成人看護学(3)(成人に特有な健康問題の特徴) [成人看護学]
2.成人に特有な健康問題の特徴
1)生活習慣に関連する健康障害
(1)生活習慣病の形成と予後
・ 生活習慣病とは、従来 「成人病」 と呼ばれていた疾患が、食生活、運動習慣、休養、飲酒などの生活習慣に、その発症、進行が関与するという考えから、1996年に名称変更されたものです。
・ 生活習慣病には、糖尿病、肥満、高血圧症、癌、歯周病、アルコール性肝炎、高血圧症、動脈硬化などが含まれます。
・ 長期多用の喫煙は、肺癌、慢性気管支炎、肺気腫などの呼吸器疾患や心筋梗塞などの循環器疾患の原因となります。
・ 我が国の喫煙率は2011年の調査では20.1%で、男性で32.4%、女性で9.7%となり、男性は減少傾向にありますが、女性は漸増しています。
・ アルコールの消費量は年々増加しており、多量の飲酒は脂肪肝をおこし、アルコール性肝炎の原因となります。
・ 運動不足は筋力低下、肥満、腰椎症の原因となります。
(2)生活習慣病の発生状況
・ 癌、心臓病、脳血管疾患を合わせると死因の6割以上を占めます。
・ 喫煙男性は、非喫煙男性に比べ、肺癌などによる死亡危険率が4.5倍高くなります。
・ 悪性新生物は1981年以降、死因の第1位となっています。
・ 死因としては、胃癌は男女とも減少傾向にあり、肺癌、大腸癌が増加傾向にあります。
・ 心疾患は死因の第2位、脳血管疾患が第3位です。
[設問] 生活習慣病の組み合わせで正しいものを一つ選べ。
イ 関節リウマチ・糖尿病・高血圧症
ロ 糖尿病・高血圧症・歯周病
ハ 糖尿病・癌・ベーチェット病
ニ 糖尿病・高血圧症・川崎病 正解 (ロ)
[設問] 喫煙が原因となる疾患の組み合わせで正しいものを一つ選べ。
イ 肺癌・心筋梗塞・肺気腫
ロ 肺癌・もやもや病・肺気腫
ハ 肺気腫・糖尿病・肺癌
ニ 肺癌・クモ膜下出血・肺気腫 正解 (イ)
[設問] 近年の死因の第一位を占めるのはどれか?
イ 脳血管疾患
ロ 悪性新生物
ハ 心疾患
ニ 肺炎 正解 (ロ)
成人看護学(6) (成人の特性や能力に応じたアプローチ)へ ⇒ http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/2013-06-19