小児看護学(6)(子供の成長と発達) [小児看護学]
4)発育・発達の評価
(1)身体的アセスメント
・ 身体の成長発達には様々な要因が絡んでおり、遺伝的因子と環境的因子を総合的にアセスメントしなければなりません。
・ 各発達段階における「正常」は広範囲の行動が含まれており、発達の遅れは1つの要因にのみ起因することはありません。
(2)身体発育評価
・ パーセンタイル値とは、小さい方から数えて何パーセントに入るかを示す数値で、50パーセンタイルは100人中50番目を示している。10〜90パーセンタイル値に各年齢の乳幼児の80%が含まれることになります。
・ 3パーセンタイル未満と97パーセンタイルを超えるものは、「発育上の偏り」として詳細な検査が必要となります。
・ 評価は一時点だけで行わず、身体発育曲線を使用し、継続的に観察・評価します
・ 体重と身長の2種類の計測値から発育状態の評価を行います。 乳幼児ではカウプ指数、学童ではローレル指数などを用います。
(3)精神・運動機能の評価
・ 年長児に行われる知能検査の結果は知能指数IQ、発達全体を評価する精神発達検査は発達指数DQとして示されます。 IQやDQ70以下は明らかな発達の遅れがあることになります。
・ 発達上の遅れや歪みのある子供を早期に発見し、適切に治療に結びつけるために用いられる発達スクリーニング検査の代表的なものとしては、日本版デンバー式発達スクリーニング検査(JDDST)、遠城寺式幼児分析的発達検査法、新版K式発達検査法などがあります。
(4)家庭環境のアセスメント
・ 子供はその時代や文化の影響下にある家庭に生まれます。 したがって、子供は親や家族を介して、現代社会の生活様式、習慣、価値観、経済などの影響を受けます。 これらを総合的にとらえアセスメントする必要があります。
[設問] 身体発育評価でパーセンタイル値を使う場合、「発育上の偏り」とされるものが次のどれか?
イ 3パーセンタイル未満、97パーセンタイル超
ロ 5パーセンタイル未満、95パーセンタイル超
ハ 7パーセンタイル未満、93パーセンタイル超
ニ 10パーセンタイル未満、90パーセンタイル超 正解 (イ)
[設問] 体重と身長の2種類の計測値から発育状態の評価を行うカウプ指数が16の場合、判定はどれか?
イ 栄養失調 ロ 痩せ ハ 正常 ニ 肥満傾向 ホ 太り過ぎ
正解 (ハ)