ランダム問題(2) [問題集]
[設問11] 細胞膜を構成するのは次のどれによる二重層か?
イ 糖脂質 ロ コレステロール ハ リン脂質 ニ 蛋白
正解 (ハ)
ミニ解説: 細胞膜の骨格は主にリン脂質がつくる二重の層で成り立っている。リン脂質は水に親和性のある(親水性)リン酸と水に親和性のない(疎水性)脂肪酸からなるもので、その水に対する性質が異なる二つのパーツのために、体液の中では、水に対してリン酸部分を向ける形で存在できることになる。するとどんな形になるか? 球体となる。二重層をつくり球体となれば、外と内の水成分、つまり体液の中で形をつくって存在することができる。こうして、リン脂質は、細胞膜の基本骨格をつくるのに極めて適したものとなるのである。
[設問12] 細胞内小器官でエネルギー源であるATPを酸素を使って産生するのはどれか?
イ ミトコンドリア ロ 小胞体 ハ リソソーム ニ ゴルジ装置 ホ リボソーム
正解 (イ)
ミニ解説: 酸素を使うエネルギー産生、これを行うのがミトコンドリアである。ミトコンドリアは独自の遺伝子を持つ。ミトコンドリアの起源については、好気性バクテリアが大古の昔のご先祖に入り込んで、共生するようになったものだと言われている。
[設問13] 細胞内小器官でmRNAが運ぶ情報を基に蛋白質を合成するのはどれか?
イ ミトコンドリア ロ 小胞体 ハ リソソーム ニ ゴルジ装置 ホ リボソーム
正解 (ホ)
ミニ解説: リボソーム蛋白質とリボソームRNAからなる小粒状の構造物がリボソームである。このリボソームの役割は蛋白質の合成である。できた蛋白質は小胞体を通ってゴルジ装置に運ばれる。ゴルジ装置は、タンパク質に糖などを付け加えて修飾を行い、分泌することになる。
[設問14] 細胞内小器官で異物や老廃物の消化を行っているのはどれか?
イ ミトコンドリア ロ 小胞体 ハ リソソーム ニ ゴルジ装置 ホ リボソーム
正解 (ハ)
ミニ解説: リソソームは、細胞内の消化の場である。膜につつまれた構造物で、内部に加水分解酵素を持つ。ここで分解されたもののうち、有用なものは細胞質で利用され、不用なものは細胞外へ廃棄されることになる。
[設問15] 細胞膜の物質輸送で濃度勾配によってなされるものを何というか? 以下より選べ。
イ 拡散 ロ 溶質ポンプ輸送 ハ エクソサイトーシス ニ エンドサイトーシス
正解 (イ)
[設問16] 腺細胞でみられる分泌顆粒の放出は以下のどれによるものか?
イ 拡散 ロ 溶質ポンプ輸送 ハ エクソサイトーシス ニ エンドサイトーシス
正解 (ハ)
[設問17] マクロファージや好中球などでみられる異物を取り込み細胞内で消化する過程でみられるものは、次のどれか?
イ 拡散 ロ 溶質ポンプ輸送 ハ エクソサイトーシス ニ エンドサイトーシス
正解 (ニ)
[設問18] 一本の染色体は二本の染色分体からなるが、一か所で結合しているためXの形に見える。この結合部を何というか?
イ ヒストン ロ キアズマ ハ セントロメア ニ テロメア
正解 (ハ)
[設問19] 染色体の末端にあり、染色体末端を保護する役目を持つが、細胞分裂のたびに短縮するのはどれか?
イ ヒストン ロ キアズマ ハ セントロメア ニ テロメア
正解 (ニ)
ミニ解説: テロメアは染色体の末端領域をいう。セントロメアは、染色体の長腕と短腕が交叉する部位をいい、ほぼ中央にあるので、そう名付けられ、細胞分裂のときに染色体が均等に分かれるために必要な領域といわれている。
[設問20] 細胞内でリボソームにDNAの情報の伝達を行うのは次のどれか?
イ mRNA ロ tRNA ハ rRNA ニ ncRNA
正解 (イ)
ミニ解説: RNAとはリボ核酸、英語ではribonucleic acid。RNAには伝令RNA(mRNA)、運搬RNA(tRNA),リボソームRNA(rRNA)、ノンコーディングRNA(ncRNA)などがある。伝令RNAはDNAの情報を蛋白をつくるリボソームに伝える役割を、運搬RNAは蛋白の材料となる特定のアミノ酸をリボソームへ誘導する役割を持っている。リボソームRNAはリボソームを構成するRNAであり、ノンコーディングRNAは蛋白へ翻訳されないRNAの総称で、運搬RNAやリボソームRNAもこれに含まれることになる。
基礎看護学(5)(看護の展開) [基礎看護学]
2.看護の展開
1)対象者の全体像の把握
(1)情報の収集と分析
(A)系統的、統合的、継続的な情報収集による全人的な把握
・ 身体的情報には、疾病や傷病の経過、その原因、病態生理、治療方針、治療内容、検査結果などが含まれ、それらから現在どのような疾病の段階(急性期、回復期、慢性期、終末期)にあるかを知ることができます。
・ 心理的・精神的情報には、性格・気質、価値観・規範、自己概念、精神状態、疾病に対する受け止め方、普段の問題への対処行動パターンなどが含まれ、対象者の精神的・心理的ニーズを知ることができます。
・ 社会文化的情報には、日常生活行動、生活習慣、生活様式、家族内や社会的役割、対人関係などが含まれ、対象者の社会的ニーズを知ることがきます。
・ 身体的、心理・精神的、社会文化的情報を主観的データと客観的データからとらえ、情報の妥当性を確認する必要があります。
(B)情報源と収集方法
(C)事実に基づいた分析と統合
・ 分析カテゴリーとしては、ヘンダーソンの14の基本的看護の構成要素、オレムの3領域のセルフケア要件、ロイの適応モデルによる4つのアセスメント因子、ゴードンの11の機能的健康パターン、NANDAの9つの人間の反応パターンなどが提示されています。
(2)問題の明確化
(A)問題の構造を明確にしていきます。
・ 情報の分析に基づいた看護の対象となる問題(看護上の問題)は、看護援助によって解決できるものとします。
・ 情報の追加があったり、患者の状態に応じて、問題は変わりうるものです。
・ 問題に関連する要因を明らかにしておくことが大事です。
(B)看護上の問題が、どのレベルのものかを明らかにする必要があります。
・ 顕在的問題: 今、実在する問題のこと
・ 潜在的問題: おこる可能性のある問題
・ より高いレベルの健康を目指す場合の問題: 健康増進など
・ 共同問題: 医師や他の医療従事者と共同で取り組むべき問題
[設問] ヘンダーソンの14の基本的ニードに含まれるものを二つ選べ。
イ 美食 ロ 老廃物の排泄 ハ 睡眠と休息 ニ 貯蓄 ホ 就業の拒否
正解 (ロ、ハ)
[設問] 看護における情報の収集源となるのは次のうちどれか? 二つ選べ。
イ 医療チーム
ロ 患者の手紙
ハ 顧問弁護士
ニ 看護記録
ホ 近隣の住人 正解 (イ、ニ)
基礎看護学(8) (共通基本技術)へ ⇒ http://shiratorik-kango.blog.so-net.ne.jp/2013-05-14-2
ランダム問題(1) [問題集]
[設問1] 次の文のカッコの中に入るべき最適のものを下記より選べ。
生物は、生命活動を行うために、外界と境界を持って( )を維持する必要がある。
イ 代謝 ロ 内部環境 ハ 細胞内小器官 ニ 生命 正解 (ロ)
[設問2] ヒトは約60兆の細胞からなるが、これらの細胞は生命活動のために機能を分担している。これを細胞の何というか? 一つ選べ。
イ 機能分担 ロ 進化 ハ 機能分化 ニ 役割分担 正解 (ハ)
[設問3] ヒトの体細胞において同じような機能や構造を持ってグループ化したものを何と呼ぶか? 下記より選べ。
イ 細胞群 ロ 組織 ハ 臓器 ニ 器官系 正解 (ロ)
[設問4] ヒトの身体は生命維持のために、一定の範囲に身体の中の状態を維持している。これを何と呼ぶか?
イ ホメオスタシス ロ 環境保全 ハ 体内時計 ニ 健康保持 正解 (イ)
[設問5] 死の三徴候と呼ばれるものを選べ。
イ 心停止・呼吸停止・脈拍消失
ロ 低体温・心停止・呼吸停止
ハ 心停止・呼吸停止・瞳孔散大と対光反射消失
ニ 心停止・呼吸停止・意識消失 正解 (ハ)
[設問6] 脳死の所見と思われるものを二つ選べ。
イ 心音停止 ロ 自発呼吸停止 ハ 脈拍消失 ニ 対光反射の消失 ホ 心電図平坦化
正解 (ロ、ニ)
ミニ解説: 脳とは、大脳、脳幹、小脳からなりその不可逆的機能停止が脳死です。呼吸の中枢は脳幹にあり、対光反射も脳幹の機能です。ですから、自発呼吸の停止と対光反射の消失が脳死の所見となります。心音停止、脈拍消失、心電図平坦化は心停止を示す所見、心臓は脳死でも動きうる臓器ですから、これらは脳死の所見とはならないわけです。
[設問7] 体液は体重の約何%か?
イ 40% ロ 50% ハ 60% ニ 70% ホ 80% 正解 (ハ)
[設問8] 細胞外液は体重の約何%か?
イ 10% ロ 15% ハ 20% ニ 25% ホ 30% 正解 (ハ)
[設問9] 細胞内液は体重の約何%か?
イ 10% ロ 20% ハ 30% ニ 40% ホ 50% 正解 (ニ)
[設問10] 女性が体重に対する体液量の割合が低いのはなぜか?
イ 骨が細いから
ロ 脂肪組織が多いため
ハ 筋肉組織が少ないため
ニ 水分摂取が少ないため 正解 (ロ)
基礎看護学(4)(看護の概念) [基礎看護学]
5)看護倫理
(1)患者の権利
・ 医療法には、患者の生命権や幸福追求権が規定されています。
・ 患者の生命権や幸福追求権がうまく機能するには、自己決定がうまく機能しなければなりません。そのためにインフォームドコンセントは不可欠となります。
(2)患者のプライバシー権
・ 患者のプライバシー権は、個人の権利とほぼ同義語として用いられます。 それは、各個人は私生活上、自由であり、他者から干渉されないということになります。
・ プライバシーの保護とは、単なる守秘義務ではなく、個人情報のコントロール権も含まれるものです。 患者は自分自身の医療情報へのアクセス権を持ち、収集の停止などのコントロールの権利も有することになります。
・ 個人情報保護法は2003年に成立しました。 この法律は1980年のOECDのプライバシーガイドラインを基本としています。
(3)看護師の倫理規定
・ 看護師の倫理規定は、国際看護師協会(1964年)、アメリカ看護師協会(1988年)、日本看護協会(1967年・2003年改変)、国際助産師連盟(1999年)などがあって、専門職としての責務や倫理的規範が記載されています。
・ 日本看護協会の看護師の倫理規定は、看護師の倫理的な規範を示すもので、看護師の4つの基本的責任と看護のニーズがあらゆる人々に普遍的であること、看護の本質と看護ケアはどんな制約も受けないこと、これらを実践する看護師はあらゆる人々と連携を図るなどが述べられています。
[設問] 充分なインフォームドコンセントの実施と思われるものを一つ選べ。
イ 治療法の副作用にしぼって十分説明し、患者さんの承諾を得た。
ロ ガイドラインに沿った治療なので、特に説明をせずに治療を行った。
ハ 患者さんが「先生に全部お任せします」と言われたので、医療者側で治療法を決めた。
ニ 患者さんに治療の利点、副次作用、代替治療など十分な説明をし、同意を得たが、いつでも同意は撤回できることを付け加えた。
正解 (ニ)
[設問] 1981年に採択された患者の権利に関する宣言は次のどれか?
イ ヘルシンキ宣言
ロ 患者の権利章典に関する宣言
ハ リスボン宣言
ニ ニュールンベルグ宣言 正解 (ハ)