小児看護学(5)(子供の成長と発達) [小児看護学]
3)心理・社会的発達
(1)認知
・ ピアジェは子供の認知発達を、4段階に分けて説明しています。
(2)情緒
・ 新生児期にみられる興奮は、次第に快と不快に分化し、2歳頃には快・不快に加えて、愛情・得意・喜び・嫉妬・怒り・嫌悪・恐れなどの情緒が現れます。
・ 5歳になると大人とほぼ同じ情緒がみられるようになります。
(3)社会性
・ 乳児は、日常の世話により欲求が全面的に満たされることを通じて、特定の大人との間に愛着関係(アタッチメント)が形成され、社会的存在として人に対する基本的信頼感を獲得します。
・ 親子の愛着関係を基盤として、3歳頃から友達との交わりが始まります。 子供は友達との関係の中で協調性や自己コントロール力を学んでいきます。
・ 生後2〜3ヶ月になるとあやすと笑うようになります。
・ 生後7〜8ヶ月で人見知りをするようになります。
・ 学童期は、同年齢の子供同士の交流により、社会性が発達します。
・ 思春期は、大人への反発や反抗的態度(第2反抗期)を示すようになります。
(4)コミュニケーション
・ 乳児は、微笑むといった行動でのコミュニケーション、つまり非言語的コミュニケーションをとります。
・ 生後2〜3ヶ月頃から喃語が出現し、1〜1歳半になると「マンマ」「ワンワン」などの単語がみられます。 2歳前後になると2語文を話し、言語によるコミュニケーションが可能となります。
(5)遊び
(6)発達課題
・ エリクソンによれば、乳児期には「基本的信頼感」、幼児期では「自律性」「自主性」の獲得が、取り組む発達課題であります。
[設問] ピアジェの認知的発達段階説での前操作期とは、次のどの年齢層をいうのか?
イ 0~2歳 ロ 2~7歳 ハ 7~12歳 ニ 12歳~
正解 (ロ)
[設問] 子供が人見知りをするようになるのは、生後何カ月ころか? 以下より選べ。
イ 3~4カ月
ロ 4~5カ月
ハ 5~6カ月
ニ 6~7カ月
ホ 7~8カ月 正解 (ホ)
[設問] 普通、生後1~1歳半の子供の言語は以下のどれか?
イ 喃語
ロ 「マンマ」「ワンワン」などの単語
ハ 2語文
ニ 言語によるコミュニケーション可 正解 (ロ)
小児看護学(4)(子供の成長と発達) [小児看護学]
(2)機能的発達
・ 肺胞は、胎生24週頃から形成され28週頃には肺の虚脱を防ぐ肺表面活性物質が肺表表面に広がり、在胎34週以降には肺胞の数が急速に増加します。
・ 胎児のガス交換は胎盤で行われていますが、出生時の第1呼吸によって、肺でのガス交換が始まります。
・ 新生児の呼吸数は40〜50回/分と成人に比べ、頻呼吸です。
・ 新生児や乳児は、気道や後鼻腔が狭いため、鼻汁や分泌物で簡単に呼吸困難に陥ります。
・ 新生児の心拍は、120〜140回/分と成人に比べて頻脈です。
・ 新生児の体温は、腋窩で36.5〜37.5℃前後が正常で、直腸では0.5℃高くなります。
・ 生後2〜3日に排泄される暗緑色、粘稠、無臭の便は胎便と呼ばれ、胎児期の消化管分泌物や出生時に嚥下した羊水などからなっています。
・ 生理的水分必要量は、年齢が低い程多く、乳児では150mL/kg/日、幼児は100mL/kg/日、学童80mL/kg/日となります。
・ 子供は尿量や不感蒸泄などの水分代謝が激しく、感染症にかかりやすいため、下痢、嘔吐、発熱、食欲不振に陥りやすく、容易に脱水をおこしやすいといわれます。
・ 免疫グロブリンの大半を占めるIgGは、胎盤を通って母体から子供へ移行し、感染予防に重要な役割を果たしています。 IgAは母乳のうちでも初乳に多く含まれて、腸管系の感染防御に役に立ちます。
・ 新生児・乳児期にはモロー反射などの原始反射がみられますが、成長・発達とともに消失します。
[設問] 肺胞の数が急速に増えるのは在胎何週以降か?
イ 24週 ロ 28週 ハ 34週 ニ 38週
正解 (ハ)
[設問] 新生児の呼吸数は、一分間にどれくらいか?
イ 10~15回 ロ 15~20回 ハ 20~30回 ニ 40~50回
正解 (ニ)
[設問] 新生児の心拍数は、一分感にどれくらいか?
イ 60~80回 ロ 90~110回 ハ 120~140回 ニ 150~170回
正解 (ハ)
[設問] 胎便の色は、次のどれか?
イ 乳白色 ロ 暗緑色 ハ 暗赤色 ニ オレンジ色
正解 (ロ)
[設問] 初乳に多く、腸管感染症の防御に役立つのはどの免疫グロブリンか?
イ IgA ロ IgM ハ IgE ニ IgG
正解 (イ)
[設問] 生後4カ月ころ消失する乳幼児にみられる反射は次のどれか?
イ モロー反射 ロ バビンスキー反射 ハ ルーティング ニ パラシュート反応
正解 (イ)