過去問を考えてみよう(2122) [過去問解析]
次の文を読み2122~2124の問いに答えよ。
Aちゃん(7歳、女児、小学1年生)は、3歳ころから夜間就眠中に保育所の昼寝の時に時々いびきがあり、保育所の友達に「Aちゃんがうるさくて眠れない」と言われていた。母親が心配してAちゃんを小児外来に連れて行った。その後、Aちゃんは外来で経過観察されてきたが、今年の4月から7月までの間に、急性扁桃炎を3回起こしていることや、睡眠時無呼吸がみられるようになったことから、8月中に扁桃腺摘出術を受けることになった。
2122. 定期外来の受診時に、手術が決まったことが医師からAちゃんに伝えられた。
Aちゃんは「なんで手術するの」と涙ぐんでいる。
扁桃腺摘出術を受けるAちゃんに対する看護師の説明で適切なのはどれか。
1.「寝ているときに息を止めてしまうことがあるからだよ」
2.「のどにいる悪い虫をとるためだよ」
3.「のどにお熱があるからだよ」
4.「いびきが大きいからだよ」
正解(1)
[解説]2は学童期の子供に対する説明としては不適切で、3は現在みられる症状ではなく、4は直接の手術の理由ではなく、いずれも×。正解は1。
次の設問に挑戦してください。
[設問]小児の睡眠時無呼吸症候群が多いのはどの年齢か。
イ.乳幼児
ロ.2~6歳
ハ.7~9歳
ニ.10~12歳 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ハの「1,000人に1人」でした(Hashimoto H, et al., Pediatr Infec Dis J 28: 173-175, 2009)。
過去問を考えてみよう(2121) [過去問解析]
2121. Aちゃんは入院の翌日も発熱が続いたが、頭痛は軽減し嘔気は消失したため経口摂取を開始した。入院3日、体温は微熱となり食欲が回復したことから、翌日の退院が決定した。耳下腺は縮小しつつあるが圧痛がある。父親から看護師へ「退院後、何か注意することはありますか」と質問があった。
父親への看護師の回答で適切なのはどれか。
1.「Aちゃんの精巣の腫れに注意してください」
2.「Aちゃんは退院後1週間は登園できません」
3.「Aちゃんの耳の聴こえ方に注意してください」
4.「AちゃんからBちゃんへの感染予防には明日までのワクチン接種が効果的です」
正解(3)
[解説]精巣炎が起こるのは思春期以降の男性なので、1は×。流行性耳下腺炎では、耳下腺などの腫れが出た後5日を経過し、全身状態が良好であれば登校できるので、2も×。Bちゃんはワクチンは未接種なので、明日までに1回ワクチンを打ったからといって、必ずしも効果が出るとは言えないので、4も×。正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]流行性耳下腺炎の合併症として難聴が起きる割合はどれくらいか。
イ.10人に1人
ロ.100人に1人
ハ.1,000人に1人
ニ.10,000人に1人 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、イの「髄膜炎」でした。
過去問を考えてみよう(2120) [過去問解析]
2120. 検査の結果、Aちゃんはムンプス髄膜炎と診断された。父親から看護師に「先ほど主治医の先生から、面会やAの入院中の生活に制限があると聞きました。詳しく教えてください」と質問があった。
看護師の説明で適切なのはどれか。
1.「親の面会は可能です」
2.「Bちゃんの面会は可能です」
3.「Aちゃんはプレイルームで遊べます」
4.「Aちゃんは病室内でガウンを着てもらいます」
正解(1)
[解説]ワクチン未接種のBちゃんの面会は不可で、2は×。プレイルームで他の子供に移す可能性があり、3も×。病室内でガウン着用は必要ではなく、4も×。正解は1。
次の設問に挑戦してください。
[設問]流行性耳下腺炎の最も多い合併症はどれか。
イ.髄膜炎
ロ.髄膜脳炎
ハ.睾丸炎
ニ.難聴 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ハの「2~3週間」でした。
過去問を考えてみよう(2119) [過去問解析]
次の文を読み2119~2121の問いに答えよ。
Aちゃん(5歳、男児)は、2日前に39℃に発熱して両側の耳下腺部の痛みを訴えた。昨日から同部位の主張がみられ、頭痛を訴えている。夜間に嘔吐が4回あり、発熱と頭痛が持続したため、本日父親に連れられて来院し、髄膜炎の疑いで個室に入院した。通っている幼稚園には、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)罹患児が数名いる。
既往歴:特記すべきことはない。
予防接種歴:年齢相応の定期接種はすべて済んでいる。おたふくかぜワクチンは未接種である。
家族歴:両親は流行性耳下腺炎罹患の既往がある。妹のBちゃん(3歳)は、年齢相応の定期予防接種は済んでいるが、おたふくかぜワクチンは未接種である。また、流行性耳下腺炎罹患の既往はない。
身体所見:体温39.2℃、項部硬直あり。両側耳下腺部の腫脹と圧痛あり。胸部聴診で異常なし。腹部は平坦で軟、圧痛なし。Kernig〈ケルニッヒ〉徴候あり。
検査所見:白血球8,760/μL。血清アミラーゼ834U/L(基準44~132)、CRP0.1mg/dL。
2119. Aちゃんに腰椎穿刺を行うことになった。看護師が検査の準備を始めると、Aちゃんは「何をするの?」と不安そうな表情をして尋ねてきた。
看護師の適切な返答はどれか。
1.「泣いちゃだめだよ」
2.「気にしないでいいよ」
3.「痛いことはしないよ」
4.「背中にお注射するよ」
正解(4)
[解説]子供に感情の抑圧を強いることになるので、1は×。2は子供の不安解消にはならず、×。3はうそになるので、×。正解は4。
次の設問に挑戦してください。
[設問]流行性耳下腺炎の潜伏期は、一般には、どれくらいか。
イ.1~3日
ロ.1週間程度
ハ.2~3週間
ニ.4~6週間 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、イの「ゲルストマン症候群」でした。
過去問を考えてみよう(2118) [過去問解析]
2118. 入所後3日、Aさんは入浴した。Aさんは自分で脱衣し、体を洗えたが、洗い残した部分を看護師が介助した。入浴後に看護師がAさんに服を手渡すと、Aさんは戸惑った表情で服を丸めたり広げたりしている。
Aさんへの更衣援助で最も適切なのはどれか。
1.着替え始めるまで待つ。
2.伸縮性のある素材の服を渡す。
3.服を着やすい向きに持たせる。
4.ボタンをマジックテープに変えた服を渡す。
正解(3)
[解説]着衣失行があるので、1,2,4では更衣援助にならない。正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]失書、失算、手指失認、左右失認を主要な症候とする症候群はどれか。
イ.ゲルストマン症候群
ロ.アスペルガー症候群
ハ.サバン症候群
ニ.アントン症候群 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ハの「右頭頂葉」でした。
過去問を考えてみよう(2117) [過去問解析]
2117. 入所後2日、Aさんは箸を使って食事をするが、いつも左側に置かれた食器には食べ残しがあった。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。
1.スプーンの使用を勧める。
2.反復唾液嚥下テストを行う。
3.食事の途中で食器の位置を変える。
4.食器の下に滑り止めマットを敷く。
正解(3)
[解説]患者さんの症状は、半側空間無視なので、1,2,4では対応にならないので、いずれも×。正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]衣服をうまく着ることができない症状として、着衣失行があるが、それは、どこの病変で起きることが多いか。
イ.右前頭葉
ロ.右側頭葉
ハ.右頭頂葉
ニ.右後頭葉 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ロの「切迫性尿失禁」でした。
過去問を考えてみよう(2116) [過去問解析]
次の文を読み2116~2118の問いに答えよ。
Aさん(72歳、男性)は、2か月前に右中大脳動脈領域の脳梗塞を発症した。本日、病院を退院し、介護老人保健施設に入所した。
既往歴:1年前に前立腺癌のため腹腔鏡下前立腺全摘除術。
身体所見:左上下肢に軽度のしびれがある。半側空間無視がある。構音障害はない。
生活機能:改訂長谷川式簡易知能評価スケール〈HDS-R〉26点、Barthel〈バーセル〉インデックス65点。
2116. Aさんは排尿コントロールについて「脳梗塞になってから、尿意を感じるとがまんできずに大量の尿が漏れてしまう。1日に何回も漏らす」と看護師に話した。
Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。
1.過活動性膀胱
2.腹圧性尿失禁
3.溢流性尿失禁
4.腹腔鏡下前立腺全摘除術の後遺症
正解(1)
[解説]腹圧性尿失禁とは、咳やくしゃみをしたりなど、腹圧のあがるような行為・動作で尿が漏れるもので、2は×。溢流性尿失禁とは、尿を出そうとすると出なくて、少しずつ尿が漏れ出るもので、3も×。前立腺全摘除術とは時期もずれており、問いのような症状が出るとは思えず、4も×。正解は1。
次の設問に挑戦してください。
[設問]突然尿をしたくなって漏れるのは、尿失禁の分類ではどれに相当するか。
イ.腹圧性尿失禁
ロ.切迫性尿失禁
ハ.溢流性尿失禁
ニ.機能性尿失禁 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ホの「イ~ニのすべて」でした。
過去問を考えてみよう(2115) [過去問解析]
2115. Aさんには、緊急内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉に続いて内視鏡的経鼻胆管ドレナージ〈ENBD〉が留置された。入院時に採取した血液培養からは大腸菌〈E.coli〉が検出されたが、抗菌薬治療とENBDにより解熱している。
入院後2日、Aさんは右季肋部の違和感を訴えた。バイタルサインは正常である。
この時の看護師の対応で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.ドレナージチューブをクランプする。
2.ドレナージチューブから空気を注入する。
3.ドレナージチューブの固定位置を確認する。
4.ドレナージチューブからの排液量を確認する。
5.ドレナージチューブをアルコール綿で消毒する。
正解(3,4)
[解説]ドレナージチューブのクランプや空気注入には医師の指示が必要で、1と2は×。アルコール綿での消毒はこの場合の対応としては意味不明で、5も×。正解は3と4。
次の設問に挑戦してください。
[設問]ERCPによって診断されうるのはどれか。
イ.胆管結石
ロ.膵石
ハ.胆管狭窄
ニ.膵管狭窄
ホ.イ~ニのすべて 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、イの「急性膵炎」でした。
過去問を考えてみよう(2114) [過去問解析]
2114. Aさんは、緊急で内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉を受ける方針となった。
検査前に看護師が行う説明で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.「のどに麻酔をします」
2.「磁力を使った検査です」
3.「造影剤を静脈から投与します」
4.「検査は仰向けで行います」
5.「検査後の合併症に膵炎があります」
正解(1,5)
[解説]レントゲンは使うが、磁場を使う検査ではないので、2は×。造影剤を静脈から入れることはないので、3も×。内視鏡を入れるときに左側臥位になり、その後腹臥位になるので、4は×。正解は1と5。
次の設問に挑戦してください。
[設問]ERCPの合併症として、最も多いのはどれか。
イ.急性膵炎
ロ.急性胆嚢炎
ハ.穿孔
ニ.消化管出血 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、イの「胆管結石」でした。
過去問を考えてみよう(2113) [過去問解析]
次の文を読み2113~2115の問いに答えよ。
Aさん(56歳、女性、会社員)は、夕食の1時間後から腹痛・嘔吐が出現し救急外来を受診した。2か月前から自然に消失する右季肋部痛を繰り返していた。
身体所見:身長155cm、体重82kg。体温38.2℃、呼吸数16/分、脈拍110/分、血圧126/70mmHg。眼球結膜に黄染あり。右季肋部に圧痛あり。意識清明。
検査所見:白血球14,960/μL、Hb12.8g/dL。総ビリルビン8.7mg/dL、直接ビリルビン7.2mg/dL、アミラーゼ121IU/L、リパーゼ45IU/L、尿素窒素18.9mg/dL、血清クレアチニン0.98mg/dL。CRP9.2mg/dL。
腹部超音波検査所見:胆嚢壁の肥厚、胆嚢の腫大、総胆管の拡張、総胆管結石を認めた。
2113. Aさんの病態で正しいのはどれか。
1.急性胃炎
2.急性腎不全
3.閉塞性黄疸
4.溶血性貧血
正解(3)
[解説]腹部超音波検査で総胆管の拡張と総胆管血清を認め、黄疸が認められるので、正解は3。
次の設問に挑戦してください。
[設問]閉塞性黄疸の原因として、最も多いのはどれか。
イ.胆管結石
ロ.胆管腫瘍
ハ.胆管炎
ニ.胆嚢炎 正解は次回に!!
前回の設問の正解は、ニの「昆布」でした。