小児看護学(29)(さまざまな状況にある子供と家族への看護) [小児看護学]
4)隔離が必要な子供と家族
(1)隔離の目的・方法
・ 隔離には、他の子供への伝播を防ぐ目的で行われる隔離と、自身が易感染状態のために感染源から守るために行われる逆隔離(清潔隔離)があります。
・ 院内感染の防止を目的に、隔離のための陰圧室、清潔隔離のための陽圧室といった空調設備も普及してきていますが、まだ限られていますので、環境の浄化、感染経路の遮断への努力が必要になります。
・ 汚染の疑いのある寝具、排泄物、検査検体などは、消毒や滅菌処理を行います。 消毒剤抵抗菌の出現も定期的に検査を行い、機械器具の消毒や殺菌処理を適切に行えるようにします。
・ 親や家族、医療者は、隔離室への出入り時には手洗いを励行し、必要に応じてガウン、手袋、マスクを着用して、媒介者にならないように気をつけます。
・ 紫外線殺菌灯が備えられている隔離室であれば、ガウンを2回以上使用する時は、その間、殺菌を行います。 紫外線殺菌灯の備えがない時は、デイスポーザブルのガウンを使用することが望ましいのですが、それが難しい時はガウンテクニックをしっかり行って対応します。
・ 隔離室で使用する体温計、聴診器、血圧計、膿盆などの物品・器具は隔離室専用としておきます。
・ 隔離室に持ち込んだ玩具類を隔離室から外へ出す時は、所定の消毒処理を行う必要があります。
(2)身体的・心理社会的影響
・ 家族や医療者のマスク、ガウンの着用や隔離操作があると、日常と異なるため、乳幼児では不安やストレスを生じることがあります。
・ 隔離室によっては、ガラス張りなどでプライバシーを守るのが難しい時があります。 そのため、学童高学年や思春期の小児が入室する時は、スクリーンやカーテンなどの使用を考慮する必要があります。
[設問] 清潔隔離(逆隔離)の対象となる疾患を、一つ選べ。
イ 流行性耳下腺炎 ロ 水痘 ハ 麻疹 ニ 白血病
正解 (ニ)