小児看護学(15)(学童の健康増進のための看護) [小児看護学]
6)安全教育
・ 不慮の事故は、1歳以上の子供では常に死因の第1位を占めていて、交通事故と海、川、プールでの溺死(および溺水)が小児の事故の主な原因です。
・ 交通事故では、自転車によるものが多いので、身体に合った自転車選びや交通安全教室などを通じた取り組みが必要となります。 また、事故の際に適切に対処できるように、救急処置など大人への安全教育が必要になります。
・ 年少児を対象とした犯罪の増加に対する地域社会における安全教育・事故防止としては、集団での登下校や子供110番制度、防犯ブザーの配布など様々な取り組みがなされています。
7)学校保健
・ 学校保健とは、学校において児童生徒のみならず、教職員の健康の保持増進とそれによって健康な生活を実践する能力の向上を図る目的で展開される保健活動であり、学校保健法に基づくものであったが、2009年4月1日に学校保健安全法に改題され、学校安全に関する条項が加えられています。
・ 学校保健の実際は、保健管理と保健教育の二つに分けられていましたが、最近は、これに、安全管理・指導も含まれるようになりました。
8)学童の情緒と家族の関係
・ 学童期には、独立への欲求が高まります。 その初期には幼児期情緒の特徴を残していますが、次第に情緒の表出を抑えるようになり、その内面は豊かで安定したものとなります。
・ 学校生活などを通じた対人関係の広がりに応じて、情緒の対象も広がりを見せます。 例えば、親・家族だけでなく、教師や友人への愛情・喜び、嫉妬、恐怖、怒りなどがあります。 また、自己の行動・意思・考えを禁止(中断)された
り、批判・否定されたりすると、消極的あるいは積極的な形で、その怒りを表現するようになります。
・ 興味・関心の対象が広がるために、学校、社会、家庭、健康などへの関心も高まりを示します。 したがって、これらに対する心配や苦悩をもつようにもなります。
・ 学童期は、家族以外の人との親密な関係が発達上大切で、特定の仲間関係や集団での活動を通じてその社会性を身につけていくことが多くなります。
・ 主な行動動機は、仲間からの承認、大人からの承認、競争であり、欲求が満たされないときは、様々な情緒反応をおこします。
[設問] 学校において、児童生徒、教職員の健康保持、増進のために展開される保健活動は何か?
イ 児童保健 ロ 学校保健 ハ 教育保健 ニ 生徒保健
正解 (ロ)