過去問を考えてみよう(2005) [過去問解析]
次の文を読み2005、2006、2007の問いに答えよ。
Aさん(28歳、初妊婦)は、夫(30歳、会社員)と2人暮らし。妊娠37週0日で妊婦健康診査のため来院した。身長160cm、体重62kg(非妊時体重54kg)。血圧122/74mmHg。Hb12.1g/dL、Ht36%。尿蛋白(-)、尿糖(-)。下肢に軽度の浮腫を認める。子宮底長32cm、推定胎児体重2,810g。Aさんは「1時間に、1時間に2、3回お腹が張ることがありますが、休んでいるとおさまります」と言う。
2005. このときのAさんの状態で正しいのはどれか。
1.陣痛発来
2.正常な妊娠経過
3.胎児発育不全<FGR>
4.妊娠高血圧症候群<HDP>
正解(2)
[解説]陣痛発来の場合陣痛は1時間に6回以上なので、1は×。推定胎児体重が2,810gなので、3は×。血圧も正常で、4は×。正解は2。
次の設問に挑戦してください。
[設問]正期産の新生児の体重はどれか。
イ.2,000~3,999g
ロ.2,200~3,999g
ハ.2,500~3,999g
ニ.2,800~3,999g 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ハの「70mg/dL」でした。
過去問を考えてみよう(2004) [過去問解析]
2004. A君と母親は、自己血糖測定とインスリン自己注射に関する主義を身につけて退院し、外来通院となった。退院後2か月、A君と母親が定期受診で来院した際、看護師がA君に生活の様子を尋ねたところ「学校では血糖測定もインスリン注射もやっているよ。給食は楽しみで好き嫌いはなく食べているよ」と話した。母親は「帰宅時に時々手の震えや空腹感を訴え、血糖を測定すると60mg/dL台のことがあり、自分で捕食を選んで食べています。なぜ日によって低血糖になることがあるのでしょうか」と話している。看護師がA君の低血糖の原因をアセスメントする際に優先して収集すべき情報はどれか。
1.インスリン自己注射に対するA君の認識
2.学校内でインスリン自己注射を行う場所
3.学校での運動量
4.給食の摂取量
正解(3)
[解説]低血糖の原因としては、運動量が多いのか、インスリンが多すぎるのかであるが、血糖測定もやり、自己注射もきちんとやっているとすれば、運動量の問題と思われ、正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]一般的に低血糖の警告症状が出るのは、血糖値がいくつ以下になったときか。
イ.100mg/dL
ロ. 85mg/dL
ハ. 70mg/dL
ニ. 55mg/dL 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「β細胞」でした。
過去問を考えてみよう(2003) [過去問解析]
2003. 入院後、インスリンの持続点滴静脈内注射が開始された。入院後3日に血糖値が安定し、インスリンの持続点滴静脈内注射が中止された。ペン型注射器によるインスリン療法が開始され、看護師は母親とA君に自己血糖測定とインスリン自己注射について説明した。A君は「自分で注射するなんてできない」と言ってインスリン自己注射の練習が進まない。A君への看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1.インスリン自己注射の必要性を繰り返し説明する。
2.A君が納得するまで母親にインスリン注射をしてもらう。
3.インスリン自己注射ができるようになったら退院できると話す。
4.インスリン自己注射をしている同年代の糖尿病患児と話す機会を作る。
正解(4)
[解説]必要性を繰り返し説明しても、納得はしても気持ちは変わるようにはおもえず、1は×。納得するまでとの約束で母親に代理をやってもらっては、だらだらとそれが続きそうで、2は×。3は脅しのようで、×。正解は4。
次の設問に挑戦してください。
[設問]膵臓のインスリン分泌細胞はどれか。
イ.α細胞
ロ.β細胞
ハ.δ細胞
ニ.PP細胞 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ホの「イ~ニのすべて」でした。
過去問を考えてみよう(2002) [過去問解析]
次の文を読み2002,2003,2004の問いに答えよ。
A君(8歳、男児、小学3年生)は、父親(40歳、会社員)と母親(38歳、主婦)との3人暮らし。
多飲と夜尿を主訴に小児科を受診した。尿糖4+のため、1型糖尿病の疑いで病院に紹介され、精密検査を目的に入院した。A君は身長123cm、体重27.5kg(1か月前の体重は29.5kg)。入院時のバイタルサインは、体温36.9℃、脈拍100/分、血圧98/42mmHg/dL、HbA1c9.3%、抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ<GAD>抗体陽性、尿糖4+、尿ケトン体3+。血液ガス分析pH7.02であった。
2002. 入院時に確認する症状はどれか。2つ選べ。
1.咳嗽
2.腹痛
3.浮腫
4.発疹
5.意識レベル
正解(2,5)
[解説]糖尿病性ケトアシドーシスの状態と思われます。症状としては、悪心・嘔吐、腹痛、意識障害などがみられます。正解は2と5。
次の設問に挑戦してください。
[設問]糖尿病性ケトアシドーシスの誘因となりうるのはどれか。
イ.感染症
ロ.心筋梗塞
ハ.膵炎
ニ.外傷
ホ.イ~ニのすべて 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「要介護1以上」でした。
過去問を考えてみよう(2001) [過去問解析]
2001. Aさんは「もっと歩けるようになりたい。妻の負担にならずに生活できるようになりたい」と話している。退所後にAさんが利用する介護給付におけるサービスで最も適切なのはどれか。
1.訪問介護
2.療養通所介護
3.通所リハビリテーション
4.認知症対応型共同生活介護<認知症高齢者グループホーム>
正解(3)
[解説]「もっと歩けるようになりたい。……」と言われているのですから、歩行訓練などのリハビリテーションが必要ということになるかと。正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]通所リハビリテーションの対象となるのはどれか。
イ.要支援2以上
ロ.要介護1以上
ハ.要介護2以上
ニ.要介護3以上 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ニの「バルプロ酸ナトリウム」でした。
過去問を考えてみよう(2000) [過去問解析]
2000. 入院初日の夜、Aさんはトイレに行った後、入所者Bさんの部屋に入ったという夜勤者からの申し送りがあった。
Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1.Aさんの部屋の前にAさんが認識しやすい目印を掲示する。
2.夜間は2時間ごとにAさんを起こしてトイレに誘導する。
3.夜間は尿器を使用することをAさんに勧める。
4.AさんとBさんの部屋を入れ替える。
正解(1)
[解説]2はAさんの睡眠を妨げることになり、×。尿器の使用をする段階とは思えず、3も×。4は問題解決にならず、却って見当識障害を誘発する可能性もあり、×。正解は1。
次の設問に挑戦してください。
[設問]パーキンソン病治療薬でないのはどれか。
イ.カルビドパ
ロ.セレギリン
ハ.ロピニロール
ニ.バルプロ酸ナトリウム 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ハの「筋緊張低下」でした。
過去問を考えてみよう(1999) [過去問解析]
次の文を読み1999,2000,2001の問いに答えよ。
Aさん(80歳、男性)は、妻(80歳)と2人暮らし。血管性認知症でパーキンソニズムがみられる。認知症高齢者の日常生活自立度判定基準ランクⅡb、要介護2。普段は妻がAさんの身の回りの世話をしているが、妻が入院したため短期入所療養介護のサービスを受けることになった。入所時のAさんは歩行開始困難、加速歩行、すくみ足などの歩行障害がみられた。Aさんは「最近、家の中でつまずくことが多くなりました」と入所中の施設の看護師に話した。
1999. Aさんへの歩行指導で適切なのはどれか。
1.歩行時の方向変換は素早く行うようにする。
2.目線を足元に向けて歩くようにする。
3.足踏みをしてから歩くようにする。
4.歩行時はすり足で歩くようにする。
正解(3)
[解説]方向変換を素早くやるのは転倒のリスクを増すので、1は×。足を踏み出す目標を見て歩くのはよいが、ただ足元に目線を向けるだけでは歩行姿勢を悪くするだけで、2も×。すり足歩行では足が出にくくなり、転倒の危険が増すので、4も×。正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]パーキンソン病の症状でないのはどれか。
イ.無動・動作緩慢
ロ.安静時振戦
ハ.筋緊張低下
ニ.姿勢反射障害 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ホの「消化酵素は含まれない」でした。
過去問を考えてみよう(1998) [過去問解析]
1998. 入院後3週、Aさんは症状が改善し、退院することになった。Aさんは「退院したら孫たちと温泉旅行をして、おいしいものをたくさん食べることが楽しみです。何か気を付けることはありますか」と看護師に話した退院時のAさんへの指導で適切なのはどれか。
1.「上腹部の痛みがあったら受診してください」
2.「食事内容の制限はありません」
3.「運動は控えてください」
4.「入浴しないでください」
正解(1)
[解説]食事は、脂質の多い食品は避けるべきで、2は×。運動を控える必要はなく、3は×。入浴も控える必要はなく、4は×。正解は1。
次の設問に挑戦してください。
[設問]胆汁に含まれる消化酵素はどれか。
イ.リパーゼ
ロ.アミラーゼ
ハ.マルターゼ
ニ.ラクターゼ
ホ.消化酵素は含まれない。 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ニの「夕方から夜間にかけて」でした。
過去問を考えてみよう(1997) [過去問解析]
1997. 入院後2日、妻がAさんについて「入院してからよく寝ています。時々ここが病院だとわからないようです。話しかけても気づかず、天井を眺めていることもあるし、しゃべり続けることもあります」と看護師に訴えた。Aさんのバイタルサインは、体温36.9℃、呼吸数20/分、脈拍88/分、血圧144/80mmHg。Aさんの状態で最も考えられるのはどれか。
1.うつ病
2.せん妄
3.ナルコレプシー
4.急性ストレス反応
正解(2)
[解説]妻の訴えの中に「ここが病院だとわからないようです。……」とあります。これは場所の見当識障害。見当識障害が基盤にあって起こるのがせん妄です。正解は2。
次の設問に挑戦してください。
[設問]せん妄が起きやすい時間帯はどれか。
イ.午前中
ロ.正午頃
ハ.夕食前
ニ.夕方から夜間にかけて 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、イの「胆石」でした。
過去問を考えてみよう(1996) [過去問解析]
次の文を読み1996、1997、1998の問いに答えよ。
Aさん(81歳、男性)は、妻(73歳)と2人暮らし。自宅でのADLは自立し、認知機能に障害はない。Aさんは食欲不振と腹部不快感、微熱を主訴に受診したところ、急性胆嚢炎と診断され、その日のうちに入院した。Aさんのバイタルサインは、体温37.3℃、呼吸数22/分、脈拍90/分、血圧136/84mmHg。入院後は絶飲食の指示があり、持続点滴静脈内注射と抗菌薬の投与が開始された。トイレ歩行の許可は出ている。
1996. Aさんの病室環境で適切なのはどれか。
1.座った時に膝関節が90度になる高さにベッドを調整する。
2.点滴スタンドをベッドに固定する。
3.ポータブルトイレを設置する。
4.離床センサーを設置する。
正解(1)
[解説]トイレ歩行の許可がでているので、2と3は×。認知機能に障害はなく、4も×。正解は1。
次の設問に挑戦してください。
[設問]急性胆嚢炎の原因として最も多いのはどれか。
イ.胆石
ロ.血行障害
ハ.寄生虫
ニ.アレルギー 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ニの「平成18年」でした。