成人看護学(8)(救急救命時の看護) [成人看護学]
5.救急救命時の看護
1)緊急性の原因のアセスメント
2)心肺蘇生法
・ 心肺蘇生法(CPR:cardiopulmonary resuscitation)は、呼吸停止や心停止に陥った時に、人工呼吸や心マッサージなどの人工的操作を加えて生命を救うことをいいます。 器具を使わずに行うのを1次救命処置(BLS:basic life support)といい、医療器具を使って行うのを2次救命処置(ALS:advanced life support)といいます。
3)気管切開・気管内挿管時の援助
・ 救急蘇生で最優先されるのは、気道の確保です。気道確保には、下顎挙上、エアウエイの挿入、気管内挿管があります。
4)急性中毒への対処
・ 中毒には、有害物質の種類によって食中毒、急性アルコール中毒、薬物中毒、農薬中毒、自然毒中毒に分けられます。原因物質の種類と量によって発症の仕方、経過、症状は異なってきます。
5)外傷・熱傷・骨折の応急処置
・ 外傷の応急処置では、外傷2次救命処置(ATLS:advanced trauma life support)が行われます。 A:気道確保と頚椎保護、B:呼吸、C:循環状態、D:神経学的所見、E:完全脱衣と低体温予防の5項目がその基本となっています。 患者の状態を迅速かつ的確に把握し、治療優先順位に基づき患者を蘇生し全身状態の安定化を図る。
・ 熱傷の救急処置
・ 熱傷の深さは、表皮までの第I度熱傷、真皮までの第II度熱傷、皮下組織まで及ぶ第III度熱傷に分類されます。深度が深いほど、ショックや敗血症が発生しやすくなります。
・ 骨折の応急処置は、初期ケアとして、骨折の局所症状を把握し、ショックがあればショックへの対処、応急固定、創処置が必要となります。
・ 骨折部位の固定法は、原則として患部の中枢と末梢2関節を含めて固定します。 上肢は上腕部を体側に、前腕部を前胸部に固定し、下肢は伸展位で固定します。
・ 開放性骨折の場合は、受傷後6時間以内に行われる創処置と骨折の取り扱いが、予後を決めます。
6)危機的状態への精神的援助
・ 心理的状態の把握に努め、不安や苦痛の除去に配慮します。
[設問] 心肺蘇生法で特殊な医療器具や医薬品を使わずに行うのを何というか?
イ 一次救命処置
ロ 二次救命処置
ハ 応急救命処置
ニ 臨時救命処置 正解 (イ)
[設問] 熱傷面積を割り出す場合、ワレスの9の法則によれば、両上肢だけで何%になるか?
イ 9% ロ 13.5% ハ 18% ニ 36%
正解 (ハ)
成人看護学(9) (手術療法時の看護)へ ⇒ http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/2013-06-22