過去問を考えてみよう(1773) [過去問解析]
次の文を読み1773~1775の問いに答えよ。
Aさん(37歳、女性、会社員)は、1人暮らし。11月に経理部へ異動となった。新しい人間関係と慣れない仕事で帰宅後も緊張が取れず、眠れない日が続いていた。異同から3週目の朝、会社のエレベーターに乗ると、息苦しさ、動悸からパニック発作を起こした。その後も不眠とパニック発作が出現したため、異動から2か月後、精神科クリニックを受診し、パニック障害と診断された。主治医からは、短時間型の睡眠薬と選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉が処方された。また、職場の協力を得て仕事量の調整をしてもらうことになった。受診から5日後、Aさんから「昨日の朝から気分が悪くなり、下痢をするようになった」と電話があった。
1773. 受診後のAさんの状況に対する看護師のアセスメントで適切なのはどれか。
1.ストレスの増大
2.うつ症状の悪化
3.睡眠薬の持ち越し効果
4.SSRIの副作用〈有害事象〉
正解(4)
[解説]SSRIの服用開始時には、悪心や下痢が副作用として現れることがあります。正解は4。
次の設問に挑戦してください。
[設問]SSRIでないものを選べ。
イ.パロキセチン
ロ.セルトラリン
ハ.アミトリプチリン
ニ.エスシタロプラム
前回の設問の正解は、ハの「ラクトース」でした。
過去問を考えてみよう(1772) [過去問解析]
1772. 産褥4日。Aさんは乳頭を児にうまくくわえさせられず「上手におっぱいがあげられない。退院してからも続けていけるか心配です」と言う。Aさんの乳房からは移行乳の分泌がみられる。児の体重は3,040g、排尿は5回/日、排便は4回/日である。
Aさんへの授乳時のアドバイスとして、適切なのはどれか。2つ選べ。
1. 3時間ごとに授乳させる。
2.児が前屈姿勢になるように支える。
3.児が啼泣している時に授乳させる。
4.児の舌の上に乳頭がのるようにくわえさせる。
5.児が大きく口を開けたタイミングで乳頭をくわえさせる。
正解(4、5)
[解説]乳頭を児にうまくくわえさせるためのアドバイスが必要です。児の姿勢は楽な姿勢で、あごは上を向いているべきで、2は×。3時間ごとに時間を切ったり、泣いている時だけに授乳させるようなアドバイスはよくなく、1と3は×。正解は4と5。
次の設問に挑戦してください。
[設問]母乳中の炭水化物で最も多いのはどれか。
イ.グルコース
ロ.オリゴ糖
ハ.ラクトース
ニ.マルトース 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、イの「白色悪露」でした。
過去問を考えてみよう(1771) [過去問解析]
1771. 産褥3日。Aさんの子宮底は臍下3横指、硬度は硬い。悪露は血性少量であった。乳房は左右とも全体的に硬く触れ、熱感と発赤があり痛みを訴えている。乳汁分泌状態は、乳管口は開口数5本ずつ、移行乳の分泌を認める。Aさんのバイタルサインは体温37.9℃、脈拍72/分、血圧108/60mmHgであった。
Aさんの状態として最も考えられるのはどれか。
1.産褥熱
2.子宮復古不全
3.乳腺炎
4.乳房緊満
正解(3)
[解説]微熱、乳房の熱感と発赤で、うっ滞性乳腺炎が考えられ、正解は3。しかし、乳房の症状が両側であることを考慮すれば、正解は4でもよいようにも思われ、不適切問題かも。
次の設問に挑戦してください。
[設問]悪露の終了間際にみられるのはどれか。
イ.白色悪露
ロ.黄色悪露
ハ.褐色悪露
ニ.赤色悪露 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、イの「4~5日」でした。
過去問を考えてみよう(1770) [過去問解析]
次の文を読み1770~1772の問いに答えよ。
Aさん(30歳、初産婦、会社員)は、夫と2人暮らし。妊娠38週6日で3,200gの児を正常分娩した。分娩後から母児同室を開始しており、母乳育児を希望している。
1770. 産褥2日。乳房の緊満はなく、熱感がある。初乳から移行乳へと変化している。Aさんの児の抱き方はぎこちなく、乳頭をくわえさせるのに時間がかかっている。産褥1日から2日にかけた24時間で、14回の直接授乳をしている。児の体重は3,060gで、体重減少率は4.4%、排尿は3回/日、排便は2回/日である。Aさんは「あまり母乳が出ていないようですが、人工乳を足した方がよいですか」と看護師に相談した。
この時、看護師がアセスメントする項目で最も重要なのはどれか。
1.直接授乳の回数
2.母乳の分泌状態
3.児の体重減少率
4.児の排泄状況
正解(3)
[解説]児の栄養状態が最優先事項となるので、正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]新生児の生理的体重減少があるのは、次のどの時期までか。
イ.生後4~5日
ロ.生後7~8日
ハ.生後10~11日
ニ.生後13~14日 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、イの「男性」でした。
過去問を考えてみよう(1769) [過去問解析]
1769. Aさんは夫に付き添われ、妊娠35週4日に妊婦健康診査を受けた。体重62kg、血圧126/76mmHg。尿蛋白(-)、尿糖(-)。浮腫(±)。子宮底長30cm、腹囲88cm。Aさんは看護師に「膝の裏の血管が膨らんで、青く浮き出てきました。夕方になると足がだるくなり、夕食の準備のため立っているとつらくなります」と言う。
Aさんへの指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
1.「水分を控えましょう」
2.「体重を減らしましょう」
3.「ガードルを着用しましょう」
4.「弾性ストッキングを着用しましょう」
5.「寝るときは足を高くして横になりましょう」
正解(4,5)
[解説]下肢静脈瘤の予防のためには静脈の血流のうっ滞を防ぐことが必要なので、正解は4,5。
次の設問に挑戦してください。
[設問]下肢静脈瘤の要因と思われないのはどれか。
イ.男性
ロ.高齢
ハ.立ち仕事
ニ.肥満 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「8週間」でした。
過去問を考えてみよう(1768) [過去問解析]
1768. 妊婦健康診査後、Aさんは看護師に「毎朝30分、電車内で立ち続けているので職場までの通勤がとても疲れます」と話した。看護師はAさんに、就労する妊娠中の女性に関する制度について説明した。
Aさんがこの時点で取得できるのはどれか。
1.産前休業
2.時差出勤
3.就業の制限
4.所定労働時間の短縮
正解(2)
[解説]労働基準法による産前休業、就業制限は、出産予定日の6週間前からで、1と3は×。請求すれば、深夜業、時間外・休日労働、超過勤務はしないでよいが、所定労働時間の短縮はできず、4も×。正解は2。
次の設問に挑戦してください。
[設問]産後に本人の申し出がなくても休業が認められるのは、産後何週間か。
イ.4週間
ロ.8週間
ハ.12週間
ニ.16週間 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ニの「鉄剤」でした。
過去問を考えてみよう(1767) [過去問解析]
次の文を読み1767~1769の問いに答えよ。
Aさん(34歳、初産婦)は、夫(37歳、会社員)と2人暮らし。事務の仕事をしている。身長157cm、非妊時体重54kg。妊娠24週4日の妊婦健康診査時の体重58kgで4週前から1.5kg増加している。血圧128/88mmHg。尿蛋白(±)、尿糖(-)。浮腫(±)。Hb10g/dL、Ht30%。子宮底長22.5cm、腹囲84cm。胎児推定体重700g。非妊時より白色の膣分布物は多いが、掻痒感はない。
1767. Aさんの妊婦健康診査時のアセスメントで適切なのはどれか。
1.妊娠性貧血
2.膣カンジダ症
3.胎児発育不全〈FGR〉
4.妊娠高血圧症候群〈HDP〉
正解(1)
[解説]検査値で異常がみられるのは、HbとHt値。正解は1。
次の設問に挑戦してください。
[設問]妊娠性貧血の治療に使われるのはどれか。
イ.葉酸
ロ.ビタミンB1
ハ.ビタミンB12
ニ.鉄剤 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ホの「イ~ニのすべて」でした。
過去問を考えてみよう(1766) [過去問解析]
1766. Aちゃんの心臓超音波検査結果では、冠状動脈瘤の所見はなかった。Aちゃんは、全身状態が安定したため退院することになった。
看護師からAちゃんの家族への退院指導で適切なのはどれか。
1.運動の制限がある。
2.定期受診が必要である。
3.水分摂取量の制限がある。
4.保育所への通所は2週間禁止する。
正解(2)
[解説]冠状動脈瘤の所見もなく、運動制限も水分摂取量の制限も必要なく、1、3は×。感染症はなく全身状態も安定しているのであれば、4も×。正解は2。
次の設問に挑戦してください。
[設問]川崎病の主要症状はどれか。
イ.5日以上続く原因不明の発熱
ロ.両側眼球結膜の充血
ハ.手足の硬性浮腫
ニ.いちご舌
ホ.イ~ニのすべて 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、イの「Ⅰ型アレルギー」でした。
過去問を考えてみよう(1765) [過去問解析]
1765. Aちゃんの血液検査の結果は、白血球15,000/μL、血小板45万/μL、CRP4.8㎎/dLであり、心臓超音波検査に異常はなかった。γ-グロブリン製剤の点滴静脈内注射が開始された。10分後にAちゃんは腹部をかきはじめ、全身にかゆみを伴う膨隆疹と喘鳴、口唇のチアノーゼが出現した。
Aちゃんの状態として最も考えられるのはどれか。
1.イレウス
2.心筋梗塞
3.アレルギー反応
4.クループ症候群
正解(3)
[解説]点滴開始後10分ほどで始まった膨隆疹、喘鳴など。正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]薬剤投与から数分から数十分で症状が現れるアレルギー反応はどれか。
イ.Ⅰ型アレルギー
ロ.Ⅱ型アレルギー
ハ.Ⅲ型アレルギー
ニ.Ⅳ型アレルギー 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ニの「4歳以下」でした。
過去問を考えてみよう(1764) [過去問解析]
次の文を読み1764~1766の問いに答えよ。
Aちゃん(1歳6か月、男児)は、5日前から発熱し、自宅近くのかかりつけ医に通院していたが解熱せず、昨日から眼球結膜の充血、口唇の発赤と亀裂が出現したため入院した。診察では、体幹の発疹と手足の浮腫もあり、川崎病および脱水症と診断された。Aちゃんに対し、点滴静脈注射による脱水症の治療が開始され、左手掌から前腕までシーネで固定された。Aちゃんは機嫌が悪く、両手をバタバタと上下に動かしながら泣いている。左手背の留置針刺入部には、腫脹や発赤はない。
1764. Aちゃんに対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1.四肢の抑制を行う。
2.気をそらすよう工夫する。
3.点滴静脈内注射のラインを短くする。
4.点滴静脈内注射の必要性を説明する。
正解(2)
[解説]四肢の抑制はAちゃんの苦痛を増すことになり、1は×。静脈内注射のラインは短くすればラインが引っ張られる可能性があるので、3も×。注射の必要性の説明は1歳6か月の男の子には意味がなく、4も×。正解は2。
次の設問に挑戦してください。
[設問]川崎病の発症が多いのはどれか。
イ.11~13歳
ロ.8~10歳
ハ.5~7歳
ニ.4歳以下 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「チェーンストークス呼吸」でした。