった。
Aさんに行う経管栄養法について適切なのはどれか。
1.白湯から開始する。
2.開始前に胃残渣を確認する。
3.経鼻胃管挿入中は嚥下訓練を中止する。
4.1日の目標摂取エネルギー量は2,200kcalとする。
正解(2)
[解説]栄養チューブが胃に挿入されているのを確認するのが、まず第一に行うべきことですから……正解は2。
次の設問に挑戦してください。
[設問]成人の経鼻経管栄養の際の体位で適切なものはどれか。
イ.半坐位
ロ.仰臥位
ハ.左側臥位
二.右側臥位
ホ.腹臥位 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ハの「4.5時間」でした。
過去問を考えてみよう(1659) [過去問解析]
次の文を読み1659~1661の問いに答えよ。
Aさん(72歳、男性)。妻と2人暮らし。朝6時に、妻が一緒に寝ていたAさんの様子がおかしいことに気付き、救急車を呼んだ。Aさんは病院に搬送された。病院到着時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-10。右片麻痺および失語がみられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数20/分、心拍数110/分、血圧150/90mmHg。身長160cm、体重60kg。頭部CTで明らかな異常所見はなく、頭部MRIを行う予定である。
1659. 妻から聴取したAさんに関する以下の情報のうち、治療方針を決定するために最も重要な情報はどれか。
1.5年前から禁煙していた。
2.最近、眠りが浅いと言っていた。
3.今朝5時にトイレから戻って来た。
4.健康診査を2年間受診していなかった。
正解(3)
[解説]脳梗塞が疑われるので、超急性期の治療の適否が問題となりますが、それには発症の時期が重要な情報となります。正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]脳梗塞の超急性期治療であるt-PA治療の適応となるのは、発症何時間以内か。
イ.1時間
ロ.3時間
ハ.4.5時間
二.6時間 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「鶏歩」でした。
過去問を考えてみよう(1658) [過去問解析]
1658. Aさんは「病気になる前は夫と近くの公園を毎日散歩していたけれど、最近は通院以外に外出をしていません。以前のように、夫と近くの公園を散歩したいな」と訪問看護師に話した。
Aさんへの提案で最も適切なのはどれか。
1.歩行器の利用
2.電動車椅子の利用
3.住宅内の段差の改修
4.自宅でのリハビリテーションの実施
正解(?)
[解説」散歩に関する提案が必要なのですが、歩行器の提案は賛成できず、電動車いすは論外ですし、住宅内の段差の改修はあってもいいが、問題文からは焦点がずれているし、自宅でのリハビリテーションも適切な提案とは思われず、正解は?ですね。
次の設問に挑戦してください。
[設問]パーキンソン病患者の歩行の特徴でないのはどれか。
イ.前傾・前屈の姿勢
ロ.鶏歩
ハ.小刻み歩行
二.手振り減少 正解は次回!!
前回の設問の正解は、イの「複視」でした。
過去問を考えてみよう(1657) [過去問解析]
1657. Aさんと夫は、2週後に日誌を持って受診した。レボドパ〈L-dopa〉の処方が1日4回に増量されることになり、病状管理と療養指導のためAさんは週1回の訪問看護を利用することになった。薬剤が増量されてから1週が経過し、足がすくむことが少なくなった。Aさんから「足がすくむようになってから浴槽に入るのをやめていたけれど、入浴しても大丈夫でしょうか」と訪問看護師に相談があった。
Aさんに指導する内容で最も適切なのはどれか。
1.「レボドパが効いている時間に入浴しましょう」
2.「通所介護の入浴を利用しましょう」
3.「訪問入浴介護を利用しましょう」
4.「シャワー浴にしましょう」
正解(1)
[解説]薬剤の効果のみられる時間帯に入浴すべきで、通所介護の入浴ではタイミングが合うか不明で、2は×。訪問入浴介護はまだ必要ないので、3も×。シャワー浴ではAさんに不満が残りそうで、4も×。正解は1。
次の設問に挑戦してください。
[設問]パーキンソン病の4大症状でないのはどれか。
イ.複視
ロ.安静時振戦
ハ.筋強剛
二.無動・寡動
ホ.姿勢反射障害 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ニの「ドパミン」でした。
過去問を考えてみよう(1656) [過去問解析]
次の文を読み1656~1658の問いに答えよ。
Aさん(76歳、女性)。夫(74歳)と2人暮らし。6年前にParkinson〈パーキンソン〉病と診断された。現在、Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅢ、要介護1である。トイレと浴室には手すりが設置されている。レボドパ〈L-dopa〉を1日3回内服している。最近、足がすくむことが増えたため受診した。Aさんは主治医から「薬剤の効果を評価するために、服薬時間や生活の状況を日誌に記録しましょう。2週後にまた受診してください」と説明を受けた。
1656. 外来看護師が日誌に記録する内容をAさんに指導することになった。日誌に記録する内容で最も重要なのはどれか。
1.食事の量
2.便の性状
3.振戦の有無
4.排尿の回数
正解(3)
[解説]パーキンソン病の患者さんの症状を記録するのが重要なので、正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]パーキンソン病で減少する神経伝達物質はどれか。
イ.セロトニン
ロ.グルタミン酸
ハ.アセチルコリン
二.ドパミン 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ホの「イ~ニのすべて」でした。
過去問を考えてみよう(1655) [過去問解析]
1655. 入院1か月後、手洗い行為は軽減してきた。Aさんはカーテンを閉め切って1人で過ごしていることが多いが、担当看護師や主治医とは治療についての話ができるようになってきた。Aさんは「薬を飲む以外にできることはありますか」と聞いてきた。
このときのAさんに最も有効と考えられるのはどれか。
1.催眠療法
2.作業療法
3.認知行動療法
4.就労移行支援
正解(3)
[解説]強迫性障害に対して行われる治療としては、薬物療法と認知行動療法が知られています。正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]認知行動療法の対象となる疾患はどれか。
イ.うつ病
ロ.不安障害
ハ.摂食障害
二.統合失調症
ホ.イ~ニのすべて 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「セロトニン」でした。
過去問を考えてみよう(1654) [過去問解析]
1654. Aさんは、食事の時間以外は他の患者との接触を避け、病室で1人で過ごしている。両親は共働きで、毎日面会に来ることはできない。Aさんは自宅に面会の催促の電話をかけては母親と口論している。Aさんとの関わりに心身ともに疲れ果てた母親が、看護師に相談してきた。
母親への看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1.父親と交代で毎日面会に来るよう勧める。
2.Aさんからの自宅への連絡を制限することを約束する。
3.Aさんの代わりに看護師がAさんの苦悩を母親に伝える。
4.Aさんと母親との話し合いに看護師が同席することを提案する。
正解(4)
[解説]1は疲れ果てた母親には無理な相談と思われ、×。制限をかけるのは不適切であり、実現するとも限らず、2も×。看護師の口からAさんの苦悩を伝えるのも適切とは思われず、3も×。正解は4。
次の設問に挑戦してください。
[設問]強迫性障害の発症に関係するとされるのは、次のどの神経伝達物質の働きの低下か。
イ.ドパミン
ロ.セロトニン
ハ.アセチルコリン
二.グルタミン酸 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ホの「イ~ニのすべて」でした。
過去問を考えてみよう(1653) [過去問解析]
次の文を読み1653~1655の問いに答えよ。
Aさん(23歳、女性)。両親との3人暮らし。Aさんは大学受験に失敗して以来、自宅に引きこもりがちになった。1年前から手洗いを繰り返すようになり、最近では夜中も起き出して手を洗い、手の皮膚が荒れてもやめなくなった。心配した母親が付き添って受診したところ、Aさんは強迫性障害と診断された。母親は、Aさんについて「中学生までは成績優秀で、おとなしい子どもだった」と言う。Aさんに極度に疲労している様子がみられたことから、その日のうちに任意入院となった。
1653. 入院後、Aさんは主治医と話し合い、1日の手洗いの回数を決めたが、毎日その回数を超えて手洗いを続けている。看護師が確認するといつも洗面所にいる。
Aさんが決めた回数を超えて洗面所で手洗いを続けているときに、看護師がとる対応で適切なのはどれか。
1.手洗いを続けてしまうことについてAさんと一緒に話し合う。
2.病棟は清潔であることをAさんに説明する。
3.主治医にAさんの隔離について相談する。
4.Aさんと決めた手洗いの回数を増やす。
正解(1)
[解説]病棟が清潔であることはわかっていても手洗いを続けているわけなので、2は×。隔離を相談するのは行き過ぎたことで、3も×。決めた手洗いの回数を増やしても解決するとは思えず、4も×。正解は1。
次の設問に挑戦してください。
[設問]強迫性障害でみられることがあるのはどれか。
イ.不潔恐怖
ロ.確認行為
ハ.加害恐怖
二.被害恐怖
ホ.イ~ニのすべて 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ハの「アーロン・ベック」でした。