小児看護学(20)(さまざまな状況にある子供と家族への看護) [小児看護学]
9.様々な状況にある子供と家族への看護
1)外来における子供と家族
(1)緊急度の把握
・ 受診の目的、子供の状態や重症度を把握し、診察までの時間を待つことができるのか、処置を先に行う必要があるのか、などの判断を行います。
・ 乳児期の特性を十分に把握し、全身を注意深く観察する必要があります。 なぜなら、身体機能が未熟で病状が急変しやすく、体内の予備能力が乏しく容易に脱水をきたし重篤な状態に陥る可能性が大きいからです。 また、症状が多様な上に、自覚症状を訴えることができないため、診断が難しく、処置や治療が遅れる危険性もあります。
・ 観察のポイントとしては、主に、呼吸状態、皮膚色(チアノーゼの有無と程度)、全身状態(バイタルサイン、意識レベル・四肢冷感や発汗の有無と程度、腹部の状態)、けいれんの有無と種類、咳嗽の有無と種類、排痰の有無と性状、出血の有無と量、不安や緊張の程度などが挙げられます。
・ 緊急時には、児の身体的ケアが優先されるために、精神面のケアが後まわしになりがちです。 身体的ケアと同じ重みで精神的ケアを行う必要があります。
(2)感染症への対処
・ 発熱や発疹がみられるときは、予防接種や既往歴について訪ね感染症罹患の可能性、保育園・幼稚園・学校・居住地域における感染の流行状況について把握します。
[設問] 乳児期の特性について、正しいものを一つ選べ。
イ 病状の急変は少ない。
ロ 体内の予備能力が大きい。
ハ 脱水はおきにくい。
ニ 自覚症状を訴えない。 正解 (ニ)
[設問] 犬吠性咳嗽が特徴的といわれるのは、次のどれか?
イ クループ(ジフテリア含む)
ロ 喘息
ハ 百日咳
ニ マイコプラズマ肺炎 正解 (イ)