成人看護学(9)(手術療法時の看護) [成人看護学]
6.手術療法時の看護
1)術後合併症のリスクアセスメント
・ 手術前に患者の全身状態のアセスメントをすることは、手術の適応条件を把握するだけでなく、手術侵襲に耐えうるかどうかを見極め、術後の合併症や機能障害を予防・治療するために全身の生理機能の予備力を判断することにつながります。
2)合併症の予防措置と指導
3)不安のアセスメントと援助
・ 不安は、不眠・疲労感、下痢・頻尿、食欲不振、表情の硬さ、手掌などの発汗などの生理的な反応をおこし、その態度は、否定的、抑うつ的、陽気、依存的傾向になりやすくなります。
・ 援助としては、患者や家族の表す不安や恐怖へ関心や共感を示し、手術に伴うプロセスにおける選択や決定をしやすいように適切な情報を提供し、支える態度を示します。
4)麻酔導入と体位
・ 手術患者は、手術室に入ると手術台でモニター類の装着、静脈麻酔薬、筋弛緩薬の注入が行われます。 麻酔薬によって意識消失や筋弛緩がおこった後、体位の固定と抑制が行われることになります。
・ 体位は、手術部位や術式によってさまざまです。 看護師は、適切な体位を正確に保持することが求められます。
5)体温管理
・ 手術中のおこる低体温は、麻酔覚醒遅延や覚醒後のふるえ(シバリング)によっておこる低酸素血症などの原因となり、手術の回復過程に影響を及ぼすので、室温の調整、手術野からの熱喪失の予防、温風加温器などでの加温、洗浄液・消毒液の加温、輸液・輸血の加温などでの予防が、看護援助として重要となります。
6)褥瘡予防
・ 手術を受ける患者は、体動が困難となるため、看護援助として褥瘡予防を講じます。特に圧迫の除去が重要となります。 骨突起部などへは、減圧を目的としたクッション、除圧を目的としたマットなどを用います。
[設問] 手術前の看護、援助で正しいものを一つ選べ。
イ 患者には不安をおこすので、手術に関する情報はなるべく与えないようにする。
ロ 手術前に患者の全身状態のアセスメントを十分に行う。
ハ 手術前には、誤解を生む恐れがあるので、患者家族との接触はなるべく避ける。
ニ 患者の不安への共感は不安をさらにあおる可能性があるので避けるようにする。
正解 (ロ)
[設問] 手術時の体位で砕(截)石位をとるのは次のどの手術か?
イ 胸部の手術
ロ 腹部の手術
ハ 四肢の手術
ニ 肛門の手術 正解 (ニ)
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