基礎看護学(18)(基本的日常生活援助技術) [基礎看護学]
7)休息・睡眠の援助技術
(1)休息・睡眠状態のアセスメントと援助方法
・ レム睡眠では、深い眠りにもかかわらず脳波は覚醒時に類似しています。夢の約80%はレム睡眠期にみられます。
・ 小児は、成人に比べ、レム睡眠の割合が多いといわれています。
・ 睡眠時間は新生児の場合18時間前後ですが、その後だんだん少なくなり、高齢者では5〜7時間となります。
・ 睡眠中は発汗が増加し、体温・血圧は低下、呼吸数と脈拍数は減少します。
(2)安楽な休息・睡眠を促す援助方法
・ 睡眠時は、消灯もしくは患者の習慣も考慮し照度を低くします。
・ 治療・看護処置により発生する音、ドアの開閉音、会話などの雑音はできるだけたてないように配慮します。
・ 病室内と外気温の差が、5℃以上にならないようにします。
・ 就寝前に、足浴やぬるめのお湯にゆっくりつかると、副交感神経が優位となり安眠につながります。
・ 発汗・臭気・掻痒感などは不快感をおこし睡眠のさまたげになるので、身体は清潔にします。
(3)睡眠障害とその援助方法
・ 不眠の原因を確認し、不安や心配事は共感をもって聞くようにします。
・ 熟眠感がなく、よく眠っているようにみえても不眠を訴えることもあるため、睡眠時間だけでは判断できません。
・ 入眠期・軽眠期は眠りが浅く覚醒しやすいため、このときに覚醒するとその後の寝付きが悪くなります。
・ 援助としては、罨法、足浴などを行ったり、可能な処置を行ったりします。
・ 眠剤を投与する場合は、投与後の観察を行うようにします。
[設問] 睡眠中の患者を観察すると、瞼の下で眼球が急速に動くのが見えた。患者の睡眠レベルは何と呼ばれるか?
イ 軽睡眠
ロ 深睡眠
ハ ノンレム睡眠
ニ レム睡眠 正解 (ニ)
[設問] 新生児の睡眠時間はだいたいどれくらいか?
イ 18時間 ロ 15時間 ハ 13時間 ニ 11時間
正解 (イ)
[設問] 睡眠中に増加または上昇するのは次のどれか? 一つ選べ。
イ 発汗 ロ 体温 ハ 血圧 ニ 呼吸数 ホ 脈拍
正解 (イ)
[設問] 睡眠の援助方法について正しいものを一つ選べ。
イ 入院中の患者は不安をいだいているので、消灯はできるだけ避けるようにする。
ロ ドアの開閉音、会話などの雑音はできるだけたてないよう配慮する。
ハ 入浴は熱めのお湯に短時間つかるようにすると、安眠につながりやすい。
ニ 病室内と外気温の差は、10℃くらいにする。
正解 (ロ)