小児看護学(37)(さまざまな状況にある子供と家族への看護) [小児看護学]
9)慢性期にある子供と家族
(1)小児慢性特定疾患治療研究事業
・ 1968年以降に行われてきた小児慢性特定疾患対策における対象疾患の大幅な拡大が行われ、1974年に「小児慢性特定疾患治療事業」として統合されました。
・ 対象年齢は、18歳未満の児童ですが、18歳以降も引き続き治療が必要と認められる場合は、20歳まで助成が延長されます。 その目的は、治療の確立と普及を図り、合わせて家族の経済的、精神的負担を軽減することにあります。
(2)病気の時間的経緯と急性増悪
・ 慢性状態とは、疾病の進行、症状に著しい変化がみられず固定化し、長い経過をたどる、あるいは生涯において持続して機能低下をきたした状態のことです。
・ 経過は一様でなく、進行する時もあれば、予後不良の時もあります。 病状が潜行して自覚症状のないままに寿命を全うする時、あるいは再燃し急性増悪し、再び慢性期にいたることもあります。
(3)病気による子供と家族の生活の変化
・ 子供は、身体障害による機能低下や治療のために行われる制限で、日常の生活習慣が制限され、自己コントロール感の喪失を体験します。
・ 身体の外観や機能の変化で、これまでの自己像のゆがみや崩壊を生じることがあります。
・ 治療のための通院や入院のため、仲間からの疎外を感じ、生活のリズムの乱れや自発性の低下を生じることがあります。
・ 病気とともに生活する過程においては、その不安を乗り越え、適応するための新たな対処行動を身につけて自己の持つ能力を自覚し、成長につながる変化が生じることもあります。
[設問] 小児慢性特定疾患治療研究事業対象疾患の組み合わせを選べ。
イ 白血病・川崎病・ウイルソン病
ロ 副鼻腔炎・心室中隔欠損症・水腎症
ハ リンゴ病・糖原病・水痘
ニ 1型糖尿病・川崎病・膀胱炎
正解 (イ)
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