成人看護学(7)(健康の保持・増進、疾病の予防に向けた看護) [成人看護学]
4.健康の保持・増進、疾病の予防に向けた看護
1)生活習慣病の予防
(1)適正な日常生活習慣の指標
・ 健康日本21での基本的な考え方は、「1次予防」の重視と、生活の質を高め、実り豊かな満足できる生涯づくりを目指すことです。
・ 1次予防とは、生活習慣の見直し、環境改善などにより、病気の発生そのものを予防することです。
(2)定期健康診断システムと受診者
・ 成人期の健診は、平成19年までは 「老人保健法」 に基づき、ここの生活習慣病の早期発見、早期治療をするために行われてきましたが、平成20年からは「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づき、メタボリックシンドロームに着目し、生活習慣病を予防するための健診に変わっています。
・ 40歳以上74歳までの国保や社保の被保険者と被扶養者には特定健診を、75歳以上の被保険者には後期高齢者医療制度に基づく健康診査が行われます。 これらの法的根拠は高齢者医療確保法です。 特定健診の結果次第では、特定保健指導の必要度が記載されるようになっています。
・ 職場における健康づくりは、労働安全衛生法に基づいて行われ、一般健康診断が義務づけられています。
・ 健康診断の結果に基づいて、医療面では医療行為を必要とする 「要医療」 と医療は必要ないが観察指導を要す「要観察」 に分け、さらに生活面では 「要休業」 と業務を制限すべき 「要軽業」 と業務はそのままでよいが日常生活に制限を加えるべき「要注意」などの指導区分に従って指導を行います。
2)職業性疾患の予防
(1)適切な作業環境と労働条件
・ 職業性疾患の予防対策の基本は、作業環境管理、作業管理、健康管理、特定の職業疾病に対する対策などがあります。
・ 有害な業務に従事する労働者の健康障害の早期発見のために行われる健康診断を特殊健康診断といいます。
(2)職業病のアセスメントと対処
・ 職業病の原因には、物理的要因、化学的要因、作業条件などがあります。
・ 看護職は、職場巡視を行い職場の状況を十分知った上で職場内の健康を損なう有害要因を明確化し、対処を検討します。
3)ストレスの予防と緩和
(1)ストレス状況と要因のアセスメントと緩和・解決方法の指導
[設問] 生活習慣病の二次予防とはどれか?
イ 食事や運動などで健康的な生活習慣を心がける。
ロ 日頃から定期的に健診を受ける。
ハ 病気の再発防止に努める。
ニ リハビリテーションにより、機能回復を図る。 正解 (ロ)
[設問] 40歳以上の成人に対する住民健康診査は何によるか?
イ 老人保健法
ロ 労働安全衛生法
ハ 介護保険法
ニ 高齢者医療確保法 正解 (ニ)
[設問] 有害な業務に従事する労働者に対して行われる健康診断は何というか?
イ 臨時健康診断
ロ 特殊健康診断
ハ 定期健康診断
ニ 二次健康診断 正解 (ロ)
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