過去問を考えてみよう(1995) [過去問解析]
1995. Aさんは、緊急血液透析によって全身状態が改善した。その後、シャント造設術を受け、週3回の血液透析となり、退院後は職場に近いクリニックで維持血液透析を受けることが決定した。Aさんから、退院後の生活について「仕事に復帰予定ですが、医療費の支払いが心配です」と発言があった。維持血液透析により身体障害者手帳を取得したAさんが利用できる医療費助成制度はどれか。
1.医療扶助
2.自立支援医療
3.訪問看護療養費
4.認定疾病に対する医療の給付
(2)
[解説]身体障害者福祉法第4条に規定する身体障害者に相当する人工透析患者なので、自立支援医療を受けることができます。正解は2。
次の設問に挑戦してください。
[設問]自立支援医療の新制度が創設されたのはいつか。
イ.平成5年
ロ.平成10年
ハ.平成13年
ニ.平成18年 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「腎臓」でした。
過去問を考えてみよう(1994) [過去問解析]
1994. Aさんは、3か月前に、末期腎不全の状態で腎代替療法(血液透析)が必要であると腎臓内科の医師から説明された。シャント造設のための入院を予定していたが、仕事が忙しく延期となっていた。1週前から感冒症状があり、体重増加、全身浮腫、全身倦怠感、呼吸苦が出現したため、緊急入院となった。透析用のカテーテルを挿入し、緊急血液透析を行った。
入院時の身体所見: 体重73kg(1週間で4kg増加)血圧178/105mmHg。
入院時の検査所見: Hg9.5g/dL、血清尿素窒素72㎎/dL、血清クレアチニン9.0㎎/dL、血清カリウム6.8mEq/L、血清ナトリウム138.5mEq/L。
緊急入院時のAさんの胸部エックス線写真を別に示す。Aさんが緊急血液透析となった病態で正しいのはどれか。
1.貧血
2.心不全
3.低カリウム血症
4.低ナトリウム血症
正解(2)
[解説]血液データからは、低カリウム血症(むしろ高カリウム血症)と低ナトリウム血症は否定でき、貧血はあるものの緊急血液透析の治療目的とは思えず、胸写から……正解は2。
次の設問に挑戦してください。
[設問]造血因子であるエリスロポエチンが主に生成される臓器はどれか。
イ.肝臓
ロ.腎臓
ハ.肺
ニ.膵臓 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ハの「神経障害・網膜症・腎症」でした。
過去問を考えてみよう(1993) [過去問解析]
次の文を読み1993,1994,1995の問いに答えよ。
Aさん(56歳、男性、会社員)は、デスクワークが多い仕事をしている。40歳時の会社の健康診断で2型糖尿病と診断され、紹介されたクリニックで血糖降下薬を処方されて内服を継続していた。50歳ころから視力の低下と持続性蛋白尿を指摘され、腎臓内科を受診し食事指導を受けた。しかし、仕事が忙しく食事指導の内容を守れていなかった。1年前から、足のしびれが出現するようになった。
1993. Aさんの現在の状況のアセスメントで適切なのはどれか。
1.緑内障が疑われる。
2.運動療法が必要である。
3.糖尿病性神経障害が疑われる。
4.高蛋白質の食事摂取が必要である。
正解(3)
[解説]問題文からは、現在糖尿病性腎症と糖尿病性神経障害があると思われます。正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]糖尿病の3大合併症とされるのはどれか。
イ.腎症・神経障害・尿路結石
ロ.貧血・高血圧症・神経障害
ハ.神経障害・網膜症・腎症
ニ.高血圧症・腎症・神経障害 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「96%以上」でした。
過去問を考えてみよう(1992) [過去問解析]
1992. 入院後2週、Aさんの身体状態は急激に悪化し、Aさんは「息が吸えない。苦しい。何とかしてくれ」と訴え、眉間にしわを寄せて口呼吸をしている。軽度の喘鳴がみられ、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>は88~92%(経鼻カニューレによる酸素療法2L/分)である。また、頻繁に体位を変えて落ち着きがなく、つじつまが合わない訴えと場所の見当識障害もみられる。毎日面会に来ている妻は「どうなってしまったのでしょうか。苦しそうでかわいそう」と涙ぐみ、ベッドから離れたところで座っている。Aさんの妻への看護師の説明で適切なのはどれか。
1.「Aさんが場所を間違っても否定しないでください」
2.「口腔内吸引をするとAさんの呼吸が楽になります」
3.「タッチングをするとAさんの安心感につながります」
4.「Aさんの症状が落ち着くまで自宅で待機してください」
正解(3)
[解説]意識障害による見当識障害なので、修正はすべきで1は×。口腔内吸引でも呼吸が楽になるわけではなく、2も×。妻が面会にくるのを止める必要はなく、4も×。正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]SpO2の基準値はどれか。
イ.98%以上
ロ.96%以上
ハ.94%以上
ニ.92%以上 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ニの「左側臥位」でした。
過去問を考えてみよう(1991) [過去問解析]
1991. 入院後、症状緩和のためモルヒネの内服と経鼻カニューレによる酸素療法2L/分が開始された。経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>は95%前後で維持されるようになったが、Aさんは夜間の息苦しさを訴えている。Aさんの呼吸困難を緩和するための体位で適切なのはどれか。
1.半腹臥位
2.右側臥位
3.左側臥位
4.セミファウラー位
正解(4)
[解説]呼吸苦を感じた時に、呼吸を楽にする体位は、半坐位や起座位なので、正解は4。
次の設問に挑戦してください。
[設問]胃カメラの際の体位はどれか。
イ.仰臥位
ロ.腹臥位
ハ.右側臥位
ニ.左側臥位 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ニの「過換気症候群」でした。
過去問を考えてみよう(1990) [過去問解析]
次の文を読み1990~1992の問いに答えよ。
Aさん(60歳、男性、元建設業)は、妻(57歳)と2人暮らし。2年前に悪性胸膜中皮腫と診断され、化学療法を受けたが効果がみられず、外来通院していた。2週前から、胸痛、息苦しさ、倦怠感が増強したため、症状コントロール目的で入院した。
バイタルサイン:体温36.0℃、呼吸数24/分、脈拍92/分、血圧126/88mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>86~90%(room air)。
身体所見:両下肺野で呼吸音が減弱しており、軽度の副雑音が聴取される。
血液所見:赤血球370万/μL、Hb8.8g/dL、白血球6,700/μL、総蛋白5.2g/dL、アルブミン3.8g/dL、CRP1.5mg/dL。
動脈血ガス分析(room air):pH7.31、動脈血二酸化炭素分圧<PaCO2>40Torr、動脈血酸素分圧<PaO2>63Torr。
胸部エックス線写真:胸膜肥厚と肋骨横隔膜の鈍化が認められる。廃墟脱なし。
1990. Aさんの呼吸困難の原因で考えられるのはどれか。2つ選べ。
1.胸水
2.気胸
3.貧血
4.CO2ナルコーシス
5.呼吸性アルカローシス
正解(1,3)
[解説]胸部エックス線写真で肺の虚脱がないので2は×。PaCO2の値は正常値であり4は×。pHは7.31とアシドーシスの方へ傾いており5も×。正解は1と3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]呼吸性アルカローシスの原因となるのはどれか。
イ.肺気腫
ロ.無気肺
ハ.喘息
ニ.過換気症候群 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ハの「スイス・ジュネーブ」でした。
過去問を考えてみよう(1989) [過去問解析]
1989. 世界保健機関(WHO)の主要な活動はどれか。2つ選べ。
1.児童労働の撲滅
2.保健事業の技術的協力
3.人類の飢餓からの解放
4.感染症の撲滅事業の促進
5.労働者の労働条件の改善
正解(2,4)
[解説]WHOは人類の健康を目標として設立された国際連合機関なので、正解は2と4。
次の設問に挑戦してください。
[設問]WHOの本部があるのはどこか。
イ.米国・ニューヨーク
ロ.フランス・パリ
ハ.スイス・ジュネーブ
ニ.英国・ロンドン 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「骨格筋の増加」でした。
過去問を考えてみよう(1988) [過去問解析]
1988. 終末期がん患者にみられる悪液質の徴候はどれか。2つ選べ。
1.末梢神経障害
2.リンパ浮腫
3.がん疼痛
4.食欲不振
5.体重減少
正解(4,5)
[解説]がん悪液質では、体重減少と食欲不振が典型的な症状とされています。正解は4と5。
次の設問に挑戦してください。
[設問]がん悪液質でみられることがないのはどれか。
イ.体重減少
ロ.骨格筋の増加
ハ.脱毛
ニ.低たんぱく血症 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、イの「昭和23年」でした。
過去問を考えてみよう(1987) [過去問解析]
1987. 医療法で規定されているのはどれか。2つ選べ。
1.保健所
2.特定機能病院
3.地方衛生研究所
4.市町村保健センター
5.医療安全支援センター
正解(2、5)
[解説]保健所は地域保健法で規定され、地方衛生研究所の設置は自治体に任されてはいるが法的義務はなく、1997年の厚生省事務次官通達「地方衛生研究所設置要綱」に設置根拠があり、市町村保健センターは地域保健法に規定されており、1,3,4は×。正解は2と5。
次の設問に挑戦してください。
[設問]医療法が公布されたのはいつか。
イ.昭和23年
ロ.昭和28年
ハ.昭和33年
ニ.昭和38年 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、イの「ウエルニッケ・コルサコフ症候群」でした。
過去問を考えてみよう(1986) [過去問解析]
1986. アルコール依存症の一次予防はどれか。2つ選べ。
1.年齢確認による入手経路の制限
2.スクリーニングテストの実施
3.精神科デイケアへの参加
4.小学生への健康教育
5.患者会への参加
正解(1,4)
[解説]一次予防は発生予防です。それは予防教育と社会規制からなるものです。スクリーニングテストは早期発見・介入を行う2次予防、精神科デイケアへの参加と患者会への参加は再発予防の3次予防で、2,3,5は×。正解は1と4。
次の設問に挑戦してください。
[設問]アルコールによる疾病とされるのはどれか。
イ.ウエルニッケ・コルサコフ症候群
ロ.COPD
ハ.パーキンソン病
ニ.ウイルソン病 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ニの「2014年」でした。