過去問を考えてみよう(2635) [過去問解析]
次の文を読み2635~2637の問いに答えよ。
Aちゃん(2歳10か月、女児)は昨日から下痢と嘔吐を繰り返し、食事が摂れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎による中等度の脱水症と診断され入院した。入院時、体温38.2℃、呼吸数36/分、心拍数136/分であった。3日前の保育所の身体計測では身長90cm、体重12.5kgであった。
2635.Aちゃんにみられる状態はどれか。
1.昏睡状態である。
2.流涙は普段と変わらない。
3.体重は3日前と変わらない。
4.排尿頻度は普段通りである。
5.皮膚のツルゴールは低下している。
正解(5)
[解説]昏睡がみられるのは重度の脱水症状であり、1は×。流涙は減少すると思われ、2も×。体重減少はみられると思われ、3も×。排尿頻度は減少すると思われ、4も×。正解は5。
次の設問に挑戦してください。
[設問]重度の脱水と思われない症状・所見はどれか。
イ.口腔内湿潤
ロ.意識レベル低下
ハ.流涙消失
ニ.手足先の冷感
ホ.眼球陥凹 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ニの「クロピドグレル」でした。
過去問を考えてみよう(2634) [過去問解析]
2634. 転棟後5週、Aさんは歩行練習が開始となり、病棟内では日常生活動作〈ADL〉も徐々に自立してきている。食事は時々むせがみられるが、配膳すれば自力で摂取できる。排泄は車椅子でトイレへ移動しており、ズボンの着脱に介助が必要である。入浴はシャワーチェアーに座り、手が届くところは自分で洗うことができる。歯磨きは一部解除が必要である。Aさんは早く自宅に帰りたいと話し、午前と午後の機能訓練には積極的に参加しているが、機能訓練後は「疲れて何もしたくない」とベッドで横になり眠っている。夕方に面会に来た妻は「面会時にいつも疲れたと言って眠っているので、このままの状態で退院して家で世話ができるかどうか自信がありません。息子夫婦も仕事が忙しいので、介護を手伝ってもらえるかわかりません」と言っている。
看護師の妻への対応で最も適切なのはどれか。
1.施設入所の検討を提案する。
2.トイレ介助の方法を指導する。
3.Aさんの機能訓練中の様子の見学を勧める。
4.息子夫婦にも介護に参加してもらうよう助言する。
正解(3)
[解説]妻は、機能訓練後の疲れて眠っている状況しかみていないので、訓練の様子を見て、現在のADLを知っていただくのがよいかと思われ、正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]脳梗塞の再発防止に処方される抗血小板薬はどれか。
イ.ワルファリン
ロ.ダビガトランエテキシラート
ハ.アピキサバン
ニ.クロピドグレル 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「言いたいことが言葉にならない」でした。
過去問を考えてみよう(2633) [過去問解析]
2633. Aさんは妻や看護師との話の内容は理解しているようだが、返答の際に言葉を間違えてしまうことや言葉がなかなか出てこないことがある。
Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
1.Aさんの言葉を推測しながら話す。
2.Aさんの言い誤りを訂正する。
3.大きな声で話す。
4.話題を変える。
正解(1)
[解説]失語に伴う錯語と思われ、訂正しても繰り返す可能性もあり、2は×。大きな声で話すことが何か利点があるとは思えず、3も×。話題を変える意味はなく、4も×。正解は1。
次の設問に挑戦してください。
[設問]運動性失語の症状はどれか。
イ.言葉や文字が理解できない。
ロ.言いたいことが言葉にならない。
ハ.話し方はなめらかである。
ニ.言い間違いが顕著で、支離滅裂になることがある。 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、イの「左前頭葉」でした。
過去問を考えてみよう(2632) [過去問解析]
次の文を読み2632~2634の問いに答えよ。
Aさん(83歳、男性)は妻(81歳)と2人暮らし。息子夫婦は共働きで同市内に住んでいる。Aさんは自宅の廊下で倒れているところを妻に発見され、救急搬送された。Aさんは右上下肢に力が入らず、妻の声かけにうなずくが発語はなかった。頭部CTで右中大脳動脈領域の脳梗塞と診断されたため救急外来で血栓溶解療法が行われ、入院となった。血栓溶解療法による治療後2週。Aさんは右上下肢麻痺、失語などの後遺症があるが、自宅への退院を希望したため、機能訓練の目的で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。転棟後1日。Aさんはベッドから車椅子への移乗動作の訓練を始めたが、健側の下肢筋力が低下しているため、立位のときにバランスを崩しやすい状況である。
2632.Aさんへの移乗時の援助で適切なのはどれか。2つ選べ。
1.ズボンのウエスト部分をつかんで引き上げる。
2.ベッドの高さを車椅子の座面より低くする。
3.床に離床センサーマットを設置する。
4.車椅子をAさんの左側に準備する。
5.移乗前に血圧測定を行う。
正解(4、5)
[解説]ズボンのウエスト部分をつかんで引き上げると、ズボンの食い込みが起きるので、1は×。ベッドの高さが低すぎると、立ち上がりにくく、2も×。勝手に離床するようなことはないようなので、離床センサーマットは不要と思われ、3も×。正解は4と5。
次の設問に挑戦してください。
[設問]一般に、運動性失語の責任病巣はどこにあるとされているか。
イ.左前頭葉
ロ.左側頭葉
ハ.左頭頂葉
ニ.左後頭葉 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ニの「実行機能障害」でした。
過去問を考えてみよう(2631) [過去問解析]
2631. 入所して1週後、Aさんは、朝、声をかけられてもなかなか目を覚まさない。午前中は看護師が他の入所者と交流することを目的に共有スペースに誘導するが、Aさんは共有スペースの椅子に座ったまま眠ってしまい、レクリエーションへ誘われても参加はしない。夕方から夜間にかけてAさんは活動的となり、施設の廊下を歩き職員に話しかけている。
Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
1.朝の入浴を勧める。
2.日中の散歩に誘う。
3.朝はAさんが自分で起きるまで待つ。
4.日中は椅子に座って過ごしてもらう。
正解(2)
[解説]昼夜逆転が起きているようなので、生活のリズムを変える必要があると思われます。正解は2。
次の設問に挑戦してください。
[解説]認知症のBPSDでないのは、どれか。
イ.徘徊
ロ.昼夜逆転
ハ.幻覚
ニ.実行機能障害 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「夕暮れ症候群」でした。
過去問を考えてみよう(2630) [過去問解析]
2630. 入所した日の夕方、Aさんは自分の荷物をまとめて「夕食を作らなければいけないので、家に帰ります」と施設内を歩いている。
Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
1.「他の入所者と話をしましょう」
2.「椅子に座ってお話しませんか」
3.「入所中なので家には帰れません」
4.「歩くのは危ないのでやめましょう」
正解(2)
[解説]まずは落ち着かせることが大事と思われるので、正解は2。
次の設問に挑戦してください。
[設問]認知症患者が、夕方になると、落ち着きがなくなり、家に帰るなどと言う症状はなんと呼ばれるか。
イ.妄想
ロ.夕暮れ症候群
ハ.せん妄
ニ.うつ症状 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ハの「見当識障害」でした。
過去問を考えてみよう(2629) [過去問解析]
次の文を読み2629~2631の問いに答えよ。
Aさん(82歳、女性)は息子(57歳、会社員)と息子の妻(55歳、パート勤務)との3人暮らし。3年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症と診断され、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱb、要介護2である。Aさんの介護は、主に息子の妻が行っていた。Aさんは、声かけがあれば日常生活動作〈ADL〉を自分で行うことができた。しかし、Aさんは徐々に認知症が重度化し、1人で外出すると帰ってくることができなくなり、夜間に落ちつきなく動き回ることが多くなった。息子と息子の妻はAさんの介護について介護支援専門員に相談していたが、息子の妻は睡眠不足となり、体調を崩してしまった。そのため、Aさんは介護老人保健施設に入所することになった。
2629. 看護師からAさんに施設について説明したが、その後もAさんは「ここはどこ」と繰り返し聞いていた。息子の妻は「私がやらなければいけないことは何ですか」と聞いてきた。
息子の妻に対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1.「面会に来てください」
2.「家族会に参加しましょう」
3.「まずは休息をとりましょう」
4.「認知症への対応を覚えましょう」
正解(3)
[解説]息子の妻は体調を崩しているのだから、正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]認知症患者が「ここはどこ」と言っている。これはどの障害になるか。
イ.近時記憶障害
ロ.語想起障害
ハ.見当識障害
ニ.妄想 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「ナラトリプタン」でした。
過去問を考えてみよう(2628) [過去問解析]
2628.放射線療法と化学療法が開始されて10日が経過した。Aさんはガーデニングの趣味があり、庭が気になるため週末の外泊を希望し、主治医から許可が出た。
外泊にあたりAさんへの説明として適切なのはどれか。2つ選べ。
1.「入浴は控えてください」
2.「食べ物の制限はありません」
3.「ガーデニングの時は手袋をしてください」
4.「発熱を伴わない咳は様子を見てください」
5.「性交渉の時はコンドームを使用してください」
正解(3,5)
[解説]入浴を控える必要はなく、1は×。免疫力が低下しているので、生ものは避けるべきで、2は×。発熱を伴わなくても、対処が必要な場合もあるので、4も×。正解は3と5。
次の設問に挑戦してください。
[設問]下記の薬剤で、抗癌薬でないのはどれか。
イ.セツキシマブ
ロ.ナラトリプタン
ハ.カペシタビン
ニ.シスプラチン 正解は次回!!
前回の設問の正解は、ハの「2週間前後」でした。
過去問を考えてみよう(2627) [過去問解析]
2627.脳腫瘍摘出手術の結果、膠芽腫と診断され、Aさんは放射線療法と抗癌薬内服による化学療法を行うことになった。放射線療法を開始して1週後、Aさんが頭皮のかゆみを訴えたため、副腎皮質ステロイド軟膏が処方された。
Aさんへの説明として適切なのはどれか。
1.「定期的に髪の毛をそります」
2.「かゆみが強いときは温めてください」
3.「軟膏は放射線照射前に拭き取ってください」
4.「かゆみは放射線照射の終了日にはおさまります」
正解(3)
[解説]放射線による皮膚炎が起きているので、剃毛はされるべきで、1は×。温めるとかゆみが増すので、2も×。かゆみは放射線照射が終了しても、すぐにはおさまらず、4も×。正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]放射線照射による皮膚炎は、一般に、放射線照射からどれくらいで起きるか。
イ.直後
ロ.2,3日後
ハ.2週間前後
ニ.4週間前後 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「神経膠腫」でした。
過去問を考えてみよう(2626) [過去問解析]
次の文を読み2626~2628の問いに答えよ。
Aさん(38歳、会社員、女性)は夫と2人暮らし。通勤中に突然の頭痛を訴えて倒れ、救急搬送された。入院後に行った頭部CT検査および頭部MRI検査で、脳腫瘍と診断された。Aさんは脳腫瘍摘出のために開頭術を受けた。
2626.帰室後の看護として適切なのはどれか。
1.発熱時の冷罨法は禁忌である。
2.徐脈時は経過観察とする。
3.ベッドの頭側を挙上する。
4.頸部を前屈させる。
正解(3)
[解説]冷法は特に禁忌ではないので、1は×。徐脈は頭蓋内圧亢進の症状であり、要注意で、2も×。頸部前屈の必要はなく、4も×。正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]成人の原発性脳腫瘍の中で最も多いのはどれか。
イ.髄膜種
ロ.神経膠腫
ハ.下垂体腺腫
ニ.神経鞘腫 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、イの「橈骨動脈」でした。